保険発祥の地へ

 6月1日。

 朕が釣行機会を逸している間に釣り廃人たちは釣果を重ねていた。
 一昨昨日は公孫戍が中野島エリアでスモールマウスを5匹、侯嬴こうえいは降臨跡上流でナマズを1匹キャッチ。
 更に昨日は侯嬴が降臨跡上流でナマズ3匹、スモールマウス1匹をキャッチしていたのだった。
 釣行機会を逸していたことによりストレスが溜まっていそうなところではあったが、この間、身近なところにWRONG SCALEのファンが二人もいたことが判明する、ということがあったので気分は晴れやかだった。
 世間的にはまるで無名でも、実際に音楽をやっている連中の評価はきわめて高いと知り、一種の高揚感を覚えていた。
 しかし、たとえそのような爽快な精神状態にあったとて、朕は礼をおろそかにはしない。
 「でもよお、おめえら新川では釣ったことないよな。大したことねえなあ…オォーイ!」と、伝説式で噛み付くことは忘れなかった。

 ようやくという感じで巡ってきた釣行機会。
 この日はより確実な釣果を求め、ドブにシーバスを釣りに行くことにした。

 帰宅すると例によってハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気に冒されていた。
 夜の下げ始めの時間帯から開始のつもりで寝ようとしていたところ、李立よりメール着信。
 今日は釣りに行けるのか、との問い合わせ。
 釣りには行くが、今日は夜からドブシーバスだと答えたところ、李立は夕方からドブに行くとのこと。
 今や共にスーサイドマシーンを持つ身。それぞれの都合で行けばよろしかろう、ということで合意。

 上げ止まりを迎える頃、草庵を出る。
 ホームレス公園に入りたいところではあるが、潮位が高いうちは長靴でもなければ進入は不可能なため、十分に潮位が下がるまではケミカルワンドで過ごすことにする。
 かつて進入できた所が入れなくなったことによりポイントは減り、今年は魚の寄りも悪いという印象のある場所だが、状況次第で道筋が通ることもある。潮の巡り、風向き、ベートの動き次第では状況も変わる。
 その上での「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」なら結構なことだが、残念ながら修羅は前提なしの“もしかしたら”だった。
 故に、自分だけいつも釣れなかったのは当然の結果だったのである。

 現地入り。
 李立がこれからこちらに来るといい、ほどなくして合流。
 ホームレス公園には施恩も来ており、上げの時間帯から下げの途中まで過ごし、李立はシーバス8匹、キビレ1匹をキャッチし、施恩はシーバスを8匹キャッチしていたとのこと。
 そこまで釣れるならそっちの方が良いのでは?と朕は移動を促したが、李立がこちらに来た理由を聞き、ならばこちらで粘るしかないという結論に至る。

 シュガーミノー、CD3といったミノープラグで釣れることもあったが、バイトが多かったのは今回もマニックだった。
 朕はキビレ1匹、セイゴ3匹をキャッチ。
 李立はここではフッコ1匹、セイゴ2匹をキャッチしていた。
 釣れた数はこの程度だったがアタったとかバレたとか、そんな聞きたくもねー話は割とあり、潮止まりまでの時間を楽しく過ごすことができたのだった。

 この日、中野島エリアに入っていたという公孫戍より、50はあろうかというサイズを含む3匹のスモールマウスをキャッチしたとの報が入る。
 「多摩川のスモールは流れの絡む場所にワーム通すのがパターン、つまらねえ釣りだ」と、釣れない人ならではの汚ねえ唾を吐いてやったのは飯を食い終えてからのこと。
 日を跨いで深夜のメール送信。
 伝説アナザー氏の流儀によれば、これは完全なネチケット違反行為である。





テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング シーバスフィッシング

風勃ちぬ

 5月28日。

 降臨二年、五月。
 何事も起こらぬまま、三年、四年、万年と流れていってしまうのか、と半ば絶望のうちに過ごしていたところにもうひとつの風が吹いた。
 伝説は終わらないのだと知り、宿河原堰下へ行くのが楽しみな現在である。
 しかし、この日はハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない疲労と眠気から回復したのは20時ごろ。
 時間的にきつくはあったが釣り廃人は体が動く限りフィールドに向かってしまうものである。

