帰路、二台の三輪車を見る

 10月3日。

 平日、単独での釣行。
 プレミアは求めず、ただ釣果だけを追う日。
 朕は釣れないからといって、自分のヘボさ加減を棚に上げて釣りという低レベルな競争から卒業したりはしない。

 昨日はマルタが釣れるのみで終わってしまった宇奈根に入る。
 だいぶ水温が下がってしまった今だが、夏ほどの力は無いにしても、強く太い流れ、それに絡むカバーは注視すべきであろうと考えてのこと。
 一帯を見ればアユやコイの他にフッコ、セイゴが見える。
 スピナーを引けば、フッキングまでには至らないものの、セイゴがバイトしてきたり、アユがアタックをかけてきたりしていた。
 流れと流れの境目で捕食を行っているのはスモールマウスかシーか、と脈ありな雰囲気を醸し出していたが、スモールマウスの反応は得られず、見えたスモールマウスは超小型のみだった。
 水温低下に入っている今は、より大きな水塊が留まるような場所を好むのだろうか、ということで韓流ポイントに移動する。

 韓流ポイント。
 到着時、一帯の流れは微弱で、表面の水は汚かった。
 水面はこうでも、水の中はどうなっているのか想像がつかない。大規模な小ブナのスクールが出来ているところを見ると、見た目ほど水は悪くないのかもしれない。
 どういう基準で堰の開閉を行っているのかはまったく不明ながら、ある時堰の放出量が増える。
 陽が沈んで少し経った頃、水面に見えていた油膜のようなものが流れていくようになった。
 スモールマウスは普段、この辺のカバーに張り付いてじっとしているのか、回遊で入ってくるのかまではわからないが、水が動くとき、ボトムのカバー周りに機が生ずるのはこれまでに何度も見ている。
 手マンポイントとケーポップポイントを行き来し、ケーポップポイントのカバーにスティッコーを通した時、ストライクを得る。
 次第に北風が強まり、ライトリグでは狙いのリトリーブコースを引いてくるのが困難になったことにより、ワンダー60にルアーチェンジ。
 風の当るシャローを打つ。
 波立つほどの状態になっているので、ハードベートでも騙しは利くだろう、とキャストする。
 ところが、数投のうちにバックラッシュしてしまった。いうまでもなく、スピニングリールのバックラッシュはキャスティングリールのものより厄介である。
 解けそうにも見えたので、少し強めにラインを引っ張ってみたところ、バックラッシュ箇所のラインが切れてしまった。更に、強風が切れたラインを持っていってしまい、ルアーもロストしてしまった。
 なかなか店頭で見なくなってしまったワンダー60なのに…と、意気消沈し、新たにリグを組む気力も湧かず、撤退とした。
 
 最後に泣きが入ってしまったが、やがて「多摩川二回連続ボーズなし!」と、レジェンドⅡのように喜べたのは、帰路、時同じくして二台の改造三輪車を見てからのことだった。

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歯抜辻通過

 10月2日。

 帰宅後、すぐに宇奈根に向かおうとしていたが、やはり、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気のため一寝入り。
 目覚めてみれば李立よりメール着信あり。今日は休みだとのことで合流の運びとなる。
 このところボーズが続いているので、この日は未開封のツートンカラーのスティッコーを持ち出し、「今日はツートンカラーのスティッコーが多摩川で釣れるかの実験」と宣言。もしボーズに終わっても、周囲に自分がヘボいからではないと思わせた気になれる伝説式保険とした。

