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三輪風塵

 11月3日。

 相羽リグ封印。
 蝦はよく釣れるから封印なんてダサいことを言うつもりはなく、小悪党の狼藉を怖れての封印である。
 小悪党の来訪を警戒せずともよい平日になれば相羽リグは再開される。

 この日は快楽を得るための一手間を怠らず、一流企業の社員証を偽造してから登戸に向かった。
 実は下働きだろうと、冷遇されていようと、肩書きは人前に出る上で重要なのかもしれない。

 降臨跡。
 師匠、李俊、セニョール、張横といった釣り廃人のほか、二、三名の釣り人。
 二輪車は停まっていたが、改造三輪車は見当たらない。
 今や登戸は名物無く、ただ釣りをするだけの場になってしまった。釣り場なのだから当たり前のことなのだろうが、簡単にはいかない都会の川である。プレミアという慰めぐらいはあったっていい。

 足元にナイスサイズのスモールマウスだけでなく、フッコクラスのシーバスまで見えていたが、ベイトの群れは小規模かつ散り気味。
 流れはあるものの、掻き回せば消えない泡が生じる水質。
 釣れそうもないなとぼやきながらも「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえじゃよお!」と、伝説三輪泣きのキャストを繰り返す。

 「ちんたらちんたら、お前らやる気あるのか!やる気がねえなら帰れ!」
 後ろのサッカー場からぶち切れる男の声が聞こえてくる。
 これだからスポーツマンシップってやつは嫌いだ。
 朕は怒鳴られた連中が全員帰ってくれることを心から願った。

 たまにボイルが起こることはあったが単発。
 魚が居るのは明らかでありながら手も足も出ない。
 師匠が諦めて撤退する。
 「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え
 朕は誰よりも根性が無かった半端者の言葉で送り出してやった。

 公孫戍より1匹釣れたとの報が入ってくる。
 しかし、韓流一帯は釣り人が多く、釣りのしづらい状況であるという。
 だからといって降臨跡で粘ったところで好転は無さそうだ。
 釣果を望めないのなら、せめて主君に挨拶をして忠誠心を示しておくべきだろう。
 また、主君にお目通りできなければ、一手間かけて仕込んできた偽装社員証も無駄になってしまう。
 移動しようとしているところに再びボイル発生し出したが、こんなの相手にしてられない、ということで移動。

 韓流ポイント。
 手マンポイントに三名のルアーマン、ケーポップには複数名の餌釣り師、その奥に夏侯章と公孫戍が居た。
 朕は主君の下へ進み出て、偽造社員証を見せた。
 キャノンを見せた時ほどのインパクトは無かったようだが、主君を笑わすことが出来たので一手間の労は報われたのだった。
 ここでは公孫戍がペケニシモのスモールマウスを1匹追加。

 夕刻に入り冷え込んでくる。
 日没後のあまりの反応の無さを訝しんで水面を照らしてみれば、日中はクリア気味だった水が白濁りに変わっていた。
 ハイプレッシャーだけでなく、自然環境まで敵に回ってしまってはお手上げである。
 完全にやっつけられたという感覚に打ちひしがれていた一同ではあったが、根性の無い様を晒しながらも“オレは負けてねえ”アピールだけは立派だった修羅の心意気に倣い「お疲れえ!」を勇ましく決めての解散とした。

 帰宅後、蝦夷地からの便りが届く。
 関東は岡山と変わらないようだが、関東と北海道は確実に違っている。
 一度は訪ねていきたいものだが、荘周先生同様貧しい朕には無理なことである。

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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : ルアーフィッシング 多摩川

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天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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