素気無き恵み

 9月17日。

 さすがにフルタイムでワークを行うのは厳しくなってきた。
 夕刻近くの出勤となる。
 天に昇るための無償の労働とか、宇宙と一体になるための研鑽の開始だ。

 まずはこの度の増水で気になっていた五本松水門ワンドを見に行く。
 避難した魚が集い、濃厚なベイトのスープが出来上がっていると思われたからだ。
 しかし、ワンドの水は泥濁り。本流の水のほうが程よい濁りで流れている。
 一帯を見回せば、対岸の川原の地表が見える。
 第二ワンドに入れるかもしれない。

 登戸へ。
 既に李立は到着していて、李俊、師匠も来ていた。
 登戸エリアの流れは強く、程よい濁り。
 水位はやや高めだが、これまでが低すぎたのだ。
 この大雨以降、一気に気温水温が下がったのは一時的にマイナスだとしても、高い気温が続き、流量も乏しかったこれまでに比べ、明らかに川の状態は良好になった。

 第一、第二ワンドの状況を川崎側から確認するため、朕は橋の上から上流側を一望。第二ワンドは確実に行けるのは間違いなく、第一ワンドの上流は叢が薙ぎ倒されている。

 これは良い状況と判断し、朕と李立はワンドへ至るルートへ突入。
 第一ワンドを目指す。
 死人様発見騒動後、ワンドと本流を繋ぐ水が悪くなってからは行っていない。その間、草が繁みに繁み、進入が困難になってしまった。
 我々は台風の到来を待ち続け、今回ようやくそれが実ったというわけだ。
 しかし、薙ぎ倒されたかに見えた叢は、実は泥をかぶっていたというだけで、進入困難な状況は変わっていなかった。
 結局、第一ワンドは諦め、第二ワンドに向かうことにした。

 第二ワンド。
 水位、水色、ベイトの規模ともに申し分なく、エキサイティングゲームを期待。
 陽の翳りと共に、まずは李立がキャッチ。

 スピナーベイトは冠水したブッシュ周りを攻めるのに良い選択だ。
 一方、朕はこれからシャローを目指すであろうナマズを意識した遠投でのミノー引きでキャッチ。

 激安シーバス用ミノーが釣れるルアーであると判明。
 しかし、この度の雨による急激な環境変化が影響しているのか、バイト数に対しフッキング率はきわめて低い。
 水面を割る捕食音は聞こえず、トップウォーターは不発。
 増水したとはいえ、一帯の水深は浅く、それでもボトム寄りをスローに引くことがバイトを出すための肝だった。

 そんな中にあって、李立は着実に数を伸ばしていく。

 朕はバイトのみという状態が続き歯噛みしていたが、李立はしっかりキャッチを続ける。

 気付けば朕一尾、李立六尾という圧倒的大差。

 しかし、反応に対してキャッチ数があまりにも少ないということに、やがて気力が挫かれ撤退とした。
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テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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