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入れるなら、ユリコよりタローがいい

 6月21日。

 昨日、蝦夷地に遊ぶ史進より、名寄川なる川での釣果写真が届く。
 常に美しい環境でばかり釣りをしていては、いずれ首都圏のドブに対応できなくなってしまうのではないかと朕は心配している。
 同日、秦明は江戸川でシーバスとニゴイをキャッチしていた。
 どちらも○回連続ボーズなし!の伝説三輪式を継続中だが、彼らは新川で釣ったことのない大したことのねえやつらでもある。
 釣り人として、バサーとして、新川で釣ることが一人前の証なのだ。少なくとも修羅の世界では。

 迎えた当日。
 遂にザ・タックルボックスの実店舗が小平と国分寺の境界付近にオープンした。
 今月は予想していたより多めに円天が得られたので、前から気になっていたソンクロウ、7,2フィートMHモデレートのバスXを買いに行くことにした。
 セントクロイなる英語名があるのに敢えてフランス語読みするのは、洗練された方はフランス式を好むと聞いたので、朕も倣ってみた次第。
 当初はロッドだけ買うつもりでいたのに、豊富なラパラ、新河岸で使えそうなベイトを物色しているうちに三万円天の散財。
 とはいえ釣り廃人にとってこの程度のことは痛くも痒くもない。
 やるべきことはやった気分になるが「今日のオレの仕事は終了!」と言うにはまだ早い。今日は聖人君似の夏侯章が約二ヶ月ぶりにお見えになる日である。
 主君にお目通りせずして今日を終われようか。

 貧乏長屋に戻るやすぐさまタックルをセットして多摩川に向かう。
 ポンスキーロードに来てみれば、公孫戍の自転車はあったが、君似君の自転車が無かった。
 ああ、君似は今日もひりついておられるのか。
 しかし、これまで以上の境地に至ろうとしているのであれば仕方がない。主君の栄達を支えるのも臣としての務めなのだと自らに言い聞かせ進んで行ったところ、ナマズラリーなまず魚釣り旧入水点に夏侯章の姿があった。
 朕は小趨りに進み出、跪拝していう。
 「君似君、お久しゅうございます。君似君には今日は無冠であらせられるのでしょうか」
 夏侯章は、
 「寡人は常に無冠である」
 と、淀みなくいった。
 これから被剥の問答に入るのがならわしだが、今日は遂にオープンしたタックルボックスの話をし、夏侯章は自転車で行くと言い出した。
 いくら何でもそれは…、と諌める朕だったが、昭島まで自転車で行く夏侯章にしてみれば国分寺まで行くなど造作もないことだという。
 朕は、はっと平伏し、
 「余計なことを申しましたわたくしめをどうかお赦しくださいますよう」
 と、出過ぎた真似を詫びた。
 主君にいとまごいをしたのち、公孫戍の様子を見に行く。
 「ちわ」
 ナマズラリーなまず魚釣り式は新しい定番となった。
 改めて登戸一帯を眺めてみる。
 韓流の様子は見えないが、オペラ座、新水門、降臨跡はここからよく見える。いずれも日曜日らしい釣り人の数が出てきていて、修羅が存分に捕食を行える状態が出来上がっていた。
 しかし伝説三輪氏の姿は見えない。
 「我々は修羅である
 そんな勇ましいことを言っておいて、いつも自分だけ釣れずに釣りという低レベルな競争なる唾を吐いて逃亡してしまうなんてあまりにもお粗末過ぎやしないか。
 「おめえはそれで悔しくねえのか」とはこちらが言いたい台詞である。
 朕が修羅の思い出を語れば、公孫戍ははぐれ者の思い出を語る。
 はぐれ者にとっての新川は180近い体格だったようだ。
 公孫戍の登場があと二年早ければ、修羅はぐれ者の対決を実現させてやることも可能だったに違いないと思うと残念でならない。
 自分の能力の低さは重々承知しているが、物事が上手く行かないのはそのせいばかりでないということが人生に於いては多々あるものだ。

 希望の中洲一帯は相変わらずベートフィッシュが多かったが、水は冷たいままだった。
 日没間際にスモールマウスのボイルがにわかに頻発したものの、攻略は成らず。
 朕は○回連続ボーズなし!が途絶え、遅れて到着した費保は用意してきた実験ネタもむなしく連続ボーズ、夏侯章はボイルはあっても反応を得られないことにおかんむり、公孫戍はベビーポッパーでストライクを得ていたもののアタったとかバレたとかそんな話に終わるという具合で、誰一人釣果を得ることが出来なかった。
 まったくもって、新川で釣ったことのないやつは大したことねえのである。

 ポンスキーロードに戻ってみれば自転車はまだ無かった。
 今日のような日でもナマズラリーなまず魚釣りなら釣れるのだろうか。それとも釣れなければ釣りに行かなかったことにしてしまうのだろうか。
 ナマズラリーなまず魚釣りには、古くからルアーフィッシングに親しんできた者には信じられない様々なトンデモ基準が設けられている。


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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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