逆風の中

 7月27日。

 地下からの解放。
 夕刻に間に合う。
 鉄のナマ師である朕、ぢょんバギーのおっちゃん、秦明、李立が集合という運びに。
 これまでのナマズ狙いの流れからすれば、堰下エリアが一帯で最も確率の高いエリアだろうということで、朕、バギーのおっちゃんぢょん、秦明、李立の意見が一致。

 かくして朕が遅れて現地に到着してみれば、秦明、ぢょん、李立の他に、漁夫の利を狙ってか見習いナマ師の穆春までがいた。

 多人数での釣りというものは、とかく無用のプレッシャーを与えがちなのだが、鉄のナマ師たちはその辺をよく心得ていて、好適時間帯に入ってからは特に気遣いがあるため、プレッシャーは最小限に抑えられるし、皆それぞれにアングルを持っているので状況の推測を容易にしてくれる。
 単独での釣りを好む朕が、一定水準以上のレベルに達していると思われる者とは同行したがるのもこのためである。

 状況は低め安定と感じられた朕はナマズ狙いに絞ってのポイント選定。李立も同調。
 秦明とぢょんはシーバスを窺うという構え。

 朕と李立はナマズのフィーディングポイントで機の到来を待つ。
 しかし、ほどなくして緩やかな南風が、雨雲を伴った北風に変わる。見る間に雨足は強まり、雷鳴をも轟かせている。
 秦明とぢょんは既に避難しているという。
 我々も好転の兆しなしと見て、避難場所へ。

 釣りは中断することとなったが、普段はひとたびキャストを始めれば極端に口数が減り、それぞれの思考の実践を繰り広げていく我々も、互いの持論を披露しあうことによって、新たな気付きや知識を得られる良い機会となった。

 やがて雨足は弱まり、釣りを再開したが、再度強い雨に襲われ、次に雨足が弱まる頃には帰りを意識しなければならない時間になってしまった。
 一同解散、というところだが、欲求不満のまま終わらせるわけにはゆかぬ、とぢょんは今尚意気盛ん。
 単騎、丸子エリアへ向かった。

 雨と疲労をものともせずに奮闘したぢょん、念願のシーバスを得ていたのだった。

 7月28日。

 この日も夕刻頃解放。
 昨晩の雨の効果はいかほどのものか、について考えていたところ、李立より久しぶりの快挙の報あり。

 内容的には、先日朕が釣ったシーバス同様、その存在を確信してのものではなく、もし居るならこんな条件の場所、というポイントを打っての釣果だという。
 とはいえ、魚影が一帯に濃ければストロングパターンとなるポイントを打っての釣果であるし、スモールマウスバス、45センチである。見事といって良い結果であろう。

 素晴らしいゲーム展開を期待し、夕刻頃現地へ。
 しかし現地へ到着してみれば、早くも昨晩の雨の影響はなりを潜め、再び低め安定の様相が復活の気配。
 加えて小潮である。
 少しでも可能性のあるエリアを求め、流れの効くエリア、ポイントを目指す。

 第二ワンド。
 流れの効いた、岬落ち込み周辺に可能性があるかもしれない。
 しかし、ベイトのサイズは小さく勢いを感じられない。だからといって可能性がまったく無いかというとそうでもない。曖昧な印象。
 このエリアの観測、推察はぢょんが引き受けてくれるとのことで、朕と李立はより流れの効いている五本松エリアを目指した。

 五本松。
 ベイトの量は第二ワンドより明らかに濃い。
 月の支配力を知ってしまった以上、期待は禁物だが第二ワンドより可能性は高い。
 そして完全に陽が落ちた頃、李立が大型をヒットさせる。
 この一本が取れれば、今日は概ね成功といってもいいほどだ、とネットを持ってフォローに向かおうとしたが、残念ながらフックアウト。その後、片手に収まる数ていどのバイトは出たがいずれも食いは浅く、機を逸したと知る。
 ぢょんの待つ、第二ワンドへ戻る。

 第二ワンドを受け持ったぢょんも、バイトは出るが乗らない状況だったという。
 ワンドの奥で穆春は釣れたようだが、そのことから判断材料を得られることは無く、結局この日のゲームは失敗に終わったと悟り、撤退。

 7月29日。

 天象が示す不振の信号。
 それでも、より良い条件、今なら流れの効いたベイトの絡むポイントで、かろうじてヒット率を高めることはできる。

 この日は夕刻頃の解放となったので、連日ケミホタルナマ師たちに叩かれてはいるが、構成条件は良好な五本松エリアを目指した。

 陽が落ちてから、やはり狙いのポイントに魚は入ってきたが、やはりという感じでバイトは浅い。
 ナマズをためらわせる要因はプレッシャーと月齢が挙げられるが、朕は月の及ぼす影響の方が強いと考えている。

 そんな好適には程遠い、しかし魚は居る、という状況の中、結果を出すことができたのは、今となっては鉄のナマ師どものエース、李立だった。

 状況を読み、知識を活かし、少ない手駒からベストを割り出す、渋い中にあってのクオリティゲームが出来たといってもいいだろう。
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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