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午後、アフガニスタン首都に遊ぶ

 10月14日。

 修羅、すなわち主宰者不在の続く登戸へ。
 日曜日であるため、微かながら可能性はある。
 登戸名物の三輪車を見ることはできるのか。
 度重なる台風で追放者はどうなったのか。

 窟前に着いてみたところ、登戸は休日ならではの賑わい。
 三輪車は見えず、追放者も不在。
 ベイトとなる釣り人が希薄なため、三輪氏が見えないのは納得できるが、天敵が居ないというのに追放者の姿が無いというのはどういうことなのか。
 また何か余計なことをやらかして遂に窟にも居られなくなったか、度重なる増水で流されたか。どのみちいずれ、必死の“自分は乞食じゃない”アピールに遭遇することもあるだろう。
 水門工事はまだ終わっていない。
 公共工事…金が落ちてくる者以外にはただの迷惑行為である。

 降臨跡入り。
 降臨跡にも修羅の姿はなく、ベイトとなる釣り人も少なかった。
 登戸名物は諦めるべき状況だが、釣り廃人の公孫戍と師匠の姿があった。
 しばらく漆園の話題に興じていたところ、通りすがりの老夫婦が我々のタックルを凝視しているのに気付く。
 こちらが何事かと問いかけても返事がなく、ただ困惑の表情を浮かべている。
 おしやつんぼの類かとこちらも困惑していたところ、さっと美熟女が現れ「父は釣りが好きで、日本ではどんな釣りをしているのか見てみたいというので来たんです」と言った。
 この日本語堪能な美熟女の登場によって一気に場が盛り上がるが、公孫戍は彼女の左手に光る指輪を見逃してはいなかった。
 場が暖まったとはいえ、釣り場環境は釣人に対して厳しく、小魚やコイの姿は見ることはあってもルアーへの反応は無い。
 師匠がいるうちに主君を連れてこなければ、ということで公孫戍は降臨跡を離れ、ほどなくして美熟女親子も去っていった。
 朕は別れを惜しんで「再見」と言った。
 朕も師匠もキャストの手を休め、オイカワが面白いように釣れ、増水があっても魚の避難所となる逆ワンドのあった、工事が入る前の多摩川や、同時代に跋扈していた伝説人を懐かしんで過ごした。

 そろそろ師匠が帰ろうかという頃、我らが主君の夏侯章が公孫戍を従えて現れる。
 朕は公孫戍にこれまで何も無かったことを報告し、夏侯章に挨拶をしようとしたところ、夏侯章は既にハナクソをほじくりながら師匠と話し込んでいた。
 登戸を訪れる釣り廃人たちは皆師匠をこの道の先輩として親のように敬うが、夏侯章だけはまるで同級生のように接する。
 一見、年長者に対して無礼な所業のように見えるが、師匠は何の抵抗も感じていない。これは夏侯章が、才に欠けたところが無く、心の奥底に徳を湛えた人であるからに他ならない。

 師匠が撤退し、夕刻近付く頃、李俊が現れ、次いでセニョールもやって来る。
 釣り廃人が粗方揃い、巻いてみたり、わざとスタックさせてからのリアクションを狙ってみたりはしてはいたものの、李俊がフナをスレ掛かりさせるのみで、特に何事もないまま17時になる。
 セニョールが撤退。
 「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え」と、礼儀正しく送り出す。
 更に一段暗くなる頃、李俊も帰るというのでそれに合わせて残ったメンバーは韓流ポイントへ移動することにした。
 「おっちゃん今頃どうしてるんですかねえ」と李俊。
 朕は、オジンにはわからない新しい愛の形に出資する逸話のことを教えてやった。

 韓流ポイント。
 朕は手マンポイントに、公孫戍と夏侯章はケーポップに散り、それぞれ探りを入れていたが、案の定というべきか、誰も手応えを感じることは出来ずにいた。
 朕はやがて飽きてきて、ケーポップの人工岩盤に蝦を探してみたが、蝦を発見することは出来なかった。
 濁りが抜けるまでどうにもならないだろう、と釣り廃人たちの間で囁かれていたものだが、この様子を見て確信に至り、朕はキャストすることさえもやめてしまった。
 公孫戍は「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、伝説三輪泣きを決めていたが、やはりどうにもならずタイムアウト。
 誰かの釣果を僻むこともできず、ただのまぐれを鬼の首級を獲ったかのごとく誇ることも出来ず。
 出来ることといえばただ泣くだけなのか、というところだが修羅はこんな言葉も遺してくれた。
 「釣れなくても関係ありまっしぇ~ん
 最後に我々は、負けは誰の目にも明らかでありながら、本人だけは負けていないつもりでいる伝説人の心意気に倣い、無駄に勇ましい「お疲れえ!」を決めて解散とした。
 
 

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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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