新利根川バスフィッシング講座

 3月28日。

 来たる4月12日、13日の中潮、大潮絡みの新利根をテッテ的に打ちまくろうということは以前から予定していた。
 その前に、新利根とはどういうところか見ておきたいと武松が言っていたので、急遽明日の新利根行きが決定した。

 明日は釣果優先か、未踏のエリアサーチが優先か、と考えていた頃、この日多摩川に行っていたバギーのおっちゃんぢょんより釣果報告あり。
 多摩川の王道ゲームフィッシュ、ナマズをシャッドラップのシャローランナーでキャッチしたとのこと。
 本人はスモールマウスを釣りたかった、と悔しがっていたが、スポーニングで集まってきているとはいえ、嘘つきどもが“大繁殖”と喧伝しているだけで、実際は希少種である。
 多摩川でゲームフィッシングをするならナマズを狙うほうがいい、と思う朕であった。

 3月29日。

 極厳修行は楽しい、極厳修行は至福、という歌があった。
 というわけで、今週も長く娑婆の毒気に当てられ、お疲れサマンサのオッサンコンビがワークを実践するため、新利根へ向かうこととなった。
 ラージャヨガからクンダリーニヨガへ、というところか。
 
 早朝から外環は大渋滞。紅蠍大先生推奨の常磐道柏インターからの新利根ルートはバイクでなら快適なルートかもしれないが、交通量が多いとクルマではやたらに下道区間の長い効率の悪いルート。
 出発は5時半ごろだったが、到着は9時という始末。
 桜土浦で下りるべきだった…。

 スタート地点は3月19日に釣れたエリア。
 前回釣れたから、今回も同じ場所に入るというわけだが、その内容は「この前もここで釣れたから」と、脈絡も考えず前回のヒットに倣うという手合いのアプローチとはまるで違っている。
 前回のヒットでここがどういう場所であるかを理解できたので、同じエリアで次の動きが予測されたための再訪である。
 最初の一尾が与える情報は、この時期特に重要であるということも朕は熟知している。
 よって、前回のヒットした場所はまず最初に入るべき場所なのだ。

 ポイント一帯は向かい風で、キャストはしづらかったが、水、風ともに暖かく、ハードカバーが点在し、なだらかにフラットが駆け上がっている。
 前回のヒットで、ここ一帯が今時期の正解の場所であるという確信はあった。
 これは何も、大言壮語などではなく、対象の生態を学ぶことによって示される当然のことなのだ。
 何年バスフィッシングをやっていようと、単なる魚釣り、ルアー釣りというアプローチから抜けられなければ辿りつけない領域であり、自然科学的アプローチで入るなら初心者でも触れることの出来る領域でもある。

 前回はボトムをスローに引いて、ようやく絞り出したという状況だったが、今回はあの日より著しく温暖が進行している。
 今回はスローダウンの必要もないだろう。
 規模は大きくないが、アユかワカサギの群れも見える。
 朕はスピードトラップを選択。
 テンポよくシャローフラットを、と思ってのキャストだったが、フックに絡むゴミをつまみ外すのを楽しむことが多かった。
 しかし、このクランキングで早々にストライクを得る。
 ランディングにまでは至らなかったが、攻めどころ、攻め手の正しさを確信し、今日の状況を粗方知ることが出来た。
 そして、ハイピッチャーを引いていた武松にストライク。スピナーベートなら、クランクベートほどに底に沈んだゴミに煩わせられることも無い。

 グッドコンデションの40アップ。
 プリスポーンのメスバスだ。

 続いて朕の朕のLV100に「すわ、ゴンザレスか!?」というようなブラックがアタック。
 残念ながら、これは掛けるためのストロークが足りず、フックアウト。
 その後、朕は再びワンバイトを得るが、これも乗せられず。

 ストライクの傾向から、このエリアに留まっているというより、回遊しながらベイトを探しているというような感触。
 ある時を境に、ぱったりと気配が消える。
 
 しばらく釣ることに熱中してしまったが、回遊個体が去った以上、どうにもならぬから、と、未踏のエリアをサーチすることにした。

 目ぼしい変化を求め上流側へ進んでいくが、最初にストライクを得たエリアほどにあからさまな好条件の揃ったポイントは見つけられず、最上流域まで行ってしまった。
 当然流していった先々では一切の反応を得られず、また、条件が揃いきっていないと思われた場所で無駄に粘ることもしなかった。
 多くのルアーマンは反応がなければシシィだのフィネスだので現状打破を図りたがるが、往々にしてそのような試みは失敗に終わる。釣れない根本的な原因はエリアやタイミングが間違っているということがほとんどなのだから。
 フィネス、シシィベイトといった小手先の技巧は、見えてきてから初めて効果を発揮するというのが真実だ。
 
