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ポアとフォース

 4月1日。

 先日、中野島で11匹という好調ぶりを見せていた公孫戍。
 更に昨日は登戸で3匹キャッチ。
 同日、侯嬴こうえいは降臨跡上流域で2匹のスモールマウスをキャッチしていたのだった。
 いずれもルアーでの釣果。
 このところ相羽リグでしか釣れていない朕は「釣れなくても関係ありましぇ~ん」と、伝説三輪氏のように内心泣きながらも、お道化て興味の無い風を装った。

 迎えた当日。
 日曜日の登戸は正男組、正恩組、未満人、フォロワーサン、こそこそ、ひそひそ、小走りくん、一般の釣り人、釣り廃人で賑わっていることだろう。
 水門工事によって釣りのできる範囲が狭まることにより、ベイトの密度が高まり、一層捕食のし易い環境になっているにもかかわらず、新川節は未だに聴こえてこない。
 登戸名物が見られないのであれば、ただ釣りがし難いというストレスだけが溜まる釣り場となってしまうのではないか。
 そうはいっても釣り廃人としてワークを怠るわけにもいかない。多摩川に遊ぶ者にとっては下手なコメディアンなど比べ物にならぬくらい面白い伝説人のことはしばし忘れ、昼寝をして十分体を養ってから登戸に向かった。

 登戸入りしたところ、久しぶりに場末のソープオペラが上演中。
 窟の前で堂々と演じられている。
 数を恃んでの窟占拠。
 追放者が感じているプレッシャーは、かつてのベイトである釣り廃人が与えているものよりはるかに強烈であろう。
 周囲を見渡しても追放者の気配は感じられないが、ここが見える位置に身を潜めているのは間違いない。
 伝説諸氏ほどの面白味には及ばないが、猫肉骨粉問題の面白さも侮れない。

 釣りを始める前から小さな喜びを得て降臨跡に入ってみれば、公孫戍と夏侯章。先ほどまでセニョールと李俊も居て、李俊が2匹、夏侯章がウルティモペケニシモを2匹釣ったという。
 朕は公孫戍に、童威がちっとも蝦を補充してくれないと愚痴をこぼしたところ、今いい匂いがしているのは中野島エリアだという。
 なるほど、オペラ座にメーデンが居なかったのも納得である。
 魚は釣れているし、ネタも豊富。
 たとえ自らがネタにされてしまったところで、それとて面白さの要素。共に仲間と楽しめばいいだけのこと。何の不都合があろうか。
 キャストが格好悪いからとか、その語られるキャリアから想像もつかぬほどヘボいということが発覚しようと、大の大人がいじけてしまうほどのことでもあるまい。
 釣れなくても関係なかったり、9センチミノー投げてるだけで楽しかったりしたはずだ。
 伝説人の降臨は、こそこそ、ひそひそを明るく照らしてくれることだろう。かくして、響き渡る新川節は川辺の民の心を豊かに潤してくれるに違いない。
 現れることはなくとも語られるレジェンドたちは、今でもこの地の主宰者といってもいいのではないだろうか。
 伝説の恵みに感謝して已まずにいたところ、公孫戍がバイトを捉える。
 「ああ、そのサイズかあ」と、唾を吐くに相応しいサイズ。

 日没となり、蝦採りも兼ね、主従は韓流ポイントに移動。
 堰下、対岸にやたらと消防車が見える。
 釣り人だけでなく様々な人種が集う週末は何かと騒がしいことよ。
 またぞろ人死にでも出たか、と、わくわくしていたところ、ケーポップの岩場から大きな水音。
 何事かと見てみれば、肌色の河童。
 妖怪、悪魔の類など、地上最強のカラテがあれば恐るに足りないということはチャック・ノリスが教えてくれたのでむやみに恐れることもない。
 妖怪何するものぞ、と身構えていたが、近づいてきたのは全裸の男だった。
 げっ、気違いだ…。
 妖怪は怖くはないが、関わると後々面倒な人間は恐ろしい。
 朕はそそくさと逃げを打ち、蝦採りに集中することにした。
 幸い、朕が蝦採りしている間に消防隊員やらブロンズが気違いを連れ去り、韓流ポイントに平和が戻った。
 夏侯章は全裸サイコに「何してるんですか?」と問われ、「釣りしてんの」と答えたという。
 朕と公孫戍は、主君の何事も動じぬ静謐なる心のありように、至人のなんたるかを見た気がしていた。
 更に、朕が蝦採りに、公孫戍がケーポップで釣りに興じている間に、手マンで40クラスと30半ばのバスを釣ったとか。
 いつでもハナクソをほじって見せながら、聖人とは小人の及ばぬ境地に遊び、しかも為さずして得るべきものを得ている。
 至人とはかくも広大無辺のものなのか…朕は改めて我が主君に敬服した。

 夜も更けてきたので釣りを止め、僕たちは今恋をしているコンビニへ。
 新日のバスが走って行くのは見えたが、疾駆するゾッド将軍は今日も見られなかった。
 伝説人は見られず、魚も釣れなかった朕は半ベソになりながら、釣果を得た公孫戍と夏侯章に「おめえらは一軍、オレは二軍。そういう考えやめねえか。オレたちそもそもそういう付き合いだったか」と、伝説三輪式に咬みついての解散となった。

 駐輪所に戻ってみれば、窟に人影。
 やはり、見える位置からオペラ座を窺っていたのだろう。



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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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