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修羅の刻

 5月5日。

 朕の連休最終日。
 今日も新川で鍛えた本気を示さんと修羅な意気込みで多摩川へ向かう。

 まずは流芯周りに居る釣り易い魚を求めて中野島堰下合流点に入る。
 合流点ではスモールマウスが浅場にベートを追い込む様子を度々見ることが出来たが、ルアーに反応してくる魚は居なかった。
 マルタが引っ掛かる。
 勿論、釣果からは除外である。釣り人の中にはえげつないほどルアーに散らし鈎を付けて、触れた魚体は何でも掛けて、寄せてしまえば釣果としてカウントしてしまうような者もあったが、朕はそこまで恥知らずではない。
  次第に釣り人以外の人種が増えてきて居心地が悪くなってきたことと、鉄板バイブをロストしてしまったことにより、一度貧乏長屋に戻り、補給して仕切り直しすることにした。

 改めて釣り場に向かう。
 韓流ポイントは一帯に餌釣り師がずらりと並び、ルアーをキャストできる余地が無かった。
 どうしたものかと考えていたところ、公孫戍と夏侯章がオペラ座下に入ったとの連絡あり。
 堰下に対岸から見てもわかるほどカッコ悪いキャスト探しに行こうとも考えていたが、何はともあれ主君に昨日の釣果を報告せねば、とオペラ座下に向かう。

 オペラ座周辺は物凄い人出である。
 窟を壊されカバーを失った追放者は今何処に身を潜めているのだろう。気にはなったが捕まると面倒臭いので打ち遣る。
 公孫戍を発見し、雉語で到着を報せる。
 とりあえず空いているところ、と来たはいいがこの一帯には釣れる要素がまったく見当たらず、バルサ50の動きを見て楽しむに止め、跨ぐのは手間であるが降臨跡に行ってみることにする。
 新窟には場末姫と全作。
 メーデンは津久井湖通いに忙しく、猫肉骨粉どころではないだろうから、今や二人の天下だ。
 棲家を壊され、座も奪われてしまった歯抜乞食がこの先どんな行動に出るのかが楽しみだ。
 野天の宴席から「オォーイ!」とぶち切れる声がする。
 伝説三輪氏のものではないことは明らかだが、休日の登戸は何かと愉快なものである。

 降臨跡。
 李俊、張横、下野さんといった釣り廃人の他に何人かの釣り人は居たが、韓流ほどの密度は無く、釣り座に余裕があった。
 南風がシャローフラットに向かい、流れもしっかりある。
 今日はここで良かったのかもしれないなどと話していると、李俊が「今日おっちゃんが来てましたよ」と言う。
 降臨三年五月の奇蹟。
 二年半ぶりの降臨を見逃してしまうとは、と朕が悔やんでいると、張横が「ここへ来るのは五年ぶりだと言ってましたよ」と言った。
 どうやら常人と伝説人では時間の概念に大きな隔たりがあるのかもしれない。
 滞在は短く、象徴ともいうべき三輪車を見ることは無かったそうだが、伝説は死なず、ということが証明されただけでも十分とすべきだろう。
 あとは潜在的伝説ファンが、この歴史的瞬間を見ることが出来ていたことを願うばかりである。
 元号を改めるかどうかについては慎重にしたい。
 何故なら、この土地には二つの伝説が存在し、特にここ二年の間はもうひとつの伝説が健闘していることを朕自身確認しているためだ。
 今日三輪氏が降臨したからといってすぐさま改元してしまっては、片方を重んじ片方を軽んじる依怙贔屓になってしまう。
 官職に就くなら、その行いは公正にして厳粛たれ、と幼少のころより父から言い含められていた朕は、漆園の史官として大いに悩むのだった。
 と、公孫戍が白人一家が通りかかった時、スモールマウスをヒットさせる。
 白いガキたちは大はしゃぎである。
 手元まで寄せ、40行ってるか無いかなどと言い合っているうちにフックアウト。
 「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!
 もうひとつの伝説式でキレてみたところで、アナザー氏の功績が大であることを再認識し、改元を保留とした。
 魚はちゃんと回ってくるのだから、と気を取り直しキャスト再開。
 そんな時、自転車に乗った鄒衍すうえんが現れる。
 駐輪場を借り、周辺流域を縦横しているという話は聞いていたが、本人曰く、足を手に入れてからはあちこちをふらつくようになり、かえって釣れなくなってしまったとのこと。
 その後、ヤマモトイカを流していた公孫戍がバイトを捉える。
 今回は鄒衍のランディングネットのサポートを得て無事キャッチ。
 ボトムだけではなく、ドッグXでもバイトを得ていた公孫戍だったが、こちらはアタったとかバレたとか、そんな話に終わってしまう。
 このような事態を防ぐためにもえげつないほどに散らし鈎を追加すべきなのか、それではスイムバランスが崩れてバイトすら出なくなってしまうのではないか。
 いや、それが違うのよ、触れたものは何でも引っ掛けてしまうから泳ぎなんか関係ないでしょ…どうだ!?
 そんな不遜な態度をとる前に、少しでも、何故魚がルアーで釣れるのかについて学問的な見地から考えてみるべきではなかったか。いやいや、頭が悪いだけならまだしも、性格まで悪いところへ説諭などナンセンスではないのか。
 と、朕と公孫戍がおしゃべりしてないで釣りしなよ状態になっていると、夏侯章が30台半ばのスモールマウスをキャッチしていた。
 日没を迎える頃にはナマズの可能性もありかと続けていたが、誰も反応を得られなかったことにより、鄒衍に別れを告げ、韓流ポイントに移動することにした。

 韓流ポイントは日中、一帯を埋め尽くすほどの餌釣り師が居た。
 こぼれた餌に小魚や蝦が寄せられ、それらのベートに寄せられてスモールマウスやナマズが来ていないだろうか、とやってみたが、何ら反応を得られることなく20時を迎える。
 そして朕が、今日降臨して来られた修羅に倣って「おめえらは一軍、オレは二軍、そういう考えやめねえか。オレたちそもそもそういう付き合いだったか?」と泣いたところで解散とした。

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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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