エスポワール 船井 山本太郎

 7月21日。

 昨年、多摩川でナマ師のイニシエーションを受け、ヴォルキーとカルカッタを購入し、ベイトキャスティングを始めた史進。
 朕もこの日外出日だったので、久しぶりに合流しようという運びとなった。
 また、幼少の頃はフナを始めとする各種エサ釣りに親しんでいた史進。はめれば爆釣可能な小物釣りにも大いに興味を示していた。

 合流前に、悪の政権打倒の夢を他人に託す一票を投じ、現地へ。

 この日は史進も師匠に弟子入り。
 更にバギーのおっちゃんぢょんも加わり、日中は心ゆくまで小物釣りを満喫。

 やがて李立、穆春が合流。
 ゲストの史進に多摩川中流域名物、ナマズのトップウォーターゲームを満喫してもらうためのエリア選択について協議。

 大潮の月齢に当たるこの日。
 プライムタイムに良いポイントを打てれば、間違いなく結果の出せる日である。

 問題は、ナマズのみを狙うか、シーバスも視野に入れるべきか、という点だったが、これにはこれまでの釣行データが大いに役に立った。
 ナマズ狙いの登戸上流側エリアは、概ねナマズの出現率の高いエリアではあるが、傾向として、水位が低めで安定にあるとき小型のストライク率が高く、フッキング率は低い。これは良型の個体が、酸素量と効率の良いフィーディング場を求めて回遊するため、このエリアはフィーディングシャローの選から漏れやすいのだろうということが考えられる。
 よって、ナマズのみを狙う登戸上流側エリアを捨て、堰下エリアへ向かうことにした。
 堰下エリアには常に太く強い流れのあるポイントがあるし、それに絡むシャローフラットもある。そこへベイトが加われば、高い確率で良型のナマズがやって来ることが予測できる。
 また、その行動、滞在については暗中模索の域を出ていないがシーバスの可能性もある。

 かくして、ガイドをしつつ自らの釣果も得たい我々は、堰下宇奈根エリアを選択。

 朕と李立は大潮の日の一級ポイントでの確実な釣果を考えてのナマズ狙い。
 ぢょんは、より大型のベイトを求める大型のフィッシュイーターをビッグベイトで得ようという構え。
 史進は、朕のゲームの進め方から自分が狙うべき魚を見つけていこうという姿勢。

 現地でそれぞれ散開し、朕はナマズのフィーディングポイントに至るまでの道のりを、史進にエリア解説を交えながら流していく。そんな中、まず釣果を得たのは史進だった。

 太い流れの中にある緩みにフィッシュイーターの可能性を説明した後の釣果。
 狙いどころは悪くなかったが、ニゴイという結果がタイミングのズレを物語っていた。

 これを見て、あわよくばシーバスという考えを捨て、よりわかり易いナマズのフィーディングポイントを狙うべきだろうと判断。
 と、朕は史進を伴い、本流が駆け上がり、流れに沿って馬の背がシャローフラットを形成する、ベイトの濃い、あからさまなポイントに陣取った。
 光量、ベイトの動き、ルアー周辺に見られる様子から、ナマズが来るのはまだ先だろうと思われたので、のんびり構えていたところ、ぢょんよりメール着信。
 見れば、またしてもジョインテッドクローでビッグフィッシュ。

 巨鯉二連発。
 関東巨鯉倶楽部としての面目を保ったというわけである。

 驚きを隠さない史進に、あれはおっちゃんぢょんだからこそ出来る芸当であって、普通の釣り師がやろうとして出来ることではないと説明。

 やがてポイント周辺では、予測通りに機がやってきて、捕食音が聞こえてくるようになる。
 二度あったチャンスのうち一を捉え、朕がナマズを得る。

 しかし、想像以上にナマズの足は速く、その後気配が消える。
 
 次の回遊組を待つのも手だが、プレッシャーを解消する意味も兼ねて、流芯周りの観察を続けているぢょんの様子を見ておこう、と移動を始めた頃…快挙の報入る。

 JOYミノー・シンキングモデルでシーバスをゲットしていた。
 流芯周りでの捕食行動の気配を捉え、トリガー性能に特化したベイトをプレゼンテーションしての釣果。
 パフォーマンスをカマせれば、ガチもこなせるプロレスラーぶりを発揮していた。

 同時刻、JOY兄いは下流のJR川崎周辺でシーバスを得ていた。

 これを、時合について理解する貴重なデータと捉えるか、単なる偶然の一致と捉えるか、いいなあシーバス、という風に見るかによってアングラーとしての資質が問われる場面でもあった。

 一方、穆春オススメだというポイントで苦戦していた李立と穆春は、結局李立が当初打とうとしていたナマズのフィーディングポイント、すなわち朕が先ほど結果を出していたポイントでナマズを狙うということになっていた。
 ポイントを休めたことだし、月の魔法が及ぶ時間帯にある今、そろそろ別の個体が入ってくるであろうから、と朕も便乗。

 朕、李立共にストライクを出すことはできたが、フッキングにまでは持ち込めず。
 また、鉄のナマ道入門から半年強、未だにアングル無き穆春に狙いどころとなる要点を示し、打つべき場所を教えたところ、やはりストライクを得てフッキングさせるが、これまたランディング成功には至らず。
 そうこうしているうちに、ポイントからナマズが消えた気配に。

 そろそろ時間も時間だし、ということで、シーバス狙いのぢょんと史進の居る激流ポイントに戻ったところ、史進はシーバスを手元バラし、ぢょんはバイトを得ていたという。
 史進のバラしの原因は、おそらくロッドの性能によるものだと思われた。所詮、40クラスのバスを相手に楽しむ程度に作られているのか、という印象。

 何はともあれ、想像以上にシーバスが入ってきている。
 ならば狙う価値はある。
 流芯に絡む変化を打つべし。そしてゲストに何とか多摩川淡水域の至宝を手にしてもらおうという配慮で、ぢょんがスポットを打てる立ち位置を空けたところ、そこへ穆春が入り、流芯の中のカバーで待ち構えるフィッシュイーターを得る。

 ヒットしてきたのは意外にもナマズ。
 ノーフィッシュを逃れることが出来た。

 朕や、ぢょんはともかく、ただ釣れてしまっている穆春までが、という思いが李立の釣り師根性に火をつけたようだ。
 この流域にエントリーしてから、予めマークしていたスポットを打ち、必然の一尾を得る。

 必然とは、フィーディングに入ったナマズが必ずや滞在するスポットを予測してのキャストだったためである。

 純淡水域シーバスの謎解きの進捗はともかく、参加者全員が釣果を得られたことを喜び合いながら、一同解散。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング シーバスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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