 和泉多摩川の乞食風呂前からエントリーしポイント入り。
 さすがにこの時間まで将軍は粘れなかったようで、風は吹いていなかった。風を感じるにはもう少し早く来なければならないようだ。
 魚の動きも鈍く、下げ止まり付近の時間にアタったとかバレたとか、そんな聞きたくもねー話が一度あったのみ。

 果たして今日は風が吹いたのだろうか。
 何回、否、何年連続ノーフィッシュをカウントしているのだろうか。見られなかったことにより、ますますもうひとつの伝説への興が湧いての納竿となった。

テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

口実猫

 5月26日。

 昨日はザ・タックルボックスでスティッコーとトライリーンを仕入れ、夕方からの伝説ウォッチに備えて昼寝をしたところ、そのまま夜まで眠ってしまい釣行機会を逸してしまった。
 昨日の分を取り戻そうと、この日は少しだけ早めに鳥小屋を出る。

 今年はまだ見ていない中野島堰下と調布水門の一帯に入る。
 水量は少なく、アユの量も昨年より少なく感じられる。
 スモールマウスのチェイス、コイのバイトがあるのみで勢というものが感じられない。
 ここでもアユの周りをうろつくニゴイは見られなかった。
 ここで釣果を求めても徒に時間を食うだけに終わるだろうと思われたので、我が主君にお目通りしておこうと登戸エリアに移動することにした。

 窟前に来てみれば、追放者は不在。
 川原一帯には多くの人出。追放者が窟に居られないのも納得だ。週末にはオペラ座のメンバーがここに集う恐れがあるし、人の往来が激しければ天敵を識別するのが難しくなるのだろう。
 降臨跡にはずらりと釣り人が並んでいる。三輪氏が新川節を我慢しているのが不思議なぐらいの人数である。
 降臨跡上流の中州にも釣り人が見えている。
 ここまでの盛況にあっても降臨しないのはまりにも勿体ない。
 朕は好機をことごとく逃している修羅を悲しんだ。
 韓流ポイントにも釣り人は見えるが、降臨跡に比べれば少ない。おそらく主従は韓流に居るだろう。

 韓流ポイントに向かって歩いていたところ、小田急下で追放者が寝ているのが見えた。
 ここに居るのはやしない、生かす使命のためと言っていたが、その様はBeggarそのものである。追放されて一年は経っただろうか。

 手マンポイントに公孫戍を発見。
 携帯電話が壊れ、昨晩からメール通信ができず難儀していたとのこと。しかし、テクノロジーに頼らなくとも、聖人の徳は遍く天下を潤すもの。通信などせずとも、現に我々をこうして引き合わせたのである。
 朕は夏侯章を拝し、その徳を褒め称え、ここ何度か目撃しているもうひとつの伝説の面白さを、朕なりの視点から分析した結果を報告した。
 ここでは一瞬ドッグXにラージマウスが涌き、シャッドテールワームを追うという現象が起きたとのこと。
 しかし、釣れる条件が不足していると判断した朕は、積極的にルアーを追う魚ともうひとつの降臨を求めて堰下に移動することにした。

 堰下はおめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!状態。
 トップウォーターにコイのチェイス、バスのバイトらしき反応はあったものの、ここでも勢を感じられない。
 魚の生息は明らかでありながら、抑え込まれているという印象だ。
 朕を喜ばせていた風が吹くことも無かったので、朕は主君の居る韓流ポイントに戻ることにした。

 再びの韓流ポイント。
 朕はこのポイントでの釣果は諦めており、公孫戍と礼と貴賎尊卑について論じ合っていた。
 今日は公孫戍が僕たちは今恋をしているコンビニに寄っている時間的な余裕が無いとのことなので20時で終了とすると取り決めていたが、その終了時刻間際、公孫戍が2匹のスモールマウスのキャッチに成功。
 この日、ノーフィッシュに終わった朕と夏侯章が「おめえは一軍、オレらは二軍、そういう考えやめねえか。オレたちそもそもそういう付き合いだったか」と、公孫戍に泣いて噛み付いたところで解散となった。

テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

おくり人

 5月24日。

 昨日、中野島堰上に入っていた公孫戍が4匹のスモールマウスをキャッチしたとの報が入る。
 ライトリグを用いる釣り人を多摩川でよく見かけるが、ライトリグが高確率のメソッドであることを体現できる釣り人は少ない。
 公孫戍はスモールマウス狙いにおいてライトリグが有効なメソッドであることを示し続けている。
 新川で鍛えたライトリグの釣りが本物だったなら、今頃は伝説三輪氏の釣果も高い頻度でここに上げられていたことだろう。

 連休初日が長潮と重なるとはついてない。
 今の時期、最も釣り易いのはシーバスだが、環境を味方に付けられなければ最も難しい魚になってしまう。
 こんな時は居る魚をどうにか釣るという、朕が最も苦手とするライトリグの釣りをするのがいちばん手堅く思われたので、中野島エリアにスモールマウスを狙いに行くことにする。

 昨日の雨の影響か、ポイントは増水しており、好調を期待させるものがあったが、やはり苦手の釣りのため要領を得ず、いかにポイント独り占め状態にあっても、公孫戍のように数釣りとはいかず、ウルティモペケニシモとペケニシモの二匹で終了。
 同日、降臨跡上流に入っていた侯嬴こうえいはというと、ワッパープロッパー、トップでの男らし~釣りで2匹のナマズをキャッチしていたのだった。
 簡単にいつでも、とまではいかなくとも、釣るためにはどうするか、何が出来るかを考えていれば多摩川でも釣ることは可能。
 「手堅さに走って自分らしさを見失っていると思わねえか」なる、切羽詰ったかのような問いかけは考える能力の欠如の表れか。
 朕は、自尊心と実力の不釣合いによって起こる悲劇について思いを馳せながら帰路に就いた。

 この日は風の吹く場所の様子を見に行くことは出来なかったが、よく釣る仲間が周りに居なければミノー投げてるだけで楽しいはずだろうから、心配には及ばない。





テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

麒麟を擒える

 5月22日。

 昨日も釣り廃人たちは多摩川で釣果を得ていた。
 公孫戍は40クラスを含む8匹のスモールマウスを。
 侯嬴はナマズを2匹。
 このように、まだ新川で鍛えた本気を実釣をもって示す余地は十分にあるのだ。

 追放者の風呂場まで走り、今日は堰下狛江側を狙う。
 先日はライギョこそ釣れたものの、居ると確信を得て釣れたものではないし、スモールマウスやナマズといった本来釣るべき魚種を取りこぼしている。
 前回は「トライアンフの7フィートスピニングで釣れるかの実験」だったから仕方が無いと思えることにして、今回はプラグの操作に適した6,6フィートのキャスティングタックルを用いて新川で鍛えた本気で臨んだ。

 前回来た時より水量は減っていたが、流れ、見えるベートともに申し分なしに感じられたので、光量が落ちるのを待つことにする。 対岸には期待通りの風が吹いていた。
 びっクリプトン!
 キャストが下手なのは仕方のないことだとしても、バックラッシュで切ったラインを投棄するのを目撃してしまった以上、捨て置けない。
 クリプトナイトも持たずにゾッド将軍に善、不善を説くのは命懸けの行為といえるが、地球人として諭さずにはいられない。
 次に話す機会があったら地球の常識をこのクリプトン星人に説くことであろう。

 水量が減ったためなのか、月齢の影響なのか、この日は魚の活発な動きが見られず、夜も更けてきた頃にようやくチェイス、バイトが出るようになったがアタったとかバレたとかそんな聞きたくもねー話に止まる。
 キレるにはうってつけの現象は起こったが、残念ながら、この頃には対岸のクリプトン人は消えていた。
 天地を味方につけられなければこんなものか、と諦め、この日降臨跡上流に入っていた侯嬴こうえいに様子を訊ねてみたところ、向こうもアタったとかバレたとかそんな聞きたくもねー話に止まっているとのこと。

 一方、この日、中野島堰上エリアに入っていた公孫戍は好調で、ナマズ1匹、スモールマウス4匹という釣果を得ていたとの報が入る。
 グラブ、ストレートのソフトプラスチックを駆使しての釣果だというので、朕は「ナマズにワームは無いよ」と、かつて登戸エリアに出没していた未満人の言葉で僻んでやった。






テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード