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Excellent FAT

 6月8日。

 釣りという低レベルな競争から卒業した修羅はその後二度降臨してこられた。
 無いと思われていたこと、考えもしていなかったことが起こり、こうなると予測していたものは容易く覆される。
 つくづく、新川で釣ったことのない奴は大したことないのだと思い知らされる。
 だからといって「オレだってこんなもん」と開き直るのもかえって不遜な気がして憚られる。

 そして迎えた土曜日。
 修羅はぐれ者はいうに及ばず、猫肉骨粉劇場と歯抜乞食、散らし鈎にまつわる疑惑の狸島、しゃくれる無敵やフォロワーサン、と興味の尽きない曜日である。
 一寝入りしてから降臨跡に入ろうと貧乏長屋に着いてみれば、昨日タワーレコードに注文したSTRUNG OUTが早くも届いていた。
 赤貧時代の反動ともいえるCDまとめ買い。
 今の時代、ネット配信のダウンロード購入というのがあるのは知っているが、人に伎巧多くして奇物ますます起こる、というわけで朕は為さないのである。
 とっくの昔にスピーカー機能の壊れてしまった古いPCを経由して、一枚一枚プレーヤーに落とし込み、ようやく鑑賞可能になる。
 そんな手間を掛けているうちに睡眠時間が削られていく。
 しかし、聖人の不言の教えにある、快楽のための一手間をおろそかにはできない。
 トニー・スライが亡くなったというのに、関連のアルバムに手を出せないでいた期間もあった。これから埋めていくとしよう。
 プロくずれの高漸離曰く、STRUNG OUTはギターがカッコイイとか。仲間にこの音のクールさを理解してもらえたのは嬉しい。とはいえ、朕はいわずもがな、高漸離も今はミュージシャンではないので握手はしない。
 そんな特定ジャンルの音楽愛に浸っているうちに、いい具合の空色になって来た。
 残りの曲は後で聴くことにして貧乏長屋を出る。

 予報の風向きは北東だったが、実際は南もしくは南西の風であったため、風の当る側、降臨跡に入ることにする。
 と、降臨跡に入ってみれば、驚くほどに閑散としていた。
 雨の予報のせいか、単に到着時間が遅かっただけなのかはわからないが、とにかく修羅の降臨はまったく望めない状況だった。
 水門工事は依然、続いている。ファック!
 小規模ながら慌しく泳ぐベートの群れが見られ、流れもはっきりと感じられていたので、惰性にならないキャストが可能だった。
 岸寄りのカバー周りや、流芯周りでは反応は得られず、対岸のフラットめがけて遠投している時に魚の感触があった。
 魚にぶつかっただけなのか、バイトしてきたものなのかまでは判別できない。触れたものは何でも掛けてしまう嬴氏フックシステムを用いていれば“釣れた”ことにはなっていたかもしれないが、いかに釣りたくともそんなものは望んでいない。
 17時の鐘が鳴る。
 焦点が絞れないまま続けるのは不可能だということで、現在のところ打つべき所とその理由がはっきりとわかる堰下狛江側に向かう。

 思った以上に冷え込みが厳しく、はからずも用便のため乞食浴場に寄ることになった。
 もしここで追放者に出くわしたら面白かろう。どんな見え透いた言い訳をするのか楽しみだ、と思っていたが、さすがに面白いことが望み通りに起こるはずもなく…。
 ポイントに向かいながら対岸を眺める。
 こちらも土曜日とは思えぬ釣り人の少なさだ。
 白い帽子と白いマスクを掛けているように見える釣り人が居る。もうひとつの伝説か。残念ながら、地形の構成上接近して確認しに行くことが出来ない。キャメラを持ち歩いてはいるが、望遠機能が貧弱だ。諦めるしゃない。
 公孫戍より、夏侯章と韓流に居るとの連絡が入っていて、併せて水が死んでいるとの内容も添えられていた。
 いかに主君のおぼえめでたくありたくとも、環境を味方につけてこその釣果を身上とする朕には無理だということで、たとえ不忠の臣と謗りを受けることになったとしても、ここに居座ることにする。
 矢野口から宇奈根に至る区間の中で、ここが最もベートの密度が高く、変化が集中し、かつ、実績もある場所だけに集中力が保てる、と続けてみたものの、盛んになる様子が見られないまま夜を迎えてしまった。
 バイトらしきものを目視できることもあったが、針掛かりすることはなく、魚種も不明だった。
 散らし鈎なら釣れていたのだろうか…。
 朕は釣果を諦め、もしかしたら降りて来られていたかもしれないもうひとつの伝説式で「ハイッ、今日も釣れませんでした!以上」と、先輩史官に報告し、撤退した。

 帰宅後、韓流ポイントで終えた公孫戍よりメール着信あり
 ペケニシモだが2匹のスモールマウスをキャッチ出来たとのこと。
 「ああ、そのサイズかあ」と、イイ匂いな唾で応じてはみたものの、自分は釣れなかったことが悔しくてならず、結局「でもよお、公孫さんは新川では釣ったことないよな。大したことねえなあ…オォーイ!」と、伝説三輪氏のように泣きキレてしまう朕であった。

 ※マー語

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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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