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もうひとつの洗礼

 1月4日。

 帰宅したら、即もうひとつの降臨跡に行くつもりだったが、帰宅してみれば、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気に襲われ、一寝入りしてからの出発となった。

 どうせ降臨は無いだろうということで登戸は素通りし、せせらぎ館到着。
 久しぶりにナマズさんに会う。
 去年病を得て多摩川に来られずにいたが、ここへ来てようやく復旧のめどが立ち、こうして会うことになった次第。
 去年から直近の様子を伝え、相羽リグには厳しい状況が続くのは必定なので、マルタ遡上期からの再開がよろしいでしょうという話でまとまり、ナマズさん撤退。

 もうひとつの降臨跡は釣り人多数。
 鄒衍すうえんを発見。
 先ほどバイトを得たが、フッキングを決められなかったとのこと。
 朕は「アタったとかバレたとかそんな話は聞きたくねーんだよ!」と、もうひとつの伝説式で応じ、礼を欠かすことはなかった。
 濁りは入っていたが、カバーの場所は粗方覚えているのでルアーを通す場所に迷いは無いが、現在のような粒子混じりの状態で魚は口を使うのだろうかと不安になる。
 加えて長潮である。
 「長潮でも釣れるよ」
 と、潮汐の影響の話をすれば、この説を否定しにかかる輩を何人か見てきたが、生物は月の影響下に生きているのだ。
 長潮の日でも釣れることはあるが、バイオリズム的に活発な時ではないと認識しておくべきだろう。
 とはいえ、本を捨て、末を見る釣り人が案外多いおかげで朕にも釣れる魚が残っているともいえる。
 4インチワーム、20lbラインであっても填められれば問題ない。
 朕は、イイ匂いの代わりに紫煙の香りを漂わせ、「PEに組んだラインシステムだからこそ獲れた一匹」と、顎をしゃくってやった。

 公孫戍と夏侯章がやってくる。
 早速朕は主君に今日の釣果を奏上した。
 夏侯章はことのほか御機嫌うるわしく、「今日はシコれるねえ」と、竜顔を綻ばせた。
 その後、公孫戍が表層で、鄒衍がボトムでアタったとかバレたとかそんな話を演じはしたものの、何事も起こらぬまま時間が経過してゆく。

 餌釣り師たちの撤退が始まる。
 ちょうど光量の落ちる時間で、これまでカバーだけが恃みだった釣りから、広く探る釣りが可能になった。
 朕はナマズに重きを置いた釣りに切り替える。
 リップレスクランクを可能な限り遠投し、魚がコンタクトするであろうストラクチャーを探すリトリーブを繰り返す。
 ふと上流側に目をやれば、夏侯章がロッドをしならせている。
 センコーを遠投し、程よい流れの場所を探しているうちにバイトが出たとのこと。
 「ナマズくさいな」
 本当にナマズだった。
 バスを釣ろうとして何も釣れない人の話はよく聞くが、バスを釣ろうとしてナマズをよく釣るのが夏侯章である。
 「本当はバス釣りたいのに」
 それを聞いた公孫戍が、
 「やはりおかんむりですか」
 と訊いたところ、
 「寡人は常に無冠である」
 夏侯章は毅然と言った。
 貴人が謙虚さを失わぬことの徳は、このように魚にも及ぶのである。
 
 日没を迎え、朕はまったく反応を得られずに過ごし、他の者もアタったとかバレたとかそんな話から先へ進めずにいた。
 しかし、活発には程遠いが、このエリアの魚のストック量は相対的に見て多いはずだと思われていたので、集中力を欠く者は無く、TKツイスターでブレークからカバーを通していた公孫戍がスモールマウスのキャッチに成功。
 ポイントが晒されたり、またワームだったり、夜だったりともいわれるが、釣れない理由はそこではない。
 「初めての場所は楽しいのう」と、伝説三輪式を決めらず悔しさを露わにする鄒衍だったが、「オレはおめえらと違ってガチじゃねえからよお」と泣かず、汚ねえ唾も飛ばさなかったのは、大人同士の心の戦いに参加していないためである。

 かくして、やるなら次回もここだなということで解散となった。


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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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