労役の罪業

 8月11日。

 不運に取り付かれた後半生。
 加えて地下で、熱中症に見舞われたこの日。
 嗚呼、ゲームフィッシャーマンとしてのスキルがアップした以外は本当にロクなことがない。
 四年前の出来事の余波はまるで収まらない。
 熱中症ゆえ、早めに解放されたはいいが、両腕の痙攣が続く。
 「天よ、このままろくな目に遭わず余生が過ぎていくのなら、今この場で死を賜りますよう」
 朕は天を仰ぎ、涙ながらに訴えた。
 すると、見る間に雨雲天を覆い、豪雨が降り注いできたという次第。
 朕は改めて、玉帝の格別の配慮を知った。

 この一事が状況を好転させたのは間違いない。
 雨上がりと共に登戸で、ぢょん、李立と合流。
 増水は期待したほどではなかったが、この時期の雨は必ずや状況を上向きに導くもの。
 喜び勇んで、第二ワンド、五本松ルートを目指す。

 第二ワンドは好適エリアとなるほどの水位には達しておらず、五本松エリアにベイトが濃厚であった。
 朕は時折起こる痙攣に苦しめながらもキャストを続けた。

 朕とぢょんは回遊待ち、李立はスポットを流すという展開。
 
 回遊待ち組は反応を得るも、決定的なバイトを得ることができず、であったが、スポット打ちの李立はしっかりと釣果を得ていた。

 但し、スポットを打っていたからといって、そこに魚が常に付いているわけではない。
 何故なら、ナマズは活動を開始すると、絶えず回遊し、捕食のために有利なスポットに一時的に留まるような魚だからである。
 朕らが取りこぼしていた魚を李立が仕留めたという表現が妥当かもしれない。

 痙攣もだいぶん治まり、いよいよわしも、という気力に満ちてきた頃、はからずも雷がこちらにじわじわと近付いてくる。
 やはり不運は取り付き続けているのか。それとも休めとの天からの意思か。
 何はともあれ退却である。

 そんな場面でバギーのおっちゃんぢょん、逃げしなのキャストで一本キャッチ。
 こういう時には、あくまでオーソドックスな手堅い攻めを繰り出せるのはベテラン故の功か。

 朕自身は攻めきれずの撤退という屈辱を味わうこととなったが、鉄のナマ師どもとしてはそれなりの成功を収めるという結果であった。
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テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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