蝦夷地へ

 8月19日、地下からの脱出を果たし、再び流浪の徒となる。
 こうでもしなければ、休暇さえ思うに任せぬ世の中とは一体…。
 経済成長とやらのために、人としての当然の欲求が阻害されてしまうのなら、そんなもの棄てちまえ!と、“アベノミクス”とかいう悪人共の詭弁に唾吐く、天子たる朕であった。
 何はともあれ一年ぶりの会寧府。天子のご帰還であらせられる。

 8月20日。
 
 かつては渡来人に仕えていた朕。
 その頃の仲間であり、その業界の先輩であった、同郷の時文彬を訪ねる。
 彼もまた、世間を渡り歩くうちに不運に取りつかれ、開封を捨て、会寧府に落ち延びていたのだった。
 このような形での再会は、共に本意ではなかったが、人それぞれ天命に従って生きるより他無いので、ただ進むに任せるのみである。
 というわけで、朕は先輩を釣りに誘う。

 会寧府。チバサイタマ化が進む悲しき地方都市。
 原子力マネー、まやかしのグローバル化に侵されていく中にあって、幸い、かろうじてではあるが豊かな自然はまだ残っている。

 そふえ釣具店へ。
 会寧府の有名店にして、かつてはロドリにも紹介され、朕が偉大なるマスター、田辺哲男先生にも会った釣具屋である。
 移動の車中は、リア充時代を懐かしむことはせず、県内、主に津軽半島のルアーフィッシングについてあれこれ説明。
 そふえに着き、朕は一目散にトラウトルアーコーナーを目指す。
 お目当てはリッジ90F。
 サクラマスの時期にしか生産しないとのことだが、様々なフィッシュイーター有効な、非常に使い勝手の良い、パフォーマンスに優れた一品なのだから、もっと売れて然るべきはずなのに、店頭でお目にかかれることは滅多にない。
 朕が、高い金を払う価値ありと認める数少ない国産ルアーのひとつである。
 果たしてリッジ90F(ショートビルモデル)はアカキンのみであったが、三本あり、うち二本を購入。

 そして、まずは湾内の様子はどうか、と青函フェリー発着所周辺へ。
 現地には回遊魚狙いと思われる仕掛けを組んだ釣り師が大勢いたが、フィッシュイーターの気配は無い。
 ならば、ヘチのメバルはどうかとソアレジグをしゃくるがバイトは無い。
 だいいちこの人出では、キャストするスペースもままならず、正確な情報を得ることができない。

 ということで、右に下北半島、左に津軽半島を望む油川港へ。

 青函航路が作り出す、人工の海流からは離れてしまうが、小さな河口がある。昨晩降った雨の影響もあり、濁りと澄みの境界もできている。
 かつて朕が都落ちしていた頃の夏には、河口付近でセイゴ、サバを確認している。
 強くはないが、魚を寄せる要素はある。
 それに今日はまだ様子見の段階なのだ。
 どのような経過、結果になろうとここで今日を終えると決意。

 時折、サヨリや魚種不明の小魚が逃げているかのような動きも見るが、決定的ではない。
 しかし、釣れないというような気配でもない。

 と、朕がまず小型メバルをキャッチ。
 次いで時文彬が、小サバ、メバルをゲット。
 これらはこの土地の名主である猫に納めた。

 魚は釣れたが、反応は無いに等しいという状況。
 好適期ともなればこの一帯はメバル、ソイが気持ちよく釣れる場所。
 やはり、時期的に湾奥は厳しいか。

 湾奥は捨てる、という結論がでたところで次に攻め入るべきエリアを決め、この日は終了。

 一方、遥か遠く静岡からの報がこちらに寄せられてくる。

 小田原鉄叫子の楽和、またしても沼津でシイラをキャッチしていた。
 おおいに刺激となり、朕もパワーフィッシングを!と燃え立ったのはいうまでもない。
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tag : ルアーフィッシング 青森県

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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