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子祀、子輿、子犂、子来

 2月11日。

 昨日はいつの間にか温かくなっていた。
 土曜日とも重なっていたので、登戸伝説の地には釣り廃人、バギーズベイト、と多くの釣り人が来ていたとのこと。そんな日に公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょうはそれぞれ三匹のスモールマウスをキャッチできたとの報が入る。
 残念ながら、昨日は携帯電話を持ち忘れたために写真は撮れなかったというので、朕は「みんなおめえらは上手い上手いって言うけどよお、おめえら本当に上手えかあ?」と、伝説式で僻んだ。

 迎えた当日。
 この日も、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気に苛まれていたが、公孫戍、夏侯章、侯嬴こうえい、ナマズさんらが来ると言っていたし、過ごし易い天候の日曜日なので修羅が捕食をしに現れる可能性が無い訳ではないという期待が肉体的な辛さを上回り、帰宅後飯も食わずに多摩川へ向かった。

 登戸入り。
 南側から吹く風に降臨跡を選択。
 降臨跡には公孫戍、侯嬴、夏侯章といった釣り廃人以外にも沢山のバギーズベイト、若しくはビリーバーが来ていた。
 「どうですか?」
 「今来たばっか」
 我が主君の夏侯章は、先日ラージマウスの40アップを釣った余韻のためか、出ずる卮言も無尽蔵といった様子。
 「ラージ釣れたから、これだけで今年一杯はシコれるな」
 調子に乗りまくっている。
 「あのバスに匹敵する魚を釣って、やつのおしゃべりを黙らせてやろう」
 夏侯章の得たラージマウスの衝撃は、釣り廃人たちの廃人化に一層の拍車を掛ける効果をもたらした…否、これこそが聖人の為す不言の教えなのかもしれない。

 今日は二年前に起こったガンフィーバーが起こるやも知れぬと期待していたが、見た目にも感触的にもそれは無さそうだった。
 温かい南からの強風、前日の雨がもたらした程よい濁り、そして大潮の後押し。
 それに比べれば今日は何もかも足りない。
 ナマズさんが韓流ポイント入りしたとの報が入る。
 韓流ポイントの様子を明るいうちに見ておきたかったが、手マンポイントにずらりと人影が並んでいるのが見えており、思うように攻められまいということで、しばらくこちらに居ると返信した。

 韓流、降臨跡ともに釣り人密度は高い。
 往年のバスバブル期を思わせる光景だが、水門工事によって釣り座が狭められたということもある。
 これほどの人出の中で釣果を得るのは難しいかもしれない。
 しかし、スモールマウスは次の動きに入りたがっているはず。
 「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、三輪泣きしてでもキャストは続けるべきだろう。
 水深のある一帯は人が居並び思うように攻められなかったが、馬の背が絡む琵琶湖ポイントは打つことが可能だった。
 琵琶湖ポイントには目に見える流れの変化があり、水深とカバーの関係で、バスが居着く要素は不足しているが、通る要素は備わっている。
 ちょうど夏侯章がこちらにやって来てイモをキャストしていたので、朕は迷うことなく上の層を意識したベイトのみをローテンションさせることが出来た。
 「居れば食いますよね」
 などとのたまいながらキャストを続ける。

 下流側でスモールマウスをキャッチしている釣り人が見えた。
 水中の実際を知ることはできないが、ようやく降臨跡にも魚がやって来たか、という感じである。
 この道筋を辿って来る魚が反応するのはトップかボトムか、とやっているうちに朕の巻くワンダーに反応が出る。
 夏侯章より「男らし~釣り」と、伝説三輪式の祝辞を賜った。
 それにしても、ポイントの規模に対して釣り人の数が尋常ではない。
 これでは突出した技巧の無い我々がキャッチできるのか疑わしい、ということで侯嬴の領地に移動することにした。

 侯嬴島。
 本流筋ではあるが、水深が浅く冬には厳しいが、今日のように水温の上昇が認められる日はチャンスがあるかもしれない。
 こちらは届く限り、打ちたい所を打てると期待を込めてキャストしてみたものの…公孫戍の引くペンシルベートを追う魚の航跡が見えたがバイトまでには至らず。上流側まで行った夏侯章と侯嬴の方は、侯嬴の引くミノーにバイトがあったのみだったという。
 やはり早過ぎたか、ということで侯嬴はここで撤退。
 韓流ポイントの人影もまばらになってきたように見えたので、残った三人は韓流ポイントを目指すことにした。

 移動の道中、窟を覗いてみると、先日で見納めになったと思っていた追放者の姿があった。
 猫肉骨粉問題はまだ終わってはいない。このしぶとさこそ、伝説三輪氏が見習うべき根性というものではなかろうか。
 
 韓流ポイント。
 まだ釣り人は残っているが、三輪氏が捕食を行うには足りない。
 手マン、ケーポップに散り、探りを入れていくが、昼間の過ごし易さが嘘のように寒い。昼間の温かさから、装甲なしで来てしまったため、朕は早々に空腹と寒さで集中力を失い、公孫戍と夏侯章に撤退を促す。
 「釣れるまで帰らん、お前も付き合え」「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え」と、伝説式に罵られはしたが、これは礼法上のお約束というもので、二人は撤退を快諾。
 韓流ポイントでの釣果を諦め、僕たちは今恋をしているコンビニで小宴を開くことにする。

 朕は本当に飢えていたので、間違いなく体に悪いコンビニ食を夕食とした。
 達成者、夏侯章の卮言は今宵も止め処なく口を衝き、いつまでも聞いていたいところであったが、明日に備えねばならないということと、朕は今すぐにでも眠りたい体調であったため、惜しみながらも解散とした。





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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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