降臨二年相羽リグ研究会

 2月21日。
 
 ウエイストランドのガンフィーバーは、グリーンプレイスを目指す者たちやマックス・ロカタンスキーにとって、とんだ災難だった。しかし、多摩川春のガンフィーバーは釣り廃人たちにこの上ない快楽をもたらした。
 よもや都心から程近い、労せず通えるフィールドでバスフィッシングの絶頂を味わえるとは思ってもみなかったことだ。
 思うように釣れないからといって、釣りという低レベルな競争から逃亡しなくて良かった、と心底思えた日となった。
 二年前に起こったお祭り騒ぎのような40クラスのスモールマウス連釣の記憶は今も鮮烈で、あの興奮を再び…この時期になると抑え難いほどに湧き起こってくる。
 あの日のような状況であれば、かの伝説三輪氏でさえも難なく釣れていたのではないか。それともこちらの話を理解できず、或いはむやみに反発し場違いなことをして、結局いつも通りのノーフィッシュになっていたのだろうか。
 過去を思っても詮無きこと、と多摩川に向かう。

 既にナマズさんは韓流ポイントに入っていて、今日は蚯蚓の人も来てるよという。
 噂の蚯蚓釣り師である。
 
 現地入りしてみると、ナマズさんと蔡沢、そしてもう一人、何度か見たことのある釣り人の姿。この人が蚯蚓氏だった。
 蚯蚓氏はこのブログの読者でもあって、蝦をどう使っているのか興味を示していた。
 相羽リグ投入。
 しかし、いくら相羽リグが釣れるといっても、ただ投げて抛っておいて釣れるというほど万能ではない。魚がいるところを予想することが求められ、なおかつ投擲可能範囲でなければどうにもならないということも明かした。
 この時手マンポイントにバスの寄りは悪く、どうにか一匹キャッチできたという程度。
 岸側に流れが無く、風も無いとなれば魚は寄らない。相羽リグをしても釣れないのはこのためであろう。
 手マンポイントの状況が冴えないと見るや、蔡沢は躊躇せず上流側の様子を見に行くと言って移動。

 やがて、風が水面を波立たせるようになってきた。
 ブレークラインを平行に引いてくることは出来なかったが、一端でワンダーにバイトが出る。
 来たか、と思いきやブレークラインの上流側に仕掛けを投入していた蚯蚓氏がバスをヒットさせていた。
 群れが入ってきたのかと期待したが、またしても沈黙に入る。

 対岸に張良が現れ、上流側に行っていた蔡沢が戻ってくる。
 上流側は浮いた油がひどかったという。水門工事と無関係というわけではないだろう。
 やや陽が傾き、バスがいよいよ寄って来るのではないかと思われたので、ここで朕とナマズさんは相羽リグを投入してみたが、反応は得られず徒に蝦を失うのみ。
 対岸の張良がバスをばらしているのが見えた。
 尋ねてみれば、表層を引いてきたところバイトが出たとのこと。
 蝦を使うタイミングが少し早かったのだ。既に蝦を消費しきってしまったことが悔やまれる。
 するとナマズさんが効率的な蝦採り仕掛けの作り方を教授してくれた。
 ここで、蔡沢も交え、蝦捕獲と釣りの効率について論じ合ううちに、第一目的が蝦の捕獲なのか、バスを釣ることなのかという問答に陥り、結局手間を掛けて捕獲装置を組んで獲れた蝦の選定だの装置の手入れだのとやるよりは、原始的でも身軽な状態で、欲しい蝦だけを網で捕まえる現在の方法で十分なのではないか、という結論に至る。
 相羽リグはそこに居るバスを釣るには非常に優れたメソッドではあるけれども、下準備が何かと面倒なのが泣き所である。

 夕刻に入り、ナマズさんが撤退。
 程なくして、スポットを押さえている蚯蚓氏が連釣となる。
 朕の引いていたワンダーにもストライクしてくるが、抜き上げるべきか網で掬うべきか微妙なサイズ。どちらにするか決め兼ねているうちにばらしてしまった。
 やがてルアーも蚯蚓も反応が途絶え、蚯蚓氏は撤退。張良の姿も消えていた。

 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 突如、伝説式の礼。
 声の主は公孫戍こうそんじゅだった。
 公孫戍は先ほどまで降臨跡に居たとのことで、スモールマウス二匹とナマズ一匹をキャッチできたとのこと。
 しかし公孫戍のキャメラは、がらくた携帯電話であるため写真を収められなかったようだ。
 そこで朕は待ってましたとばかりに「みんな公孫さんは上手い上手いって言うけどよお、あの人本当に上手えかあ?」と、伝説三輪式で僻んでやった。

 手マンポイントでの反応が途絶えて久しい。
 陽は完全に落ち、蝦採りに適した光量にはなったが、波は更に強くなり、目で見て捕らえるという原始的な捕獲方法には厳しい状況となっている。
 ここは「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と泣いてでも釣りを続けるしゃない。
 蔡沢が帰宅の準備を始めていた。
 「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え」と、伝説式の礼で見送る。
 
 蔡沢が撤退した後もキャストは続けられる。
 蚯蚓氏が連釣を決めたポイントは必ずやバスが通る場所である。
 タイミングまでは見極められないが、あそこを通って馬の背のシャローに入ってくるのだ。地形、流れといった魚を寄せる要素、これまでの実績から確信に近いものを得ている。
 週末には朝から晩まで張り付く一団もあるほどの好ポイントだ。
 公孫戍がボトム寄りを攻めていたので、朕は表層を引き続けた。
 そして、バスが反応を示したのは水面だった。
 マニックのレンジで出てくるのならということで、公孫戍はプロップ付きのジグヘッドにスピナーベートトレーラーを付けて引いてみたところ、バイトは出たものの「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」な結果に。
 というよりもこの手のメソッドに反応があるのならステルスペッパーで良くないか?というわけでステルスペッパーを引いてみたところ、こちらも「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」な結果に止まった。
 20時も近付いていたので、あと数投で止めよう、と朕はそれほど身を入れていなかったライトリグを投入。
 すぐにバイトがあり、合わせてみればスペルペケニシモ。
 「ああ、そのサイズかあ」と、唾を吐きかけられること必至のサイズに思わず苦笑。
 寒さが身に沁みてきたこともあり、ここで納竿となった。

 ※マー語












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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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