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奇貨亡失

 2月6日。

 冷たい雨が止むのを待っていた。
 今日は休日であり、朕は釣り廃人である。
 昨晩仕込んだ実験ネタ、オリジナルカラーに仕上げたチキモンキーやジャバスティックを試してみたかったので、休もうとは露ほどにも思わなかった。
 昨日は自前タックルを用意出来ず、大いにストレスを溜めていた公孫戍も、雨が上がり次第出発するとのこと。

 雨が止んだような気配。
 ここまで長い時間、冷たい雨が降り続いたのだから良い状況であろうはずがない。
 「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!
 吠えるのも結構だが、“もしかしたら”に相当するものを見出してからにしておきたいものである。根拠もなく、ただ威を振りかざしたいだけだったから修羅は当時の少年たちに見限られたのだ。
 彼どころか己をも知らな過ぎたために起こってしまった喜劇の数々を懐しみながら韓流ポイントへ向かう。

 既に手マンには公孫戍が入っていた。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 伝説の礼で到着を知らせる。
 粉塵混じりの水ではあったが、濁りは弱め。
 朕はこの一帯のバスの活性を上げてやろうと相羽リグ用の蝦をばら撒いてやった。
 扇島ではメジャーな釣法だと聞く蝦撒き釣法。生きた蝦を、海に比べれば遥かに狭い水域で撒くのだから当然有効だろうと思ったが、今日は環境が良くなかったのか、何の効果も得られず、無駄に蝦を消費するだけになってしまった。

 まったく手応えの無いまま時間が経過してゆく。
 流れははっきりと感じられるが、カバーに硬質な感触が無く、馬の背には小魚の波紋が見えることはあっても、バスの存在を匂わせるものは見られない。
 一方、手マンとケーポップ間をランガン(?)する公孫戍はナマズをばらしたとのこと。
 ただ実績ポイントにルアーを投げて、釣れた、バレたをやっている釣り師ではない。経緯を聞いてにわかに朕も意気が上がったが、結局何事も起こらぬまま日没を迎える。
 蝦採りをしようにも、浅い水深に蝦はほとんど居らずという具合で、完全に負の環境に敗れてしまった。

 どんなにやられたとしても、我々には修羅の遺産がある。
 そもそも今日は釣れるかの実験に来たのだから上手とか下手とかは関係ない。だからこそ「釣れなくても関係ありまっしぇ~ん」なのである。
 泣いた心、毎釣必敗に等しい現実とは裏腹に、自らを常に高く置こうとした修羅
 こんなにも面白いものがただ伝説として語られるだけになってしまったのは残念至極としかいいようがない。
 いつかまた伝説を…そんな思いも込めて「お疲れえ!」と、伝説三輪式を決めての解散とするのだった。


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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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