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鹿肉の味を忘れるなよ

 12月17日。

 昨日、公孫戍こうそんじゅが登戸でバスをキャッチしていた。
 ライギョこそ手に出来なかったものの、スモールマウス、ラージマウス、ナマズ、シーと釣り、そのキャッチ率の高さから、今年最も伝説三輪氏に妬まれそうな人となった。
 昨日は、君子の夏侯章かこうしょうの他、セニョール、張横、侯嬴こうえい、童威といった伝説を知る者たち、そして小走りくんやレジェンドⅡのベイトと、大層賑やかな釣り場になっていたようだ。
 いい匂いが漂い続けた日ではあっても、このクールは全作が仕切っているようで、メーデンの登場は無かったという。
 伝説降臨は超レアなエベントになっているが、代わりに猫肉骨粉問題が現在進行形でこの地を彩っている。その色彩は決して美しいとはいえないが…。

 迎えた当日。
 冷たい北風が吹き続け、釣り廃人にとっても厳しい天候になっていた。
 外套のあちこちに使い捨て懐炉を仕込む。まるでパーフェクトガンダムのような不恰好さだが、背に腹は代えられない。
 今日はどれだけ釣り廃人が来るのだろうか。
 出発しようとしたところ公孫戍と夏侯章が韓流ポイント入りしたとの報が入る。

 登戸入りしたところ、釣り人だけでなく、人そのものが少なかった。
 窟にも人の気配が無かったが、追放者は気配を消すのが上手いので近くに居るのかもしれない。
 この辺にいる猫たちはいつも見る乞食猫たちだ。
 ふと思う。
 犬は美味かったが、猫はどうなのだろうか、と。
 朕は名誉白人ではないので、犬や鯨を食うことに抵抗を感じないのである。

 川べりに立ってみると、ケーポップポイントに夏侯章が見えた。
 臣として重要なことを伝えなければなるまい、ということで韓流ポイントに向かうことにした。
 韓流ポイントに入ってみると、公孫戍も居た。
 当然「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、伝説式のお約束だ。
 早速朕は小走りの礼で夏侯章に歩み寄り、身をこごめていう。
 「章子しょうし、お伝えしなければならないことがあります」
 夏侯章は今日もハナクソをほじりながら、虚無の岸辺に戯れている。
 「言い難いことではございますが、廓から獣肉への道筋は先日断たれてしまいました」
 夏侯章の指の動きが止まった。
 「それはまことであろうな」
 緊張感が漂い始める。
 天子の怒りというものは、うち伏す屍は百万、流れる血潮は千里を染めるという。
 朕は気圧されながらも更に続けた。
 「しかし、既に二の矢は放っておりますゆえ誓いはいずれ…。年末には公孫どのも交え、リベラで晩餐と参りましょう」
 夏侯章は再びハナクソをほじり始めた。
 公孫戍はにこやかに「なんじの弁舌で章子はこころの動きを愉しんでおられるのじゃ」といった。

 朕は韓流ポイントで機を待つことにしたが、夏侯章と公孫戍は降臨跡から順に各所の様子を見てみたいといって移動して行った。
 ケーポップで反応を得られなかったので、手マンへ移動。
 手マンポイントのシャローは流れと風の終着点。
 なから寒い日ではあるが、スモールマウスは冷水性の魚、と、風の当るシャローにスプーンやCDラパラを投げ、手元に強く伝わるストライクを求めてみた。
 しかし、スプーンはロスト。ロストを恐れて組んだスプリットショットリグさえもロストしてしまう。
 やがて下野さんが現れる。
 どうやら「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」に止まっているようだ。
 そこで、お互いに「今来たばっかりです」と嘘をついて新川で鍛えた僭称釣りウマのプライドが疵付かないように気遣った。
 再びリグを組み直し、辛抱強く探り続けていたが、一向に反応を得られない。
 陽が傾いてくる頃、下野さんが去っていくのが見えた。
 釣果を求めてガチだったため「何だ、もう諦めるのか。おめえには根性が無え」と、伝説式で送り出せなかったことが悔やまれる。
 
 風は吹き続けている。
 いずれ釣れるようになりそうな様相だが、昨日に比べ冷え込みすぎてしまったからか、日没を過ぎても反応を得られることはなかった。
 いい匂いと共に公孫戍と夏侯章がやって来る。
 「どうですか?」
 と、問われたので「オレが考え無しにやってると思うか?」と、怒りと泣きの伝説三輪式で答え、「で、おめえさんたちはどううなんだよ?」と、これまた伝説三輪式で訊ねた。
  「あ、ぼくたち今来たばっかりです」との返答。
 このように、伝説人や未満人の足跡があるので、伝説の地では釣果を得られずとも退屈することが無い。
 寒さに耐えながらケーポップ、手マンでそれぞれに粘り続けていたが、あの夏侯章が寒さを口にするようになり、ガニにスティッコーを切られ泣きが入ったとのこと。
 主君が諦めムードにあることを感じ取った家来衆はこれを機に、僕たちは今恋をしているコンビニへの移動を提案。
 20時までたんまり時間は残っていたが、夏侯章はすんなり応じ、納竿となった。

 全員ノーフィッシュ。
 「メシなんて食ってられるような状況か?」と凄まなければならない場面だが、誰一人心が荒んではいなかった。何故なら、伝説式疾駆を見られるかもしれないという期待があるからだ…と、待ち続けてみたものの、今回もお預けとなってしまった。
 寒さが過ぎると人々は外出を控えるもの。伝説人とてこの例に漏れずか。疾駆が見られるのは温かい時期に限られるのかもしれない。
 とはいえ、全てが盈たされずとも、釣り廃人は足ることを知っている。
 足ることを知るの足るは全てに足るのである。
 
 ※マー語





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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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