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故去彼取此

 12月23日。

 土曜日と休日が重なる。
 今日は数多の、釣りという低レベルな競争から卒業できない釣り廃人たちが登戸を訪れることだろう。
 降臨が起こった年ではあったが、かつてのようにベイトを漁る名物的場面は見られぬまま降臨元年は幕を下ろしそうな気配である。
 それでも週末、休日のプレミアを期待して登戸に向かう。

 登戸入りし、不在の窟を通り過ぎ、オペラ座下を見ればセニョールと張横。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、一喝してやろうと思っていたが、先に気取られてしまった。
 しかし、状況に応じた礼法はあり、もし釣れているようなら「オレはおめえらと違ってガチじゃねえからよお」、釣れていなくても反応を得られていたなら「アタったとかバレたとかそんな話は聞きたくねーんだよ!」、釣れていないのであれば「何だ、釣れてねえのか。だらしがねえなあ」と言えば良い。
 伝説諸氏の功労により、釣り人たちの間に恒常の平和と笑いがもたらされたことに感謝せねばならないだろう。
 朕はキャロライナリグでオープンウォーターの中に突出したカバー要素を探したが見つけることが出来ず、釣り廃人たちと伝説のネタガチな釣りの話をしながら、緩やかな時時の経過を楽しんでいた。
 
 やがて、夏侯章かこうしょう、李立と現れ、いい匂いも漂うようになってくる。
 顔見知りだけではなく、多くの釣り人、土手に遊ぶ者、場末のソープオペラ、と伝説以外の全てが揃う休日。
 もはや、僻んだり、妬んだり、威を振りかざすバスタードが居ないことにリラックスしているのか、李立の釣り勘は冴え、流れの道筋を捉え早々に40アップをキャッチ。
 誰もが伝説三輪氏に代わって「突き落としてやろうか」と、称賛する。
 しばらく経って、酒盛りしている爺様がぶっ倒れ、救急車で運ばれる頃、李立がまたしてもバイトを捉えていた。
 平和そのものの登戸だが、死者の発生率は高い土地である。
 サイズは落ちたがまあまあのサイズ。
 「ツンも無え」者たちは「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と、伝説式皮肉で応じた。
 しかし、いくら妬ましいからといって「でもよお、李立さんは新川では釣ったこと無いよな。大したこと無えなあ…オォーイ!」とブチキレるのは誤りである。
 というのも、李立は修羅自慢の新川でも釣ったことがあるからだ。
 最も伝説三輪氏に憎まれたフィッシングスキルは伊達ではないのである。

 陽が落ちる頃、早番のセニョールと張横は撤退。
 「何だ、もう諦めるのか。おめえらには根性が無え
 ここは伝説式で送り出すのが礼儀だ。
 二人を送り出し、少し間を置いて「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」の声。
 李俊だった。
 更に公孫戍も現れ「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と一喝。
 この地は伝説の礼による教化が行き渡り、平和と秩序が保たれている。
 今日は李立がいい魚を見せてくれたことだし、ここで上がってらーめんはうすでの小宴に移ってもいいんじゃないですか、という話になるが、我らの主君にして漆園の劉邦こと夏侯章が「韓流行きてえ」との仰せ。
 夏侯章が暗君であれば、臣下があらゆる手を尽くし諌めにかかるものだが、夏侯章は道を把えている至人でもある。
 陰陽二気のはたらきから発せられた令には絶対服従だ。
 かくして、オペラ座下に留まるという李俊を残し、韓流ポイントへ移動。
 オペラ座では全作と場末姫の間に入り込もうとするオヤジ、という演目が開かれていた。
 棲家に戻れない追放者はきっと寒空に震えていることだろう。

 韓流ポイントでそれぞれに散り、朕は手マンポイントでペケニシモをキャッチ。
 ハードベイトでの男らし~釣りといえるのかどうかは修羅の判定を待たねばならないが、主君や童威、童威カプセルの少年たちの前で釣果を見せることができた。
 童威カプセルの数はセブンのそれより遥かに多いが、ミクラスやウィンダムのように頼もしい助っ人となる者がいるのかどうかについてはかなり怪しい。
 夏侯章、童威、カプセル人たちはケーポップに移動。
 ケーポップを打っていた公孫戍と李立が手マンに来る。
 李立は40アップを手にしているので「今日のオレの仕事は終了」と、三輪節を謳う。
 公孫戍はというと、ナマズらしきバイトを捉えたもののラインブレイクでばらしてしまったという。
 朕は「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」と、いたわった。
 いつの間にかカプセル人たちは消え、童威と夏侯章が戻ってくる。
 それぞれ一匹ずつ釣れたとのことで、夏侯章がらーめんはうすでの爆食い令を発動させた。

 かくして小宴。
 おビールなどをたしなみながら、夏侯章のてきとー節は冴えに冴えまくっていた。
 超盛りご飯を燃料とした卮言しげんは止まることを知らない。
 施恩も途中からやって来て、夏侯章の圧倒的なカリスマに打たれていたが、てきとー節の冴えは施恩も負けてはいなかった。どうやらこの二人、同じ学校の何世代も隔てた先輩後輩らしい。
 と、ちょっぴりやんちゃな施恩を肴に笑う一同だったが、童威だけは居住まいを正して無口だった。オッサンたちには愉快な小僧である施恩も、後輩にとってはおっかないお兄さんのようである。
 ささやかな忘年会も散会となり、施恩はこれから横浜ドブへアジを釣りに行くという。
 「アジ面白いよ、行きましょうよ!」と誘われるが、翌日労役の控えている朕は「オレにかまうな。上手い連中と仲良くやってくれ」と、三輪泣きで断るしかなかった。


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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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