光明は濁流に呑まれた

 9月16日。

 予報通りの強い雨と風。
 登戸エリアは昨日の段階で釣りを成立させるのが困難な状態にあったため、思い切って丸子堰下まで行ってみることにした。
 まずは河川進入シーバスにとって最初の障がいとなるポイントに手を出してみようという試み。
 今回ルアーはいつもの登戸エリア用ボックスに、シーバスを意識したボックスを加え、こちらには飛距離重視のものを詰め込んだ。

 遠隔地への原付走行はしんどいと感じながらも、シーバスの可能性があると思えば乗り越えられる。

 と、着いてみれば増水は想像以上。
 

 堰が水没するほどの水位。
 この流れの強さ、泥の粒子の含有率で、シーバスを河川内に呼び寄せられるのかは定かでないが、シーバスの遡上を妨げる障壁は登戸の堰のみという状態。
 水位が落ち着いた頃、フレッシュなシーバスがどれだけ登戸堰下エリアに入っているのか楽しみな光景であった。
 が、現在はこの大きな流れの中にスポットを見つけるのは困難なほど、均一に強い流れ。
 しかも、あちこちで流れがぶつかるので、どれが打つに値する変化なのか皆目見当もつかない。
 水位の高さが釣り座の確保を困難にしていることもあり、軽くキャストするだけでこのポイントを諦める。

 少し下流側へ移動。
 流れの緩みに絡む水門付近はどうか、と見に行ってみれば、水路出口には先客。
 普段は葦だの蒲だのが群生するポイントを流すが、ベイトの波紋が確認できたのみ。

 この一帯、轟々と流れる現在と、記憶にある普段の地形から考えれば、今は単なる水量の多い側溝でしかない。
 ダイナミックな変化を求め、下流にポイントを求めるという選択もあったが、原付での長距離移動を嫌う朕は、上流側に戻りつつポイントを探す方を選んだ。

 丸子堰上流水門。
 水路の水はクリア。
 本流との合流点にはくっきりと濁りとの境界があり、ベイトもボラ、オイカワ、アユと非常に濃かった。
 ポイントは狭く、ルアーがゴミを拾いまともに泳がせてくるのは困難。反対方向に投げればルアーが水没した金網に引っ掛かる。
 攻めあぐねたあげく、リッジ90FとジョイントのBXラパラを失い、心が折れる。
 ここへ来た段階でロストの恐れがあるポイントであることは見て取れていたが、信頼の置けるベイトを使わなければ納得のいく判断ができないので仕方の無いことなのだ。

 李立が登戸へ向かうという。
 ならば朕もそれに合せるとしよう、ということで移動開始。
 強い流れを避けて魚が集まり、ポイントが広く変化に富み、本流に隣接するところ…しかし、瀬が多く、淵の少ない、水はけだけを考え手を加えられた川。
 思い浮かぶポイントは数えるほど。

 平瀬川河口部。

 目ぼしいポイントには大抵釣り人がいる。このポイントも例に漏れず。
 またこの平瀬川も川というより側溝であり、この国の、自然というものに対する配慮の無さが窺い知れる。
 西欧化、民主化…封建社会よりはましなのかもしれないが、いずれにせよ、時代は進めどろくな世の中にはなっちゃいない。
 結局、ここでは釣りもせず、登戸エリアを目指す。

 登戸。
 狙いを完全にナマズ、バスに切り替え、登戸堰上の水路を窺う。
 先日より目に見えて泥の密度が高くなっている。
 魚の存在は確認できたし、バスやナマズもいるのかもしれない。しかし、本流は滞在できないほどの激流。水路は泥濁り。このような状況ならば、彼らは捕食より生存を優先させるだろうと判断。
 朕は早々にこのポイントを捨て、堰下にポイントを探すことにした。
 堰上水路を見れば李立。
 どうやら入れ違いのようだ。
 根気強く探っているが、朕はもはやそのポイントに可能性を感じられていないため、堰下に行くことを告げた。

 堰下エリア。
 堰直下の流れは凄まじい。
 見物人も大勢いる。
 さすがにこの流れと段差を上るシーバスはいないだろう。
 そもそもこんな状況でシーバスが上ってくる理由などあるのだろうか。
 巨体を水の抵抗に晒し、側溝と化した流れの中に身を置く緩みを求め体力を使うより、流れの落ち着くポイントでベイトの流下を待つほうが効率的ではないか。
 長く生き残る個体ほど、合理的な行動を取るのは自然界の常というもの。
 シーバスを諦め、水の良い緩みに避難してきたバスやナマズはどうかと、水門を見てみることにした。
 水路から流れ込む水は、濁ってはいるものの本流に比べれば澄み気味。ベイトフィッシュとコイの姿が確認できる。
 増水によってできたドロップオフ、冠水したブッシュに探りを入れてみる。
 しかし、小場所過ぎるため、一流しして終わり。何の反応も得られぬまま、次のポイントは、と一帯を眺めてみるが、ひたすら激流が続き、その中にポイントを見つけるのは途方も無い作業であるうえ、足場も確保しづらい状況。
 もう諦めたほうがいいだろう。
 堰上水路で粘る李立に別れを告げ、陽のあるうちの撤退となった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング シーバスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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