Go for it 最終日

 3月7日。

 好適にはいちどもめぐりあえることなく連休最終日になってしまった。
 達人と釣りが出来たことと、JOY WORKSベイトを受け取れたという幸運はあったが、ゲームフィッシャーマンとしての収穫はゼロ。
 一匹ぐらいは狙い通りの魚を手にしたい。

 寒冷の日は続き、一昨日の雨で流域の水はまんべんなく冷やされ、増水の伴う強い流れは湧水の効力を殺してしまったかのようだ。
 最低とも思える状況下に口を使うような魚はいるのだろうか。
 時合だとか、月齢だとかいう前に、変温動物が暮らす土台そのものが彼らに停滞を強いているかのようだ。
 停滞を打ち破る、魚種ごとの、たとえばスポーニングなどというイベントがあるわけでもない。
 フィールドに出る前から、状況がよくないことはわかっていた。

 と、その前に、おそらくは先日、せせらぎ館脇で独りキャッチボールをやっていたガキに壊されてしまった小黒王のバックミラーを直さなきゃならない。
 まずはナップスだ。
 「ナップス行くん?オレがついてってやるべえか」という、マーの言葉が脳内にこだまする。
 自分が連れて行ってほしいだけじゃん、と内心思っていたものだ。勿論、首を縦に振ったことは一度もない。
 ヤマハのミラーは正ネジと逆ネジになっているというバイカーとしての常識を思い出せず、修理にはから時間がかかってしまったが、心ある店員がいたお陰でクリア。

 現地入り。
 せんずり地蔵前。
 ナップスから近いというのが選択の理由ではない。
 冷たい強い流れでストラクチャーが力を失い、カバーが力を持ったかもしれない、という可能性を追ってみたかったからだ。

 カバー周りから魚を引っ張り出すこと考え、リーダーにフロロ16lbを3ヒロほど取ってみた。
 キャスティングには向かないが、テトラを舐めてくるには手頃なセッティングだと思われたからだ。
 ロッドはSZMのような見てくれだが、テクナGPと同じブランクス素材のれっきとしたアメリカンスピニングロッド、PZX664/シルバーウルフである。

 カバーを丁寧に舐めるといっても、己のアバウトさは朕自身よく知るところ。
 よって、ルアー自体の持つ性能は、ソフトプラスチックでも把握しておかなければならない。
 ルアーじゃ釣れないからワーム、ではないし、ワームもルアーである。
 アバウトな探りでも、適切なアクションを出しやすく、魚に気付かれやすいボリュームもあるUVスピードクロウなら、朕に足りない部分を補ってくれる。
 ポイントは入り組んだカバー。
 リグはテキサスリグ。
 オフセットフックが活発でないと予測される魚に有効なのかどうかを考えるべきかもしれないが、まずは反応する魚が居るかどうかを知ることが重要だ。

 実釣開始。
 と、足元の水温を測ろうと水中に目をやれば、コンクリートブロックの間にナマズ発見。
 こちらに気付いている様子はなかったので、ルアーを落としてみる。しかし、着底後、シンカーが斜面を転がり魚体に触れてしまう。ゆったりとした動きではあったが、ナマズは逃走。尾に何箇所か、鳥についばまれたような欠損のある魚体だった。
 足元テトラの水温は10℃をやや超える程度。
 緩みの要素を見つけられれば何とかなるか、と流していたところ、後頭部に腫瘍の出来たウナギがゆらゆらと泳いでいた。この個体だけがそうだったにしても、ウナギが日中に浮いて姿を晒しているようでは、水の中は相当厳しい環境にあると思っていいだろう。
 入り組んだテトラ帯に穏やかなスポットを探したが、増水によってテトラ帯の内側にも流れが入り込んでいるかの模様。
 コタツの布団がめくれ、部屋の冷気が吹き抜けていくようなもの。もはや目は無い。
 湧水の効果は薄れているだろうが、まだ上流側のほうが可能性があるか。
 移動。

 堰下エリア。
 木の根元から水が染み出ているような一帯だから、本流の流れが強くても、スポット的に湧水が効いているところもあるかもしれない。
 足元の人工岩盤帯もテキサスリグならじっくり探ることができる。と、一通り流してみるが、魚の居る確信が無い時のスローダウンはなかなか辛い。加えて、水温も9℃台。宇奈根エリアより低い。

 李立が合流する頃にはリーダーも短くなり、すっかりキャスティング仕様。
 とりあえず表層に現れるマルタを何とかしてやろうと試みるが、マルタをルアーで狙うにはまだ早いようだ。
 次のきっかけが訪れるまで無理だろう。きっかけの要素となるものは何であるかは不明だが…。

 それはともかく、風の伴う寒さが身に沁みる。
 水門吐き出しの水が11℃を超えてはいたが、本流の強い流れに押され焼け石に水だろう。
 すき家に避難し、心身の回復を図る。

 回復後、再挑戦。
 しかし、ナマズの気配は無く、水面に落ちる雪に反応するマルタ、うろつくコイを見るのみ。

 その後、武松より今晩、発勁へ行くとの報が入る。
 李立は参加を表明したが、朕は明日の朝が早いため辞退せざるを得ない。
 これを機に、多摩川での敗北を認め撤退。
 
 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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