三日連続ワーク

▼悪党の因縁付けには十分ご注意ください▼


 5月15日。

 多摩川の本命ターゲットでありながら、捉えきれずにいるナマズ。
 ナマズを追うにあたり、ベイトフィッシュの集まるシャローというのは第一条件だが、現在それだけでは追いつけない。
 ナマズが活発に回遊することはここに至るまでにわかっている。
 回遊ルート付近で最もベイトが濃いポイント、ミスをしてもすぐにフォロー可能な規模で屯ろしている場所を求めるうちに、中野島ダム下流エリアに辿り着いた。

 ポイントに入るには、道なき道を行かねばならないが、そのような苦労が報われることはまずない。
 朕は既に二十年近くルアーフィッシングに親しんでいるが、行軍の労が報われた釣りは、今から十年以上前の、進入困難な真夏の北浦のホソに入り込んでナイスサイズのブラックが連発したことぐらいしか記憶に無い。
 困難の末辿り着いた先に桃源郷など無いというのが朕の持論である。

 ポイント到着。
 流芯にも水深10センチにも満たない浅場にもベイトフィッシュの姿が見える。
 背中を出して泳ぐ鯉の姿も多数。
 この一帯にナマズがやってくることを示す信号が発せられている。
 光量が落ちるのを待ち、程よい頃合となるのを見計らってキャスト開始。
 ナマズが岸際を通るのが見え、李立がバイトを得る。
 これはイケるかと期待したが、その後、進展は無く、時合に入ってないからということも考えられたが、翌日のショアジギングに備え、ノーフィッシュをすんなり受け容れ、早めの撤退とした。

 5月16日。

 “春。
 全ての生命が営みを盛んにする季節。ここ、駿河湾にも春の恵みが訪れる”と、渋い声のナレーションと共に『千夜釣行』オープニングテーマが我が脳内に鳴り響く。

 かくして巡ってきたショアジギの機会。
 青物に関しては、推理、戦略よりも運に左右される部分がほとんどいうのが現状ではあるが、ホームの多摩川では果たせなかったカみちょうに釣れる釣りを味わいたかった朕は、先日サバのバカ釣りを果たした楽和に便乗しようと、李立と共に芒碭山へ向かった。

 マニラ食堂到着。
 皆、バカ釣りの実現を思いながら、朝からからペンションが高く、マニラ食堂を一瞥するいとまもなく、沼津を目指す。
 Shank/Top waterという曲の入った、バサーの心を鼓舞するアルバムをかたじけのうし、更にテンションが上がる。思えば楽和と友になったのはNo Use For A Nameがきっかけであった。

 道中、伊豆獣姦道への誘惑もあったが、求道者にして真人間である我々は投命道をひた走った。

 沼津入り。
 前方のクルマがFAT WRECK CHORDSのステッカーを貼っていることに気を良くし、快適に市内を進む。
 まずは腹拵え。
 この面子が揃うと決まってラーメンというのは、小池さんに取り憑かれているからだろう。
 ポイントはすぐ近くだというので、焦らずのんびり食事を済ませ、アルゼンチンが浜へ。

 ここが名高き“アルゼンチンキッド”が現れるサーフだという。
 期待は高まるが強い向かい風。
ショアラインは底荒れの模様。波立つ水面から見て取れるものは無いが、まずはキャスト。
 しかし、向かい風が強すぎ、1オンスクラスのジグさえほとんど飛んでいない。
 朕は、延々と続くサーフの流し打ちを諦め、風を横切れる突堤のテトラ帯へ移動。辿り着くまでに結構な距離を歩く羽目になったが、途中、メタルジグと6,5インチカットテールを拾い、歩いた労が報われた。
 さて、岩猿と化し、テトラ帯でキャストを続けてはみたものの、30クラスのサバが単独で泳いでいるのを見ただけで、視覚から感じ取れるものは無く、向かい風よりいくらか飛距離は出せるが、風の干渉著しく、探りもままならぬという状況。
 サーフを流して楽和もどうにもなっていなかったようで、エリア変更決定。