 今日の状況を見るにつけ、目ぼしいポイントのサーチより、魚を釣ることにシフトしたほうが有意義な時間を過ごせると踏んだ朕は、その根拠を武松に説明した。
 田辺先生、ヒロ内藤先生だけでなく、ダグ・ハノン先生の教えにも学ぶ武松は、朕の思考のリアルさにおおいにおどろき、
 「本格的なバスフィッシングというものは、初心に等しく、今は座学で学んだことをいかに用いるかに心を割いている状態ではありますが、はばかりながらわしもヒロ内藤師父の教えに共鳴するゲームフィッシャーマンの端くれ。ドラゴンどのの方針に異存はありません」
 といった。

 なかなか味のよいとんかつ屋で、バキなどを読みながら休憩し、再びヒットのあったポイントへ向かう。
 他のポイントのサーチは、次回、新しいパターンを探らなければならなくなった時のオプションとすることにした。

 風は更に強くシャローフラットに吹き付けており、プリのバスを速いクランキングで狙うのに適した状況になっていた。
 霞水系での強風は、悪質な沈殿物を水中に巻き上げ、魚の活性を鈍らせるという話も聞き及んではいるが、それはこの流入河川、しかも普段は本湖から切り離されている水域にまで及ぶのか。
 何はともあれ、今目の前に広がる光景と季節は、かつて早春に西湖でスゴイバイブが炸裂したあの頃の状況と酷似する。
 頭の中にある知識と、実際の経験から導き出される確信。
 到着後しばらくは反応も無く、周辺の他のポイントの様子を見に行っていたりしていた。
 一通りの感触を得た後、ウインディサイドのシャローフラットに戻り、リップレスクランクが、底のゴミを拾わない速度を心掛け、キャスト&リトリーブを繰り返す。

 やがてブラックはやはり回ってきた。
 まずは40アップ。
 この釣りは前回にやりたかったことだが、こちらの思いと実際の季節の進行にズレがあり、今回実現。
 さらに、少し間を置いた後、先ほどの魚より肥えた魚がヒット。
 魚の学習能力も考慮に入れ、リップレスクランクはバイトがあったら常に取り替えることに努めた。
 そして、サイズは30クラスに落ちてしまったが、またしてもバスをキャッチ。

 LV100→レアリスバイブ→TDバイブ→ラトリンバイブ→アレックスTYPEⅠ→ラトリンラパラ、というローテーション。
 ブラックを得られたのは、レアリス、アレックス、ラトリンラパラだった。
 これらのベイトがヒットルアーになったからといって、他のリップレスクランクが釣れないというわけではない。
 この場、この状況にあっては、重量があっても浮き上がらせることも容易いレアリスや、3/8ozという軽さのため底を切り易いアレックスやラトリンラパラがマッチしたというだけのことである。

 急遽決定した、実釣時間の短い釣行ではあったが、成功を得られたのは、ひとえに朕の練ってきたバスフィッシングが本物であったからだといえよう。
 また、水中の様子が肉眼では捉えられなくても、状況把握の容易な新利根のフィールド特性も味方した。
 朕が西湖や新利根を好むのは“昔よく釣れたから”ではなく、陸っぱりという縛りの中でもゲームを成立させられるフィールド構成だからなのだ。

 かくして千夜釣行的風景を背に、ゲームの成功を喜ぶ多摩川ナマ師どもは疲れと眠気に襲われる地獄の帰路に就くのであった。
追記

 この日も、守谷SAにフリッパーを見ることは無かった。
 SA改装のどさくさで追い出されてしまったのだろうか。それとも住み心地の悪さに自ら去ったのか。
 何もかも、一部の者にだけ都合のいいシステムとやらにのっとって整然としてしまった画一的な雑居の世界などクソ面白くもない。
 これは世の中すべてのことに言えることだ。
 新橋ビルの風俗店が、今でも健在であることを願わずにはいられない。
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ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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No title

SUGOIバイブはフェイバリットですwww
シーバスもかなりイケました。

今は廃番で入手が厳しいですが先日キーポンにて大量放出があり数個確保しました。

Re: No title

ヤマモトは他にもスゴイクイックなんて名品もありました。
ヤマモトがプラグを作らず、ソフトプラスチックばかりバリエーションを増やしてるあたり「ハードで釣れないからソフトで」という短絡思考のバサーがいかに市場に多いかを示していると思います。
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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