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降臨三年最終日

 12月31日。

 降臨三年最終日。
 イイ匂いが漂わなくなると共にメーデンも消え、猫肉骨粉劇場は崩壊してしまったが、今年は二大伝説の降臨があった佳き年になった。
 堰より上には修羅が、堰より下にははぐれ者が君臨してこそ、多摩川本来の休日の情景である。
 残念ながら朕は修羅の降臨に立ち会えなかったが、はぐれ者は何度か見たし、コンタクトすることも出来た。
 甲あれば乙あらず、甲乙あっても丙はない、ということなのだろう。

 さて、今日の登戸はどうなっているのだろうか。
 万にひとつのプレミアを見逃すことがあってはならぬ、と、鉄の自転車に乗り、ゆっくりと界隈を見渡していけるようにした。
 橋の上から登戸エリアを眺めれば、盛期には及ばぬながらも休日らしい人出があった。
 オペラ座周辺に歯抜乞食が見えないのは、天敵の気配を感じて近くに身を潜めているのか、或いは、晴れて新しい棲処を見つけ“猫たちのため”なる口実を設ける必要が無くなったのかもしれない。
 韓流ポイントには見知らぬ釣り人の他に下野さんが見えたが、登戸エリアで釣りをするつもりは無かったので、わざわざ挨拶に行くことはしなかった。また、せっかく伝説三輪氏が捕食のためにやって来ても、川辺に朕の姿を見てしまったら、たちどころにカバーに戻ってしまうことだろう。
 ということで、余計なことはせず、最初から入ろうとしていたもうひとつの降臨跡を目指す。

 堰下、もうひとつの降臨跡。
 対岸と下流側に釣り人が見えるが、対岸から見てもわかるほどカッコ悪いキャストをする釣り人は見えず。
 早々にスモールマウスの姿を見、昨日と同じテキサスリグのスピードワームにバイトしてくるがすぐに放される。
 その後、スモールマウスの通る道筋へのキャストは続けられたが、根掛りを頻繁に起こし、大いに場を荒らしてしまった。
 やがて風が強まりだし、ルアーのコントロールに難儀するようになる。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 君似と先輩史官である。
 彼らは頼もしい釣り仲間ではあるが、はぐれ者の天敵でもある。
 これでもうひとつの伝説降臨の可能性は200%無くなってしまった。
 風はいっそう強くなる。
 「こんな向かい風でまともにキャストなんかできるわけねえだろ!
 もうひとつの伝説式で遊ぶにはお誂えむきだが、リグのコントロールがままならないのは大いに問題だ。
 そんな状況下でも、公孫戍はバイトを捉えていたが、アタったとかバレたとかそんな話に止まる。
 ここはもう厳しいと感じるようになっていた朕は調布水門へ移動することを公孫戍に伝える。
 立ち去る前に主君にいとまごいをしなければ、と夏侯章を見れば、ロッドをしならせている。
 ただハナクソをほじっているだけに見えても、やはりすべてを為している。
 寄せてみればスモールマウス。
 一度はカバーに潜り込まれ膠着してしまったものの、魚の方も聖人の徳に打たれたか、自らカバーを抜けて夏侯章の手の内に収まった。
 殷の開祖、湯王の徳は鳥や獣にまで及んだというが、単なる伝説ではなかったということが示される。
 朕は「明けましておめでとうフィ―――ッシュ!」と、伝説三輪式で称賛し、もうひとつの降臨跡を後にした。

 調布水門へ向かう道すがら、狸島を見れば人影。
 散らし鈎釣法が再開されたのだろうか、と足を停めてみたが釣り人ではなかった。
 猫だ、狸だと、徳の無い者ほど動物をだしに使いたがるものだ。

 かくして調布水門到着。
 ポイントには鄒衍すうえんが到着しており、稲城での釣果を見せていただいた。
 稲城まで電車で行き、そこから再び電車に乗りここへ来たのだという。
 陰陽家というものはやはり聖人の不言の教え、一手間の心を知っているのだ。
 調布水門はプレッシャーが消えてからが勝負、と日没を迎え、キャストにも身が入るようになるが、ここでも強く吹きつける風がベイトのコントロールを難しくし、体温を奪ってゆく。
 朕は「多摩川で二回連続ボーズなし!」の、伝説式自慢権を獲得することを秘かに目標にしていたが叶わず。
 鄒衍はナマズこそ釣れなかったものの、スモールマウスはキャッチ出来ていたので「自分、根っからのバサーなもんで」と言えば済むが、ノーフィッシュに終わった朕は「メシなんか食わねえぞ!」と泣きキレるよりなかった。
 
 降臨三年最後の日は、笑う者あり、泣く者ありと普段通りの釣れないこともない程度に釣れる多摩川だった。
 明日からは降臨四年になる。
 元号が変わるような出来事でも起きて欲しいものである。

 ※マー語

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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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