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懐かしの駒井町サティアン

 7月16日。

 釣れるには釣れたが、いささか物足りない気分で終わった昨晩のこと、降臨跡上流に入っていた侯嬴こうえいより釣果の報が届いていた。
 ナマズは失敗に終わったとのことだったが、侯嬴は40クラスのスモールマウスを、そして朱亥はまたしても50超えのスモールマウスをキャッチしていたのだった。
 コイでかろうじてボーズを免れたという程度の朕は、顔を紅潮させ、怒りの涙目で「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、伝説三輪式で哭いた。

 かくして迎えた当日。
 日中は暑さで無駄に消耗するだけだろうから、ということで夕刻に出発。
 登戸を中心に据え、この界隈で最も強い流れが通っているのではないかと思われる堰下足マンキー場対岸に向かう。
 二十数年前に住んでいた駒井町も微妙に景色が変わってきているが、しょぼくて味気ない街という印象は昔と変わっていない。
 Theピーズの“確かに未来が昔にはあった”そんな歌詞が思い出される。

 入路を見つけるのに苦労した末、足マンキー場対岸到着。
 一帯を歩いてみたところアユは多く、岸際は平板のようなフラットになっておりブレークもはっきりしていた。しかし、それぞれの要素が独立して存在しているかのようで、違うもの同士がぶつかったり、融合したりといった打つべき変化を発見できず。
 強い流れの存在は重要で、そういった場所を攻め抜くための備えをしてきてはいたが、ここはどうやら違うようだ。
 再び土手に戻るのは面倒ではあるが、釣れないと印象付いてしまった場所で集中力を発揮することはできない。
 移動である。

 もうひとつの降臨跡対岸。
 今日もゾッド将軍の姿は見えない。
 結局、あまりにも釣れないので来なくなってしまったのだろうか。
 実力以上に自己評価が高いのが伝説人共通の特徴である。
 「オレはよお、フィールド立ってルアーキャストしてるだけで満足なんだよ」「釣れなくても関係ありまっしぇ~ん」「ミノー投げてるだけで楽しい」といった達観したような台詞を吐きながらも、釣れなかったことで受けていた痛手は凡人の比ではないぐらい激しいものであったに違いない。
 またしても伝説はおあずけか、と肩を落としそうになっていた時、対岸から大声が聴こえてくる。聞いてみれば同じ曲を猿のように繰り返し歌っていることが判明。
 聞くに堪えない下手くそが定期的にがなる「ナニノー」「ウーアーメー」「ウメロー」という意味不明の言語…耳にこびりついてしまった。
 対岸に見えていたフライマンが、極端に少ないキャスト数の後早々に竿をたたんでしまったのは、笑いを堪えるのに必死で釣りどころではなくなってしまったからであろう。
 魚の反応も極端に少なく、コイ、ニゴイ、ナマズの姿を見ることはあっても追いを見ることは稀で、ルアーを通せば逃げていく航跡を見ることの方が多かった。
 危険信号を学習してしまった、ということは一帯に出入りしている個体は同じものなのかもしれない。
 気付けば20時を過ぎている。
 このままここで続けても新しい展開は無さそうだ、とうわけで納竿である。
 相変わらず「ナニノー」「ウーアーメー」「ウメロー」は鳴り止まない。
 多摩川には伝説という珍獣、汚ねえ唾を飛ばして囀る雉だけではなく、音痴猿という種族も存在する。

 帰宅したところ、公孫戍が9匹のスモールマウスをキャッチしたとの報が入ってくる。
 「ああ、そのサイズかあ」と、汚ねえ唾を吐きかけてやりたいところではあったが、音痴猿の下手くそすぎる歌がこびりついて気持ち悪くなっていた朕は返信も出来ず床に臥してしまった。



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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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