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LBOラボ

 5月9日。

 ひとまずの休暇が間もなく終わる。
 毎日釣りができるなど、釣り廃人にとっては夢のような日々であった。
 毎回釣れていたならもっと素晴らしかったのだろうが、新川で釣ったことのない大したことのねえやつなのだから仕方がない。
 それでも尚、新川で鍛えたというこれまでに正解はやりつくしてきた、ベテランの根っからのバサーが足下にも及ばぬだけは釣れていたので十分だともいえる。
 秦明より狸島へ向かうとの連絡が入ってきたので、朕も貧乏長屋を出た。
 南風は吹いているが、今日も風に暖かさを感じなかったので期待値は低い。だからといってンションが低いということもない。

 ポンスキーロードに自転車自転車は無く、今日もナマズラリーなまず魚釣りの開催は無いのかと危ぶんだ。
 希望の中洲に出てみれば秦明が見え、その隣には何故か恵施が居た。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 伝説三輪式で到着を報せる。
 朕は秦明に、 
 「こやつこそ件の口舌の徒であります」
 と、改めて恵施を紹介した。
 恵施は熱心なのだが、その舞台が多摩川であることが彼にとっての不運であるともいえる。
 朕と秦明は、今の川の様子と昨日までの流れから想像されるこの先の展開について論じ合っていたが、恵施には何のことだかわかっていない。言葉はわかっても、目の前の現実に当てはめていくことができないのだ。
 とにかく釣っていくうちにわかってくることだと言いたいが、多摩川でこれをやるのは難しい。代わりにナマズを釣ってルアーフィッシングの概要を理解していくことが、今から七、八年ほど前までならば可能であったかもしれないが、今やナマズもバス同様に難しくなっていて、初心者に釣らせてやれるものではなくなってしまった。
 しばらくはレンジバイブとヤマモトイモだけで通すのが一匹を手にするための近道なのだが、素直にやり通せるかは甚だ疑問である。
 それはそれとして、今は他人の釣果のことを心配するより、自分の釣果が大事だ。
 朕は狸島岬とワンドの入り口一帯に入り、機を窺うことにした。
 常にベートフィッシュの波紋が見られる箇所があったので、そこに連なる道標を探すことに努める。
 コイの往来を見ることはあったが、スモールマウス、ナマズの姿を見ることはなく、ルアーへの反応も無いまま日没が近付く。
 上流側の一帯を探っている秦明に移動の意を伝えようと歩いていたところ、これから帰るという恵施に出くわす。
 「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え
 礼儀正しく伝説三輪式で送り出した後、秦明に様子を訊いてみれば、やはり何事も無いとのことだったので、五本松対岸に行ってみることにする。
 今日ここでの釣りを提案したのは朕である。
 秦明が移動を快諾したことによって「おめえが良いっていうから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」とブチキレられるリスクを先延ばしに出来たのだった。

 五本松に先行者あり。
 そしてその先行者とは費保だったので、今日の感触を聞くことが出来た。
 アタったとかバレたとかそんな話止まりではあったものの、瀬周りでCDエリートに三度バイトが出たとのこと。
 やはりCDエリートは流れの強い場所でその威力を発揮するようで、先日は東名下で一時コイ科が炸裂したとか。
 費保のベイトにはがまかつのダブルフックが付いていたので、朕はこのフックの欠点をあげつらったが、費保は長所の方を重視していた。これは継続的な耐久性を重視するか、その時のフッキング率を重視するかの違いである。
 風はここでも水面を波立たせていたが、こうして話している間にも目の前の浅場で小魚が動いているのが見え、更に流芯側では小魚やコイが動くのも見えていた。
 ナマズやバスはどうなのかまではわからないが、魚は集まって来ている。
 いよいよ新川で鍛えた本気を出すべき場面だが、寒さに備えて合羽を着込んできた朕と秦明にはどうということのない風も、普通の春の服装で来ていた費保には耐え難いものがあったようで、修羅のように泣きキレはしなかったものの、寒さに敗れての撤退となった。
 とにかく魚はここに来ているし、アタったとかバレたとかそんな話であったとはいえ、口を使う魚が居ないわけではないのだ、とキャストしていたところ、朕がストライクを得る。
 波立つ水面にナマズを呼び出そうとして用意した、白プロップ、白スカート、ボリュームアップのためにトレーラーまで付けたバズベートだったが、食ってきたのはスモールマウスだった。
 いうまでもなく「釣れるなら何でもです」と、もうひとつの伝説と志を同じくする朕にとっては釣れるならどんな魚でも嬉しい…いや、それは嘘だ。
 多摩川で釣れる魚のうちで、ラージマウス、ライギョ、シーバスは別格に嬉しく、ナマズ、スモールマウスは普通に嬉しく、コイ科は釣れないよりは嬉しい、というようにランク付けはされている。
 次にナマズが釣れれば今日は完璧だ、と続けていたが、雨がぱらつき出してくる。
 合羽を着てはいたが、今更濡れるのも嫌だということで撤退することにした。
 ポンスキーロードに戻るまでの間に希望の中洲を見渡していたが、この時点でナマズラリーなまず魚釣りは確認できなかった。

 ※マー語

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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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