 今日は平日であるため、登戸名物の降臨は百パーセント無いものとし、寄り道せずに宇奈根入り。
 ポイント入りしてほどなくして李立も到着。
 当然挨拶は伝説式の礼に則って行う。
 我々に強烈な印象を与え、釣り人としてこうあってはならぬというものを身をもって示してくれたレジェンドⅡの思い出などを語らいながら、ワームをドリフトさせてみたり、フォールさせたりしてバスからの回答を待つ。
 李立が一度スモールマウスの反応を引き出していたようだが、アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!止まりだったとのこと。
 朕はワームの釣りに倦んできていたので、スピナーに替えて一流ししていたところ、流芯周りでストライクを得る。小さいが銀色が見えたのでセイゴかと期待したが、小マルタだった。
 何はともあれノーフィッシュに終わる心配は無くなった。
 この流れの中、アップクロスでもしっかりブレードが回るスピナーはかくも有力なのか、と巻き続けたが、結局バイトを得たのはこれだけで、バスやシーバスの姿は見るも、どうにも釣れる感触が無かったため、ここを捨て、韓流ポイントの様子を見に行こう、と移動。

 韓流ポイント。
 見えない中に緩く存在する流れを探る釣りになるのでここではシンカーの重量を極端に落とす必要がある。
 朕は手マンポイントでカバーのアウトサイドにベートを通すことにつとめた。
 微かであるが流れは感じられ、小ブナの群れや超小型のブラックも見える。強さの程度はわからずとも魚を寄せる力はある。
 と、粘り続けていたが日没になってもまるで反応を得られないので、ケーポップポイントに入った李立の様子を見に行く。

 聞けば、ついさっき30半ばのスモールマウスが釣れたとのこと。
 もしかしたら入ってきているかもしれない、というので、朕は「おめえなんでそんなことがわかるんだよ!」と、バギーのおっちゃんばりに吠え、「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と泣き脅してポイントに入れてもらった。
 そしてすぐに李立が反応を得る。
 寄せてみれば40クラス。
 本当に来ているんだな、と感心し、朕もキャストしたところ着底の感触を得る前にラインが走った。
 伝説式保険として用意したツートンカラーのスティッコーへのヒットだった。
 すぐにリグを組み直し、釣れるときに釣っておかなければ、と続けるが、その後はまったく反応が無くなってしまった。
 納竿である。
 最後に、多摩川での釣りをこの上なく面白いものにしてくれた伝説三輪氏に敬意を表し、李立は「多摩川で二回連続ボーズなし!」と、わめき、朕は「今日のオレの仕事は終了!」とほざいての解散となった。

 帰路、マクド交差点でオペラ座追放者を目撃する。
 未だに猫肉骨粉問題は二転三転しているのだろう。伝説諸氏が見えなくても、登戸エリアに楽しみの種は尽きることが無いと知るのであった。

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聖王の帰還

 9月30日。

 雨続きの日々も終わり、そろそろ水勢も落ち着いてきているだろうということで、この日は江三子や李立と合流前に宇奈根に入ってみようとしていたが、昼食を終えたところ、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気のため、一寝入りしてからの出発となり、宇奈根行きを諦める。
 既に公孫戍と夏侯章は登戸に到着しているようである。

 登戸オペラ座前。
 ソープオペラは開催されておらず、登戸名物の三輪車も無かった。
 降臨跡一帯には伝説三輪氏のベイトが濃かったが、ベイトを漁っている様子は見られず。
 ベイトの群れの中に公孫戍、夏侯章、セニョール、蔡沢、師匠の姿あり。
 朕が居なくても、レジェンドⅡのヘボっぷりを知る人物がこれほど居ては朕が居なかったとて降臨は厳しいか。
 更には三輪氏の天敵の一人、李立もやってくる。
 ここで伝説降臨の希望は完全に断たれてしまった。
 
 今日の様子はといえば、夏侯章がオペラ座下でスモールマウスを一匹キャッチしたという。しかし、写真が無い。
 そこで朕は「みんな夏侯さんは上手い上手いっていうけどよお、あの人本当に上手えかあ?」と、降りてこられなかったレジェンドⅡの代わりに僻んでやった。