 状況が良くなかったのは仕方ないにしても、アルゼンチンキッドを見ることが出来なかったことが悔やまれた。
 やはり、娑婆が休日の日でなければ現れぬのか…。

 移動の合間、稲川ジューンのDVDを鑑賞。
 いちいちのことに「ヤだな~、コワいな~」と感じるほどに、心胆をして寒からしめられた。

 狩野川のもうひとつの河口があるワンドに到着。
 最奥部には河口とシャロー。湾口部は急深なブレーク。
 風は湾奥に向かう。
 正解のエリアか。
 ここも風が強かったが、アルゼンチンサーフのように、手の施しようがないというほどではない。
 このワンドは粘る価値あり、と朕は判断した。
 一帯を歩きながら、要所となるところを見つけてはキャスト。
 いかにも魚が通りそうなショアラインを見つけ、そこを重点的に攻めることにした。
 ここで釣れる魚は青物の他に、キビレ、セイゴなどもあるという。
 青物の気配を感じられなかった朕は、陽が傾きだす頃から、セイゴでも釣ってやろうと、回遊コースを意識し、ブレードベイトのキャスト&リトリーブを繰り返していた。
 やがて、バイトの感触を得る。
 朕のロッドは7フィートのスヌークロッド。ショアジギに用いるには短い。しかし、ロッドパワーと操作性では専用ロッドより優れている。
 根擦れにはリフティングパワーで対応だ、と、追い合わせを兼ね、ロッドを煽ってやったところ、力が抜け、同時に水面から白がやけに映えるフッコが飛び出してきて、同時にバラし…。
 落胆はあったが、シーバスが入ってくるエリアだということがはっきりした。
 皆、青物の可能性をばっさり捨て、シーバスモードになる。
 今日は青物をバカ釣りし、日暮れと共に納竿というつもりだったが、潮止まりまでシーを狙おうと誓い、キャストを繰り返す。
 駄菓子菓子…。
 美しい水の流れと、豊かな自然の恵みに感謝して、今日もまた千夜釣行、という結末となってしまった。

 敗れに敗れるという結果となってしまったが、次回を描けるものは得られた。近いうちに再挑戦したいものである。

 5月17日。

 三日連続ワーク最終日。
 昨日、多摩川ナマズに挑んだ秦明はノーフィッシュに終わったものの、回遊ルートに関する興味深い仮説を立てていた。
 登戸エリアの回遊の法則についての詳細ではある。気の利いたゲームフィッシャーマンには大いに参考になるものではあるが、ベイトをどうカスタムすればよく釣れるようになるか、というルアーマンにはクソの役にも立たない話でもある。

 今回はASR794C/TROUTにスコーピオン1501XTを載せた、何ちゃって餌繊細スタイル。用意したルアーはザラパピー、Bフォロワー・スイムトリガー、フラットラップ8、タイダル90F、ニードルクローラーをセットしたARスピナー、タマゾンジョッピー、ちまちまアライくんだけ。
 ダグ・ハノン先生の紙コップには及ばぬが、持ち歩くベイトも絞れている。
 登戸エリアのナマズ回遊ルートを検証したくはあったが、毎度しんどい展開の釣りに倦んでいたので、気分転換の意味もあって宇奈根エリアに入ることにした。

 この日、武松よりドブでシーへの誘いもあったが、朕と李立はナマズ狙いを選択。
 とりあえず、釣ることは出来たが「シーバス来てねえかな」という感覚で流芯を打っていたら“釣れちゃった”一尾のみ。

 一方、ドブへ行った武松とおっちゃんぢょんはというと…
 フッコから木っ端まで、数釣りを満喫できていたようである。

 三日という、しかも潮回りも悪くない期間にたった一尾という結果は非常に悔しいもの。グルへの道は遠いと改めて知ることとなった。

 ※マー語

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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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