エバーグリーン ファミリー

 10月14日。

 自然を愛し、バスをリスペクトする。
 私達はエバーグリーンです。

 ―バスフィッシングの教科書 第二章 三節より

 SRミニ、SRフラッシュ、CCプレデター、コンバットスティック・スーパーウォーリアー、インスパイア・スーパースピットファイア。
 バスバブル華やかりし頃、朕が特に重用したエバーグリーン製品である。
 ケンクラフトは別格として、メガバス、エバーグリーンの勢いは大変なものだった。
 今でいうところのジャッカル、OSP的なポジションといったところか。しかし、その隆盛振りは現在の比ではなかった。
 作為的な品薄状態を感じられたメガバスより、一部ロッド以外は比較的容易に入手可能なエバーグリーンが好きだった。
 鼻持ちならぬがその理論と技巧は学ぶに値するカッツと、わかりやすさとダサさが光る大木凡人という代表二人のキャラが立っていたのも魅力だった。
 今江のマネは難しそうなので置いといて、菊さんのマネをすれば朕もいずれは…という気にさせてくれるあたりが朕を菊元ファンにした。
 この頃、ルアーといえばラパラ、ヤマモト、ラッキークラフト。ロッドはフェンウィック、ダイワ。リールはシマノという朕ではあったが、バスフィッシングといえばエバーグリーンという具合だった。

 時は流れ、バスの釣り難い時代になってしまったが、“あの頃”を求める気持ちが、人生の破綻、娑婆の放棄によってますます強くなり現在に至っている。
 厳しくもあり、喜びでもあり、努力に対し正当な対価の払われる素晴らしき世界。
 これこそがバスフィッシングを始めとする、ゲームフィッシングの世界なのだ。

 この日は長潮。
 好適な潮回りの日でさえ見失いがちな現在の多摩川に、何の期待が持てようか。
 長潮でも釣れる、と豪語していた者が身内にいたと聞くが、たまたま釣れたという結果を指して言っているに過ぎないということは容易に想像がつく。
 勘を働かすことも時には重要だが、まず自然界で起こる事実を追求する姿勢が第一である。
 ゲームに身を置くことは喜びではあるが、さすがにノーフィッシュのまま終わるのは辛い。
 というわけで、今日もまた小物釣りタックルを持って登戸へ向かった。

 少し早めに着くことが出来たので、まずはフナを狙ってみることにする。
 フナの潜みそうなポイントは、これまでに示されてきたので特に迷うことも無い。ボトム寄りにレンジを取り、ジャミアタリに耐えつつ、本命のバイトを待つ。
 が、途中現われた師匠のアドバイスもむなしく、フナの気配は感じられず、一時間でフナ狙い終了。
 小物釣りも今回は苦戦。
 反応はあるが、フッキングを決められないという状況から先へ進めず。
 見れば師匠も苦戦の様子。
 長潮、季節の変わり目というマイナス要因は、小さなコイ科の魚にも少なからず影響を与えているようだ。
 本流筋にナイスサイズのスモールマウスのボイルを三度ほど見たが、どうやら一個体という感じ。スクールで入ってきていれば狙うに値するが、この程度では狙ったところで無駄打ちに終わると判断されたので無視。
 新弟子のおっちゃんも現われるが、我々の苦戦ぶりを見て小物釣りを捨て、練り餌に寄せられて出てきたカニを狙っていた。
 新弟子のおっちゃんがカニを釣り上げたのを見て、朕もたまにしか釣れないオイカワを諦めて、カニ釣りに挑戦。
 しかし、カニの方はまったく釣れず、ぢょんや李立が現われたのを機にエサ釣り終了。

 ルアー釣り開始。
 まずは、ラトルを抑える改造を施したドッグウォーカーと、ラッキークラフトのイロモノ、ロージーのスイムチェックを行う。
 ドッグウォーカーはスケーティングアクションは良いが、水押しが弱く、泳ぎのバリエーションも無い。オリザラより優れた点は特に見つけられず、レギュラーの座を獲得できず。
 ロージーはノンラトルであることと、ストレートリトリーブにも小技にも対応するという点は非常に良いのだが、流れに弱く、使いどころが止水に限定されてしまうというのが泣き所だった。

 グランドマスターや職人親子はブラックを狙っているとのことで、我々もブラックを狙ってみるか、と馬の背周辺の様子を観察した後ポイント移動。

 ブラックポイントで秦明、李俊と合流。
 今日は視認できるベイトが薄く、反応も芳しくないとのこと。
 実際、一帯の様子を見て歩いたが、昨日より更にブラックは薄くなっていた。
 時折小型のボイルは見られたが、この程度の規模では狙ってみたところで間違いを犯す個体を期待できない。
 一通りキャストしてみるが、案の定という感じ。

 秦明が撤退した後、朕、ぢょん、李立はナマ師となり、ベイト濃厚な馬の背、第二ワンドを打つが、ぢょんと李立がそれぞれ一回バイトを引き出したのみ。
 おそらくナマズだろうが、ルアーには触っておらず、しかもそれっきり。

 見えていないままここまで来ている流れの中に加わったマイナス要因。なるべくしてなったノーフィッシュ。それでもフィールドに立たずにはいられない悲しき性を自嘲し、解散となった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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