 琵琶湖ポイントのプレッシャーは高く、釣り人の行き来も激しい。
 アユの群れは少なくなく、李立がライブベートにしてキャストしていたが、あらゆる魚種の反応も得られなかったことにより、朕と李立、蔡沢は韓流ポイントの様子を見に行くことにした。
 この間、公孫戍はBスイムトリガーでウルティモペケニシモをキャッチしたとのことで「男らし~釣り」と、伝説三輪式アピールをしていたが、ブレードクロスシリーズはバギーのおっちゃんが認めない、使いどころがわからねえベイトであることを忘れているようだ。
 オペラ座は場末姫と新参のキャラクターたちで賑わっており、彼らの目を避けられる距離を置いて追放者が独演を行っている様子が見えた。
 登戸第一の名物は見られずとも、名物のひとつは見ることができたので、降臨跡に来た甲斐はあったといえる。

 韓流ポイント。
 昼には水が動いていなかったと聞いていたが、今は流れがある。
 公孫戍と夏侯章もやってくる。
 先ほど、オペラ座下で、セニョールがスモールマウスをキャッチしていたとのこと。これも写真が無かったので伝説式の僻みで応じるべきだが、釣った本人が撤退してしまったので噛みつくことが出来ない。
 それなりに釣れる日なのだな、と安心し、新川で鍛えた本気を実釣をもって示そうとする朕であったが、まずストライクを得たのは李立だった。
 李立の俗物化は著しく、かつての煌きは損なわれてしまったが、それでも釣りに関する感性、技量は相変わらず冴えている。
 陽が落ちる頃、蔡沢が帰るというので「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え」と、礼儀正しく送り出してやった。
 再び李立がバイトを捉える。
 朕は「突き落としてやろうか」と、伝説三輪式に泣いてその功を称えた。

 20時が近い。
 反応を得られずここまで来た朕は、釣果を諦め、ラインを解き始めていた。
 その時、夏侯章が「ホイッ!」と、雑なエスパー伊藤の物真似をする。
 何事かと思えば、バイトを捉えていたのである。
 長い魚体に、コイかナマズか、と皆で言い合っていたが寄せてみればナイスサイズのスモールマウス。
 なかなか大きいので測ってみるかとメジャーを当ててみれば46センチ。
 50センチには届かなかったけれども、混沌氏の術を体現してみせたことにより、先週地に墜ちた君子の権威は回復し、ここに居合わせた者は皆跪き「我が君」と、夏侯章への恭順の意を表した。

 恋するコンビニはサンクスからファミリーマートになるという。
 冷え込みと空腹に侵された今、休業は辛いが、店がリニューアルされ、恋するに値する女子店員でも入ってくれれば伝説出現率も高くなろうというもの。
 大事の前の小事。ここは堪えるべきであろう。
 空腹に耐え、通りを眺め続けるが、この日は遂に伝説式疾駆は見られず。いっそ登戸名物の三輪車でも駆け抜けていってくれないかと祈る一同。
 しかし、すべての望みはむなしく時間一杯となってしまった。



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孟津への道

 9月28日。

 深夜から朝にかけてまた雨が降った。
 宇奈根は増水で流れが強くなりすぎ、釣りがしづらくなっているだろうから、と捨て、登戸に向かうことにした。

 オペラ座に着いて歩き出したところ雨粒が当った。
 また雨か…と、不安がよぎる。
 北風が吹いているならこちらの方が良好だろうということで韓流ポイントに入ることにする。
 
 人工池の向こうに公孫戍こうそんじゅらしき人影が見える。凝視したところ公孫戍であると確信できたので、朕は「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、ポイントを横取りしたところでしょせん釣れない人のごとく大音声に呼ばわった。
 更に、ポイントに着いてみると、先日、庶民に落とされた夏侯章かこうしょうも来ていた。
 様子を聞けば、まだ釣れていないというので「何だ、釣れてねえのか。だらしがねえなあ」と、もっともだらしがねえままに釣りという低レベルな競争を卒業してしまった人のように罵った。

