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セルロースシケイダー浮上せず

 6月16日。

 ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気から醒めてみれば、施恩から電話着信があったことに気付く。
 折り返してみたところ、今日は多摩川に行けるのだが来られるか?とのこと。
 勿論、釣り廃人が行かない訳がない。
 それにしても施恩の行動は常に予測不能だ。
 では後ほどてきとーに、ということで貧乏長屋を出た。

 ポンスキーロード入りしたところ自転車は無かったが、希望の中洲からセニョールが現れた。
 久しぶりの再会を喜んだが、朕もセニョールもミュージシャンではないので握手はしなかった。
 先日、降臨跡でシーバスを釣ったとのことで写真を見せていただいた。
 淳于髠じゅんうこんに次いで、降臨四年二人目の達成者である。
 ジャッカルのミノープラグをジャークしていたところヒットしてきたというので、朕は「シーバスにジャーク、トゥイッチは邪道」と、伝説三輪式の唾を吐いてやった。

 希望の中洲、ナマズラリーなまず魚釣り旧入水点に来てみれば張良が居た。
 今日は冴えないが、先日は雨の中ボイルが頻発し、水面系のベイトで40クラスのスモールマウスばかりを釣ることが出来たとのこと。
 やはり張良は頭ひとつ抜けている。
 それはとかく、今日は○回連続ボーズなし!の継続が懸かっている。ノーフィッシュに終わって泣きキレるより、釣果を得てアホ面自撮りを決めてやりたいものだ、と、より釣り易い条件を求めて移動を続ける。

 希望の中洲沿岸の様子を見ながら歩いていると施恩が現れた。
 少年時代に修羅の圧力を力でねじ伏せ、本気で泣かせた男である。
 釣り勘は無いに等しい修羅も、施恩の気配だけは百里の先からも察知できる。よって施恩が来る時に伝説三輪氏の降臨は完全に諦めなければならない。
 いったい、若い者にはナメられてるぐらいがちょうど良いのだ。
 所詮何の功も無く、徒に齢を重ねてきただけなのだから。
 そんな自覚も持たずにただ威を張ろうとするから余計ナメられることになるのだ。
 ましてや本題はルアーで魚を釣ることなのに、いつも誰よりも釣れないとあれば尚更のことではないか。

 五本松対岸。
 釣れる条件は揃っているように見えるが長潮である。
 淡水域であっても潮汐の影響から逃れることはできない。だからといってまったく可能性が無いかといえばそんなこともない。
 よってここは「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお」と、伝説三輪氏のように、泣いてでも続けるのが適切である。
 朕は瀬下でひたすら機が訪れるのを待ったが、施恩はどんどん上流側に移動して行く。移動して行くといっても要所要所を打って行っているのでナマズラリーなまず魚釣り式ランガンとはまるで質が違っている。
 瀬下一帯にベートフィッシュは濃いので、釣れずとも反応ぐらいは得られそうなものだが、結局何事も無いまま日没が来てしまった。
 施恩から電話が来る。
 ロンドンブーツの亮がナマズを釣りに来ていて、バイトシーンの動画を撮りたいそうだからこっちに連れて来たいと思うがどうか、とのこと。
 勿論、断る道理など無い。

 施恩と亮がやって来る。
 「初めまして」とは通常の挨拶だが、亮とは初対面ではない。
 向こうは覚えていないだろうが、今から二十数年前、正道会館で何かの収録があった際、会ったことがある。
 朕は、プレステーション版『ビーバス&バットヘッド』の吹替えの評論をしたり、何故『ボキャブラ天国』に出演しなくなったのかを訊ねたものだ。
 その時の印象は、世間での立ち位置が違うだけで中身は普通の兄ちゃんという印象だったが、この日の印象もまた釣り好きの普通の中年といったところで嫌な感じはしなかった。
 投げかけられる質問も魚の釣り方を知っている者の質問で、こちらも自然体で応じていた。
 業界での評価だけでなく釣り人としての評価も、ミュージシャンよりお笑い芸人の方が遥かに上であると言っておこう。
 何とかバイトシーンを撮らせてやろうと努めるも、やはり状況は厳しい。
 覚悟していたことではあるが、捕食音は聴こえず、徘徊する姿も見ず、アタったとかバレたとかそんな話さえも無ければ気力も萎えようというもの。
 亮撤退後も少しキャストを続けてみたが、やはり何も起こらない。
 浅場に入ってくる魚が小魚ばかりではナマズラリーなまず魚釣りの真髄、えげつない散らし鈎を用いたところで魚を引っ掛けることも出来ないだろう。
 朕は○回連続ボーズなし!が途絶え、施恩は手ぶらで片道二時間の帰路を辿らなければならず、と共に泣きたい気分になっていたが、我々には潤沢な伝説の遺産がある。
 そこで、努めて陽気なふりをして「釣れなくても関係ありまっしぇ~ん」を決めて解散とした。




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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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