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極厳修行耐寒編

 1月10日。

 月齢の影響力に翻弄される釣果。
 人間の用いる手練手管も、自然との調和があって初めて生きる、ということは何も釣りに限った話ではない。
 例の朕の愛する人妻が、どんどん世の中が住みにくくなっていくと嘆いていたが、それは真実の外にいる悪人、嘘つき、ビッチが満ちているためである。
 彼奴らの勢力はあまりにも膨大で、天子たる朕は常に真実の中にあろうとするが、捻じ曲げられた力によって、理に適った行動が思うように出来ず、たかが“ハナクソみたいなジグヘッドの釣り”をするだけでも、良くないとわかりきっているタイミングにしか行けないという事態に陥ることも多々ある。

 長潮から若潮に変わる曖昧な夜、寒波にも襲われるという、好適には程遠いこの日。寒波ではなく、クレイジー・カンパがやってきて、日本を血の海にしてくれるなら大歓迎なのだが…。
 何はともあれ、史進と合流可能な機会を得た。
 そういうことなら、発勁へ行くしかあるまい。

 自然の示す条件から、良型を狙ったり、表層でのキャッチは困難であると判断され、港内のカバー要素を拠り所とする“粒”サイズをいかに釣っていくかというゲーム展開になることが予測される。
 それでも、状況を読み、ベストを求めていくという作業はゲームフィッシングの醍醐味であり、たとえ型は小さくても、バスフィッシングで習い覚えた基本を存分に生かせる発勁でのマメいじりはゲームフィッシャーマンにとってこの時期ならではの喜びである。

 このマメいじりの夜に武松と李立も参加表明。
 バスフィッシングと同じ感覚でゲームのできるメバル釣りが病みつきになったようだ。朕も確実に魚がいる場所で、状況に応じた対応を行い魚を追うというバスフィッシング感覚の釣りを知ってしまったから、ゲームとしての狭苦しさがしんどい釣堀のマス釣りが出来なくなってしまった口だ。

 使うベイトはシシィなものになってしまうし、目のいい魚を欺くためにラインも細くしなければならない。フィネスフィッシングのタックルセッティングが求められてしまうが、その先のアプローチはバスフィッシングで養ったスキルが試される。
 ハードベイトで釣るのが凄いとか、トップで釣るのが偉いとか、渋ったらワームという思考レベルのバサーもどきには厳しい世界だ。
 バスフィッシングのベーシックは全てのゲームフィッシュに応用の利くものであるから、ルアーで魚を釣りたいのなら、まずはバスフィッシングをやり込んだほうがいいだろう。
 理論と実践が伴わなければ、単なるルアー釣りで終わってしまい、釣果は運不運のみに左右される。

 史進到着。
 武松、李立を拾い全員集合。
 副頭領ぢょんの不参加はいささか寂しくはあったが、メバルへの備えがまだ不十分な現在、という事情を考えればいたし方なしか。

 道中語られる予測は、現地の魚影の濃さから、とりあえずノーフィッシュは無いだろうが、良型狙いや表層での楽な釣りには厳しかろうというもの。

 現地到着。
 概ね、予想通りの展開となる。
 狙うべきほとんどのポイントに手が届くような小規模なエリアである。どういう魚が口を使い、どういう打ち方が良型に効くのかについて考え、答え合わせのできる場所でもある。
 ダグ・ハノン先生いうところの、狙う魚の現在の気分を推測することはメバルに於いてもきわめて重要なことだが、朕が説明したところで意味はないだろう。
 ゲームフィッシングの出来る者は理解していることだし、魚釣りの域を出ない者には「そんなのたまたまだよ」で済まされるような内容であるためだ。

 この日、朕は皆がぽつぽつと釣っていく中、自分が釣るべき魚を絞れず、しばらくノーフィッシュの時間帯を過ごしていた。
 表層に反応は見られるが、このレンジが外れであることはバイトまで至らないことが示していた。
 潮位の変動が少ないという状況ではあったが、良型の道筋はフィッシュイーター狙いのセオリー通り。しかし、こちらはごくたまにしか釣れていない。
 しかし、相手は小さな脳しかない変温動物である。
 こちらがしっかり考えていけば、何が肝となるか見えてくることもある。
 外気温と水が受ける温度の影響について考えが及んだとき、ようやく朕も釣果を得られるようになってきた。釣れるサイズは“粒”だが、狙って得られた釣果に喜びを覚える性質なので落胆は無い。
 粒で数を重ね、余裕が出来てから朕も15cm以上の“匹”を狙いに行く。

 そしてこの日、朕は13粒と2匹を得ることができた。李立は9粒と3匹。史進が2粒と4匹。武松は4粒という結果。
 最も匹数を稼いだ史進はこのゲームの経験値を示すもの。しかし、ゲームフィッシングの理論を用いて実践すればそれに迫ることは可能であるということを李立が示した。
 
 理によって魚を追うゲームフィッシングを堪能できていた我々ではあったが、やがて吹き始めた風に、肉体が悲鳴を上げ、逃げるように釣り場から離脱した。
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テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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