FC2ブログ

多摩川を見る会

 11月19日。

 他流派の探求者、淳于髠じゅんうこんより、周辺流域の貴重な情報をいただき、五本松から中野島堰下までを見て歩くことにする。
 今日はたとえノーフィッシュに終わったとしても、次に見えるときに「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と、泣きキレておけば、自分がヘボいがために釣れなかったのではないと思い込むことが出来る。
 それでも尚、他人は釣れて自分だけが釣れない日々が続いたなら、釣具をすべて売り払い、釣りという低レベルな競争からの卒業式とすればよいだけのことである。
 或いは、そのヘボさ加減を指摘されたなら「僕に謝ってください!」と珍妙な意趣返しをし、更にやり込められた挙句「公孫さんと言い合いができて良かった」と、あくまで負けてないことにする法もある。
 朕が身を置く世界には、思いのほか精神勝利法を会得している者が多く、「おう、おめえよお、オレが僻んでるみてえなこと言ってるけどよお、オレは別に僻んでるわけじゃねえからな」と出来るのである。
 この術を会得すれば、何の面子かは知らないが、完全に面子を保てるのだ。
 どんな無様を晒しても負けないのだから恐れるものは何も無い。
 かくして、貧乏長屋を出る。

 五本松、調布水門、堰下合流点を見て歩いたところ、調布水門一帯が、コイ、フナ、小魚共に濃く、ブラックやナマズの姿も何匹か見ることが出来た。
 しかし、透明度と現在の光量、先行者の存在を考えれば、今ここで時間を費やしたところで無駄にプレッシャーを与えるだけだろうということで、合流点で光量が一段落ちるまでを過ごすことにした。
 合流点でもベートの群れやコイの姿を見ることは出来たが、水門前に比べればあまりにも薄い。
 鉄板バイブで流してみるも反応は得られず。
 「ハードだってさんざん投げたさ!でも釣れなかったんだよ!
 と、泣かなければならないほどにキャストしたわけでもないが、やはりここは弱いと判断し、水門前に戻る。

 水門前には鄒衍すうえんが来ていた。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 伝説式の礼で到着を報せる。
 陽が傾き始めていたので、朕はここでナマズのサイトフィッシングを試みる。30~40クラスのスモールマウスを見ることもあったが、これらはルアーを見ただけで逃げていくので無視する。
 ナマズは目の前に落ちてくるテキサスリグにバイトはするものの、ことごとく銜えた瞬間に吐き出され、こちらもお手上げであった。
 鄒衍に新川とはどこの新川かと訊ねられる。
 八丁堀の新川では釣りをしたことが無いが、印旛新川と土浦新川では釣りをしたことがあるという。
 修羅のいう新川とは土浦の方だと答えたところ、「行ったことあるけど、あそこはねえ…」と、苦笑い。

 陽が落ちる。
 水門前はワンド状で、適度な水深を有し、緩くも流れがあり、瀬の落ち込み、巻き返し、とあり、実際魚の数も多い好ポイントである。
 スモールマウスを測ることは出来ないが、光量の落ち込みと共に足元から消えていったナマズが何処へ向かったかは粗方想像できる。
 というわけで、ナマズの徘徊コースと目星をつけた場所にしつこくフラットラップを通していたところ、ストライクを得る。
 思いのほか引きが強かったので、鄒衍に網を出してもらい、手前のテトラにラインを擦らぬよう照明を点けてもらう。
 70クラスのンボなナマズであった。
 朕はキャッチを確信し「やっぱラパラですよ」と、顎をしゃくってやった。
 駄菓子菓子。
 ロッドパワーに物言わせ、無理に引っ張ってきたところ魚体がテトラにつかえ、テトラが梃子の役割を果たし、フックアウト。
 「アタったとかバレたとかそんな話は聞きたくねーんだよ!
 な、大失態を演じる。

 この日は結局ノーフィッシュに終わってしまったのだが、悔しさは無い。
 何故ならこの一帯が良いと言っていたのは鄒衍なのだから。
 当然、朕は「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と、伝説三輪式に泣きキレ、自分がヘボいために釣れなかったわけではないことにしたのだった。

 ※よく肥えていて、丈もある様
スポンサーサイト



テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
QRコード
QRコード