バスの影に人が踊った

 9月14日。

 釣りウマたちの話を聞く限りでは、安易にエリアを変えたからといって良い結果を得られるとは考え難い。
 さりとて、朕の普段の行動範囲内では見えてくるものも無い。
 そこでこの日は、中野島ダムより上流のエリアを探索してみることにした。
 長潮ではあるが、未踏の地をこの目で見てくるだけでも行く価値はあるだろう。

 地下時代の起床時刻に目を覚まし、出発。

 まずは五本松へ。
 ここで釣りをするつもりはない。
 ここにはノイズメーカーの他にも、尾崎豊シャウト男も現われるという情報を得たので、そいつを見ておきたいと思ったのだ。
 しかし、突然行ったところで都合よく素晴らしい現象が起こることもなく、尾崎を諦めポイントを目指す。

 特に場所は決めていていないが上流を目指す。
 府中に入り、そういえば是政の堰周辺は一昨年の冬に様子を見ただけ。夏に来たのは十七年前とかいう、まだめくらだったヘボ時代のこと。
 そんなエリアだから、初めての場所といってもいい。
 しかし、もっとも気になっていたエリアには進入禁止の看板。
 こういったエリアにバスやライギョが繁殖してくれてることを祈って、再び移動。

 バスが潜み、アプローチできるポイントを求め移動は続く。
 日野、羽村といった遠隔地まで行くには移動時間もかかるし、ポイント探しにも時間を食うだろう。
 原付での走行に早くも疲れを覚えていた地点は聖蹟桜ヶ丘周辺。
 これ以上の移動もしんどいので、ここでポイントを探すことにした。

 流れ、カバー、ベイトの存在を求めて歩けば、それらの要素を満たしているところもあるが、水量少なく、水塊としての規模はあまりにも小さい。
 アユが溜まる場所、ウィード、沈みテトラ、流れの落ち込みがあっても確認できる大型の魚はコイ9にニゴイ1という具合。
 「これは!?」というものが一向に見つからぬまま、川を上下に歩き倒す。

 やがて、緩い流れと浅い淵にテトラの絡むポイントに辿り着く。
 見回せば、コイが圧倒的多数であったが、ニゴイ、カバー周りにはオイカワ、アユ、小バスが見て取れた。
 小バスは最大でも20センチ程度だが、ラージマウスも居た。
 しかし、こちらの姿は丸見え。狙っても無為に終わるのは明白。さらにこんな小型を釣るためにわざわざ長い移動を続けたわけでもない。
 更に観察を続けていると、底に張り付くナマズを発見。
 バスを求めて来たのだが、それなりのサイズのナマズなら悪くない。
 アプローチには何度かの軌道修正を要し、失敗の後、高速でルアーを回収すれば小バスがバイト。しかし、これはすべてフッキングには至らず。
 すでに食いきらない小型への誘惑は断たれているので、ナマズにこちらの存在を気取られぬアプローチだけを心がけ 、正確なコースを通すことが出来たときバイトを得る。

 このポイントは小場所だが、ナマズ用ルアーのパッケージが捨てられているあたり、地元ではちょっとしたポイントなのかもしれない。

 とりあえずノーフィッシュを免れたことに安堵し、良型が潜むエリアはなかろうかと府中流域に入ってみたが、どぎつい藪を抜け、川原に辿り着いてみたものの、プアな構成。こんな程度なら、まだ登戸を基点に上下したほうがいいという感じ。
 この一帯では一時間以上の時間を無為に潰してしまった。

