砂丘の川

 1月23日。

 伊豆にカンパチ視察に行った楽和からの報あり。
 ボイルは確認できたが、岸からは到達不能の距離にあったという。
 シャローエリアへの接岸、滞留の可能性を朕の知識レベルでは予測の立てようがない。
 わからないのなら、直接この目で確かめねばならないだろう。
 伊豆ならたとえカンパチを外しても、他魚種にシフトするゆとりもあるかもしれない。
 伊豆はヘボ時代に行ったことはあるが、当時の朕はめくらだったうえ、釣り目的で行った回数は一、二回ていどで記憶もおぼろ。未知のフィールドといってもいい。走るだけでもやたら金を取られるボッタクリ半島という印象しかない。
 しかし、未知のフィールドに行くのは楽しみだ。
 魚釣りの技量は凡庸な朕ではあるが、目を活かす釣りには秀でている自信がある。
 また、海の魚は見えてしまえば淡水の魚を釣るよりはるかに簡単でもある。同時に、バス釣りに於いていかにメソッド的な部分に秀でていても、それだけでは通用しないのも海の釣りだ。

 次の遠征に思いを馳せつつ、レギュラーワークを行うため多摩川へ向かう。
 薄いスモールマウス。濃いが動かないナマズ。
 川の水温が一段と下がったためか、せんずり地蔵前の水域はあからさまな上昇を感じるまでナマズは厳しいかもしれない。
 一方、水温が下がりきる頃、スモールマウスはより大きな水塊を求めるようになるという傾向は一昨年実感した。
 昨年はあまりにもその数が少ないために、参考データを取れぬうちにスポーニングが始まっていたという感じだった。
 しかし、一年のうちに生態とは変わるものではない。
 一昨年のスポーン期にかなりのスモールマウスが殺されたのか、川の構成に変化があり、集結する水域が変わったのか。
 この国土の支配種がバスの生息に様々な不利を押し付けている、クソのごとき現代ニッポンにあって、登戸エリアが釣れなくなったのは後者の理由だと信じたい。

 一昨年の実績場所へ。
 前にここでよく釣れていたから、という理由でも“何故?”について考えが及んでいるならば、実績場所も意味を持ち始める。
 李立到着。
 スモールマウスの回遊コースと思われるラインのボトムレンジを流していく。
 途中、エサのナマズさんが現れた。
 挨拶と、最近のナマズ情勢について話す。
 ナマズさんに、先日50アップのスモールマウスを釣ったという、朕も知るエサ釣り師のおじさんの写真を見せてもらった。
 ヘラ狙いのードだそうだが、このエサ師はそこらのバカオヤジのように、むやみにバスを殺したりはしないまともな釣り師だ。ゲーム資源の保存というものをよく心得ている人物である。
 このエリアの生息は確かだ。このキャストもまったく無為なものではない。
 と、しばらくボトムレンジを流していたが、結局ノーバイト。

 スモールマウスを諦め、久しく放置していた第一ワンドの様子を見に行くことにする。

 ワンド内にベイトフィッシュは濃厚で、水温もぬるくさえ感じられるほど。この水温にコイも集まってきていて、フナ、ニゴイも混じっている。
 光量の落ち込みとともに、ナマズも一匹発見。
 このページを飾る写真が欲しいので、朕は手を出さず、師より上手の弟子、李立にこれを委ねる。
 が、エサ繊細なアプローチも虚しく、逃げ去ってしまった。
 結局この日はこれまで。
 このような時に粘ることの無為を知る我々は日没と共に撤退とした。

 翌日、スモールマウスとの千載一遇を求めた李立、値千金の釣果を得る。

 40アップのスモールマウス。
 数は少ないが、低水温期の大きな水塊というのはやはりキーなのだ。エクセレントな一尾に朕は賞賛の言葉を贈った。

 ※マー語、外道の意
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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