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孰殺歯抜



 1月28日。

 先日の降雪以降、ワークを怠っていた。
 路面の凍結、マイナスの気温にあってはいかに釣り廃人だとて欠勤もやむなし、というところではあるが、伝説三輪氏に名指しで釣り廃人呼ばわりされた李立と施恩は川崎ドブでその称号に恥じぬ釣果を得ていたのだった。
 新川で鍛え変態タックルで研鑽を重ね、バスに限らず色んな魚種を狙ってきたという、根っからのバサーである釣れないベテランににくまれた者たちの行いは度を外れている。
 これでは修羅ならずとも「オレはおめえらと違ってガチじゃねえからよお」と返すしゃない。

 迎えた当日。
 表通りの雪はほとんど融けたが、裏に回れば至る所で残雪が見られる。街中でさえこの有様なのだから、多摩川に流れ込む雪代の影響が大であることは容易に想像できる。
 水の中の状況は悪そうだが、地上は比較的穏やかな天候にあり、釣り廃人たちの活動を抑え込むほどでもない。
 プレッシャーの問題から、登戸名物が降りて来ることは望めそうもないが、三輪氏の好物であるベイトアングラーは日曜日ということもあって多数訪れることだろう。

 登戸入り。
 水門工事がいよいよ河川敷の中にも拡大し、窟だけでなく歩道までも圧迫していた。
 仕方がないので、朕はユークリッド幾何学を用いて降臨跡に入った。
 降臨跡には伝説三輪氏のベイトの他、公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょう侯嬴こうえい、セニョール、張横といった釣り廃人たち。
 いかにベイトが多くても、これではプレッシャーが掛かり過ぎである。
 朕は、誰よりもガチでありながら、シュートには滅法弱い修羅に代わって「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、吠えてやった。
 尽きぬ伝説話を愉しみながらも、割と真剣にキャストを続ける一同だったが誰も反応を得られず。
 冷え続けた前日までの天候を見れば、釣れないのも当然ではあるが、釣りをすることが無上の喜びな釣り廃人は「やってみなきゃわかんねえじゃねえかよお!」と、伝説三輪氏のように泣きながらもやり続けるしかないのである。
 夕刻が近付いても何事も起こらなかったことにより、公孫戍と夏侯章はオペラ座下へ、朕は韓流ポイントに移動することにした。

 韓流ポイントには李立と下野さんが居た。
 ここでも朕は礼儀正しく「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と挨拶した。
 打ちたいところは随意に打てる状態にはあったが、上も下も反応を得られない。
 ルアーでは反応を得られないからといって、魚が居ないとは限らない。こういう時こそ相羽リグを使いたいところだが今日まで蝦を捕獲している時間を取れなかった。
 厳しくともルアーで何とかするしゃない。
 夕暮れ時となり、誰も反応を得られないまま、下野さんは移動。
 完全に陽が落ちてからは公孫戍と夏侯章がやって来る。
 これを機に、朕はルアー釣りを止め、相羽セットを持ち出し、次回分の蝦を捕獲することにする。ところが表水温が低すぎるのか、小魚は方々で水面直下に見えても、蝦はわずか一匹だけしか見えず。
 仕方が無いのでルアー釣りに戻ることにする。

 今日の寒さの厳しさは今季最大かもしれない。
 聖性が戻り、耐寒能力の高さも戻ってきた我が主君、夏侯章でさえも寒さを嘆くほどである。
 遂に誰一人反応を得ることなく20時が来る。
 芯からの冷えに僕たちは今恋をしているコンビニで寛ごうという気力も湧かず、寒さから逃れたいという一心から現地解散とする。

 魚は釣れず、蝦も居らず、伝説諸氏も拝めず、と何の喜びも得られない一日となってしまった。
 がっかりとうなだれて駐輪所に戻ってみれば、窟の耐寒扉は閉じられていた。日中は気配すら感じなかったほどだが、どこかに身を潜めていたのだろう。
 まことに巧みなものである。

 ※マー語



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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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