 移動の合間、中野島ダム上の一帯を見ながら走るが、砂利を取り除く工事をした後の光景は無残で、一層のっぺりとした感じになっていた。
 とても手を出す気にはなれない。

 登戸。
 師匠と李親子がいた。
 先ほどまで行っていた場所の様子を話す。
 朕は藪漕ぎ、無駄歩きの疲労から釣りはせず、ただ一帯の様子を眺めていた。

 やがて李立、秦明到着。
 風が浮きゴミや油を上流側へ運び、なおかつ反応を得られている様子も無い。
 流量が少ないなら、カレントをもっと追うべきではないかという秦明の提案を受け、流れの通過するロックエリアへ。
 カバーにワームを丁寧に落としていくのは面倒だということと、今日見た小バスの反応を見た限りでは横の動きを好んでいたということを思い出し、スピナーベートを選択。
 朕と秦明はスピナーベイトで線を探り、李立はスパイダークロウのテキサスリグでスポットを探るというコンビネーション。
 グレッグ・ハインズは言う。
 「このコンビネーションは最高さ。どちらかのメソッドでたいていは上手く行く。釣れないときは、ちょうど釣れないというだけのことさ」と。
 朕が狙いのコースを諦め、ルアーをピックアップした時、これを追う大型の魚体が現われる。
 ラージマウス!
 40はあろうかというラージマウスバスだ。
 ナイスサイズのラージのスクールについては聞き及んでいるし、三年前には40クラスのラージマウスを二匹見ている。
 ラージがこのエリアに来ていることを確信した朕は再びスピナーベイトのキャストを続ける。
 程なくしてバイト。
 ナイスサイズという手応えがあり、寄せてくると60前後のナマズ。
 バス狙いではあったが、この流域の水の状態を知る手掛かりとなったし、ナマズは普通に嬉しい多摩川のレギュラーターゲット。
 駄菓子菓子!
 秦明にこの釣果を見せびらかしてやろうと、これ見よがしにランディングし、グリップで掴もうとしたところフックアウト…。
 昔、釣堀で使うためにパープレスバーブレスにしていたのがザとなった。
 
 ナマズをバラしはしたが、ひとつの答えは得られた。
 すなわち、下流側のほうが水が良いということである。
 朕と李立は、流れのことは常に気にしていたが、知らず知らずのうちに限られたポイントに視野が狭まり、堰間全体を俯瞰することを忘れていたのである。
 釣行回数の少ない秦明は、冷静に状況を判断していたのだ。やはりグランドマスターは偉大である。

 更に移動を続け、流れとカバーの絡む一帯に各々入る。
 既に陽は落ちかけていて、朕はナマズ、バスとも狙いを定めず、SPと表記されたシンキングのX80を引いた。
 すぐに追う影が見える。
 またしても40クラスのラージマウス。見切られたのか、朕の姿を見てしまったのか魚は消えてしまった。
 しかし、この一尾だけではないはず、と、動きを抑えたBスイムトリガーに結び替え引いてきたところ、カバーに引っかかったか?という感触を得る。それはすぐに外れたので引き続けてみたところ、サイズは落ちたが35センチ前後のラージマウスがルアーを追っていた。どうやら、根掛りと感じた感触はバイトだったようである。
 あまりにもバスを釣っていないため、感覚が鈍ってしまったか。
 ここまでプレッシャーが掛かってしまってはもうだめだろう。

 結局その後、良い兆候は現われず。
 長潮と少ない流量では期待も持てないか、という雰囲気が一同に漂うが、まだ時間はある。
 打てるところは打ってみようと流し続けたが、コイの反応と、渋いナマズらしきバイトがあったのみ。
 さすがに諦めの境地に達し、台風による状況改善に望みを託し、解散となった。


 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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私は元々登戸エリアからラージ始めた男です。

告知は国立~上じゃないと厳しいですよ。
今は駆除などで上流もパラダイスとはいきません。
3年前は30~40アップが1日10本釣れたときもありました。

3年前は、コバスなら1日やれば40匹とかいくらでも釣れましたよ。


最近は、気力がないので、まったくそちらに行っていないです。

写真のテトラエリアは2005年シークレットポイントとしてナマズが釣れまくりでしたが、(ちょっと上流にある水位を計るものが建っているところがベスト)今じゃネットの影響でたいていの夜ナマズ釣り師は知っているポイントになり、本流の方がまだ期待できそうです。

さらに下流に、下流に進んでいくと、ラージがいる幻の野池があったそうです。私が行ったときはなかったです。野池はネットの噂なので信憑性はいまいちです。

私が知っている範囲では、都内の野池は有名な「くじら池」以外にもあり、埋立てられず、ラージが繁殖している野池もあります。シークレットポイントなので、おそらく検索しても出ません。

多謝

何と!
ゴールドラッシュに乗り遅れたというわけか…。

やはり、現状ではナマズをメインに狙い、状況次第でシーやスモールを狙ってるのが無難のようですね。


情報感謝します!
プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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