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口実の真実

 1月7日。

 朕の休暇も明日まで。
 明日は雨の予報が出ているところを見れば、おそらく今日が捕食を見られる最後のチャンスであろう。
 登戸の真の主宰者である伝説三輪氏を見ることが出来ぬまま休暇が終わってしまうのかと思うと残念でならない。
 三輪氏の僻み、やっかみ、心にも無い開き直りの台詞は、釣ることにガチな人々のぎすぎすさを和らげてくれる類稀な笑いのエッセンスに満ちている。
 今日は相羽リグのトレーラーが無いため、ルアーのみで釣らなければならない。釣果を得られるか大いに不安がある。
 しかし、修羅は「釣れなくても関係ありましぇ~ん」という言葉を遺してくれた。たとえ釣れなくても、オリジナルのように関係ないといいながら内心泣けば良いだけのこと。
 というわけで、修羅が降臨しているかもしれない登戸を目指した。

 登戸入り。
 人出は多く、三輪氏のベイトになりそうな釣り人が至る所に見えた。
 しかし、伝説の三輪車も三輪氏の姿も見えなかった。
 それもそのはず、オペラ座下には天敵の李立が居たのだった。
 オペラ座下には李立だけでなく蔡沢も居た。
 蔡沢に伝説式の挨拶をし、様子を尋ねたところ、李立がさっきナイスサイズを釣り上げていたという。
 そこで朕は険しい泣きっ面を作って李立に近付き「突き落としてやろうか」と凄んでやった。サイズは40センチを超えていたとのこと。
 降臨跡には公孫戍こうそんじゅが見え、いい匂いも漂うようになってくる。
 朕は最初、少しでも飛距離を稼ごうと3/16オンスシンカーのアンダーショットリグをキャストしていたが長らく反応を得られなかったことと、この一帯は韓流ポイントのような悪質な根掛りを招くカバーが無いので、普段使っているシンカーより大き目のシンカーのスプリットショットリグを組み、ルアーも魚が発見し易く、上手くすればナマズにもアピールしそうなサイズのスピードワームに替えた。
 隣に居るのが李立では、例え釣れる魚が居たとしても、先に釣られてしまう恐れがあるが、朕が気付くより数段早く変化を捉えてくれるという利点もある。
 朕は流れがあるな、ぐらいの感覚でいずれプラス何かが見つかるだろうとやっていたが、やはり李立は流れの緩急や変化を詳細に分析していた。
 そんな話をしているうちに朕のリグにアタリが出る。
 重みのある引きだったのでナマズかと思っていたが、ジャンプしたのでバスだと判明。
 なかなかの型だったので大雑把に測ってみれば45センチ前後。
 蝦を得るまで無理だと思っていたが、ルアーで釣れたことを喜んだ。
 その後、李立が偽李立に会った話をする。まるで黒旋風の李逵が李逵を騙る追剥ぎに出くわした時の話のような面白さだった。事実は小説よりも奇なりとはいうが、よもやそんな話がこんなところであろうとは。あまりにもよく出来た話なので、朕は何度も「それ、作り話だろ?」としつこかった。
 思わぬ体験談の面白さに、無反応の時も退屈せずに過ごせていた。
 そうこうしているうちに光量が落ち、ライズが目立ち始める。
 機が再び巡ってきたような気配。
 と、ここで捉えることが出来たのはやはり李立だった。
 ライズは続いているからまだチャンスはあるはず、ということでキャストを続けていたが、次が起こらぬまま完全な日没となる。
 そこで朕は相羽リグのトレーラーを採りに行くことにした。

 韓流ポイント。
 蝦、小魚はから居るが、トレーラーとして使えるベイトは極端に少ないうえ、捕らえるのに難儀する。
 李立がやって来て蝦を採らせろと言う。
 川崎スタイルの先駆者だけに、良いベイトを効率的に捕らえる術を持っているのではないかと期待したが、結局捕らえられず、ルアー釣りに戻って行った。
 朕は苦労しながら何とか五匹揃えルアー釣りに戻る。
 朕と李立は手マンで粘り、公孫戍と童威はケーポップに入った。
 李立がヤマモトイモを引いていたので、朕は流れとシャローの重なる一帯にポッパーやマニックを打って行った。
 しばらくどちらも反応を得られずにおり、今日はもう駄目かなどと言い合っていたが、やがて李立がバイトを捉えていた。
 フィーディングが始まったのならこちらにもチャンスがあるはず、と表層引きを続ける朕だったが、次にストライクを得たのはボトムを引く李立だった。
 やはりボトムか。
 朕もスプリットショットリグを組んでボトムを引くことにする。
 しかし、その後反応が出ることはなく、公孫戍がこちらに来て「終わった…」と、珍しく泣き言を漏らしていた。
 というのも、ナイスサイズの感触を得てはことごとくラインブレイクするので、訝しんでタックルを改めてみたところチップのガイドリングが割れていたのが判明したという。
 ちょうど20時になったところだったのでここで納竿とし、僕たちは今恋をしているコンビニへ行くことにする。

 恋するコンビニ前でのんびり伝説式疾駆を待ちたいところではあったが、実は公孫戍も魔女風邪に感染しており肉体的に辛いのだという。夏侯章を見舞った折に移されたようだ。
 無敵の君子を病床に招いた魔女の呪いに恐れをなした一同は、物足りなさを覚えながらも我が身大事とそれぞれの帰路に就くのだった。

 駐輪場に戻ってみれば窟の扉は閉じられていた。
 姿は見ずとも確認できる棲息。
 積み重ねてきた虚構の現実。
 雉というものはそれでも人を見れば啼かずにはいられないのだろう。

 ※マー語







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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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