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花菱にて

 5月17日。

 土日祝日が休日というのは釣りを阻害するものの方が多く、朕はあまり好きではないのだが、運よくはぐれ者に出くわした際にまともな社会人として見なしてもらえるという利点はある。勿論、朕がまともな社会人であるはずもないのだが…。
 晴れた日曜日の今日は、エントリーの容易なもうひとつの降臨跡、韓流ポイント、降臨跡はいずこもベイトが溢れ、伝説三輪氏にはたまらない状況になっているに違いないが、朕は捕食系アングラーではないのでそのような場所は避けたがる性向がある。こんなことだから尚更降臨の奇蹟に立ち会えずにいるのだろう。

 ポンスキーロードに着いてみたところ、自転車は無かったが、公孫戍の自転車があったので、公孫戍を探すことにする。
 狸島に2、3人の釣り人が居たがその中に公孫戍は見えなかった。降臨跡はほぼ等間隔で護岸に釣り人が並ぶほどの盛況ぶりだったが、修羅が居るとか捕食が行われてるかまでは確認できなかった。希望の中州はどうなっているのかと覗いてみたところ、公孫戍が居た。
 「ちわ」
 伝説三輪式ではなく、ナマズラリーなまず魚釣り式で挨拶したのは、狸にスナック菓子を食わせるナマズラリーなまず魚釣りの豪胆さも侮れないからである。
 公孫戍も、ここに至るまでに修羅の捕食は見なかったとのことだが、スモールマウスの捕食は見たとのことで、そのうち一匹をキャッチ出来たという。
 ヒットルアーはドッグXだと聞いて、朕は「おめえらこの前までドッグX全否定だったじゃねえか!」と、シチュエーションベイトの意味を知らない根っからのバサーの真似をして笑いを取った。
 スモールマウスの姿が見え、時折捕食も起こっていたが、ルアーへの反応は無いまま時間が経過。
 聖人が一緒ならその徳は魚にまで及び、我々もその恩恵に与れるのにと思わずにはいられない。
 17時の鐘が鳴る頃、久しぶりの捕食が起こる。
 追われていたのは10センチ前後の細長い魚で、追っている魚も大きい。
 そのまどろっこしい捕食ぶりに、最初はコイかと思ったが、スモールマウスだった。
 チェイスの時間が長かったので、これは釣れるかもしれないと手出ししてみたが、ルアーにバイトさせることは出来なかった。
 ボイル発生頻度が高いのであれば腰を据えて機を待つべきだろうが、この程度ならより良い条件の場所を求めた方が良いだろう。
 ということで、朕は予め勝負場所と定めていた中野島堰下合流点に移動することにした。
 最初からそこへ行かなかったのは、日中はそこも修羅の捕食に適した状況になっていると思われたためだ。
 この時、ポンスキーロードに自転車は無かった。

 中野島堰下合流点。
 秦明と費保が見える。
 ここがいちばん釣果を見込める条件が揃っているとの情報提供をしたのは朕である。よって、もし彼らが釣れていなかったら、「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と泣きキレられる恐れがある。
 まだ他に何人かの釣り人が居たので、今の段階ならば釣れていなくてもフィッシングプレッシャーのせいに出来るか、と、おそるおそる近くに居た費保に様子を伺ってみた。
 すると、自分は釣れてないけどあの人が釣ったよ、と秦明を指差す。
 秦明に話を聞きに行ってみたところ、先ほどまで人が多くてどうにか入れた場所がここだとのこと。幸いここでボイルが起こり、バズベートを引いてみたところストライクを得られたのだという。
 やはりここは良い場所なのだ。
 ひとまず秦明には泣きキレられる恐れが無くなったことで安心し、朕も落ち着いてキャストできるようになった。
 やがて日没を迎え、盛んというには程遠いがアタったとかバレたとかそんな話は出るようになる。
 反応が少なく、バイトがあっても食いが浅いのはフィッシングプレッシャーの影響か、長潮だからか、などと口々に言い合いながらもキャストは続ける。
 20時が近付いてくる。
 特に早起きしなければならない生活をしているわけではないが、現実逃避が趣味の朕は少しでも多く睡眠時間が取りたいので撤退を意識し始めていた。
 そろそろ帰りましょうか、と言おうとしていた頃、魚の暴れる音が聴こえてくる。
 見れば、費保が魚を掛けていた。
 レーベルのクランクベートに食ってきたのはナマズ。
 これで朕は「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と泣き切れられるかもしれない重圧から完全に解放されたのである。
 かくしてここで納竿となった次第だが、朕は○回連続ボーズなし!の伝説三輪式自慢権を失ってしまったことが悔しくてならず、顔をどす黒く紅潮させ、怒気を含んだ涙目で、費保と秦明に対し「でもよお、おめえら新川では釣ったことないよな。大したことねえなあ…オォーイ!」とブチキレてしまった。

 帰宅し、飯を食い終えた頃、蝦夷地の史進より、ビッグレーンボーを狙いに200㎞も走ったのにこれしゃ釣れなかった、と泣いてるのか喜んでるのかわからないメールが届く。
 更に、隅田川に行っていたという鄒衍すうえんからも、今日は一匹しゃ釣れなかったとの報が入る。
 先程、秦明や費保に対してブチキレるなんて無様を晒したのは、腹が減ってたからついということに出来るが、空腹が満たされた今は、いい齢して自分だけ釣れないからといって他人に当り散らすなんてみっともない真似をするわけにもいくまい。
 だからといって素直に他人の功を認めるのはこれまでに正解はやり尽くしてきたベテランとしてのプライドが許さない。
 そこで朕は「オレはおめえらと違ってガチじゃねえからよお」と、伝説三輪式の大人の対応をしてやったのだった。
 修羅の噛みつく泣き声はどこかすべてが負けている。

 ※マー語
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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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