 小雨交じりの北風の中、伝説語録のやりとりとともに続けられる探りの作業。
 流れはあるが、風にラインを取られ、ボトムのカバーを拾っていくのが困難であったため、朕はボトムの釣りを中断し、風の当るシャローをレンジバイブで巻いていたが、反応が出ることは無く、ヤマモト・イモを丁寧に沈めていた公孫戍が最初のストライクを得る。
 「突き落としてやろうか」と、泣いて凄むいとまも無く、夏侯章が続く。
 こちらはスティッコー+によるものだった。
 よほどのイレギュラーでも発生しない限り、やはり流れの当るカバーにワームをコンタクトさせる釣りが堅いのだな、ということで、朕は現状で最もボトムの変化を掴みやすいタングステンシンカーのアンダーショットリグを組んで二人に続こうとした。
 しかし、次に反応を得たのは公孫戍だった。
 今度はスティッコーへのヒット。
 この時、皆雨に濡れ、風に晒され、辛さを覚えるようになっていたが、釣れているだけにやめるにやめられないでいる。
 いずれ朕も、と集中力を保つことに努めていたが、今度は夏侯章がキャッチ。
 再びのスティッコー+。
 ここは根性で…という場面。次にストライクを得たのは公孫戍だった。
 バイトすら得られずにいた朕は一番に耐えきれなくなり、ここで僕たちは今恋をしているコンビニへの避難を提案。
 「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え」と、伝説三輪式に則りつつも、公孫戍、夏侯章共に撤退に同意。

 いつもより早い、恋するコンビニでのアフターフィッシング。
 店頭の告知を見れば、明日から10月12日まで改装のため休業になるという。
 我々はその間の伝説式疾駆待ちポイントを探さなければならなくなった。
 ここに来るまでは冷やされてしまった体を戻すことしか考えられなかったが、休んでいるうちに伝説諸氏の思い出を語る余裕も生まれ、自分だけノーフィッシュだった朕は「おめえらは一軍、オレは二軍。そういう考えやめねえか、オレたちそもそもそういう付き合いだったか」と、三輪泣きしてこの日を締め括った。
 
 そして、解散してから気付く。次回疾駆待ちの場所については結論が出ていなかった、と。




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伝説の子ら

 9月26日。

 この日、李立も休日だという。
 合流しようということとなり、朕がこのところ気に入っている宇奈根へ行こうということになった。
 伝説三輪氏には「おめえには冒険心が無え」とか「おめえには根性が無え」と罵られていた者同士。お手軽な場所での釣りに異存は無い。

 現地入り。
 「おめえどこに居るんだよ!
 と、三輪式を決め、挨拶とする。
 相変わらず、見えるだけで釣れないシーバスが居た。
 水勢は依然強く、見えるスモールマウスは極めて少ないという状況だったが、短い区間にこれほど多くの生き物の活動する様が見えるのだから、ここが近所で最も良好なポイントのはずだ、と腰を据える。

 我々は伝説の修羅直撃世代である。
 こちらの不手際で不利、不遇に見舞われようと、自分には落ち度が無いように持っていき、異常なまでに高いプライドを守る術を知っている。
 この日は手を尽くすも釣果を得られず日没を迎えてしまったが、まず、宇奈根への誘いを受けた李立が「おめえがいいって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と泣きキレ、朕は「オレだってちゃんとやってるよ!」と泣いて応じた。
 ボーズに終わるのは残念なことではあるが、三輪氏が遺してきた名言たちのおかげで、我々は楽しい時間を過ごすことができたのだった。

 李立の次回釣行可能日は土曜日だという。
 土曜日は江三子に会えるという楽しみだけでなく、釣りを終えた後は僕たちは今恋をしているコンビニで伝説式疾駆を見られる可能性もある。
 と、次の土曜日を楽しみにしての解散となった。


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プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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