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哭士無双

 9月24日。

 日曜日の登戸―。
 伝説三輪氏の新川節、場末のソープオペラ、恋するコンビニ前を疾駆するもうひとつの伝説といった、この土地ならではのプレミアという楽しみがある。
 所謂、お金で買えない価値というものだ。
 また、先週、侯嬴こうえいの復帰も確認されているので、今日も夕方になれば来るかもしれない。
 何かと楽しみの控えている登戸エリアだが、まずは先日、雨が降ってきたことによって途中退場してしまった宇奈根に入ってみることにする。
 運動不足の解消と、伝説人へのプレッシャー緩和のため、鉄の自転車で出発。

 宇奈根入り。
 雨の影響が残っているようで水量が多かった。
 ポイントは変わってしまったかもしれないが、釣りにならないというほどでもない。
 普段から流れの強い場所だが、今日は更に流れが強く、ベート操作が困難だった。
 このような状況下では巻いて答えを導き出したいところだが、スモールマウスのハードベイトへの反応の悪さはこれまで幾度となく思い知らされているので、始めからボトムをドリフトさせながら辛抱の釣りを続ける。
 しかし、一切の反応を得られなかったことにより、エリア違いを悟り、スピナーを一流しした後、登戸に向かうことにした。

 登戸エリアに入り、韓流ポイント一帯を見渡せば、手マンポイントに何人もの釣り人が見えたので寄ることなく降臨跡を目指す。
 降臨跡には師匠が居た。
 今日はオイカワが4匹釣れただけだという。
 「何だ、それだけか。だらしがねえなあ」「オレだってちゃんとやってるよ!」と言い合って、ちゃんとやれてなかったためにだらしがねえ結果にばかり終わっていた修羅を懐かしんだ。
 小ブナ、小ゴイが調子よく釣れていたのもわずかの期間だけだったようである。
 11月にはオペラ座に水門が通るという。

 琵琶湖ポイントに入ってみたところ、足元のテトラに30クラスのスモールマウスが見えた。
 釣れない見えバスというやつだが、いくら脅かしても同じ場所に固執しており、やり方によっては釣れるのかもしれない。しかし、朕には手出し無用の魚だ、と無視し、目には見えない流れの絡むカバーにワームを通すことに集中する。
 
 下流側から、公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょう、セニョールがやって来る。
 オペラ座下のポイントに居たとのこと。
 今日はソープオペラが開かれていなかったようだが、セニョールが釣果を得ていたという。
 これを見て、朕は「多摩川のバスはワームでボトムドリフトさせるのがパターン。つまらねえ釣りだ」と、セニョールに欲しくもないルアーを無理矢理押し付けた修羅の物真似で僻んでやった。

 徐々に琵琶湖ポイントはハイプレッシャー化してくる。
 伝説三輪氏のベイトとなりそうな釣り人の他に蔡沢さいたくもやって来た。
 開封府城内の人は、北狄や、城外の町人、西方からの渡来人などと違い、どこか垢抜けていて、さらりと事を成し遂げる器用さが備わっている。先日配布したスティッコーで既に釣果を得ていただけでなく、この日も現れてから程なくして30半ばのスモールマウスをキャッチしてみせていた。
 ここに居合わせたもの皆、怒りの涙目で「突き落としてやろうか」と称えた。
 更に、張良が仲間を伴って現れる。
 先ほどまで韓流ポイントに入っていたが、釣れなかったとのこと。張良をして釣れなかったのなら韓流ポイントに手出ししなかったのは正解だったか。
 とはいえ、降臨跡も蔡沢が釣ったのちは何事も起こらない。
 とりあえず、夕刻、侯嬴が現れるかどうかを確認するまで続けてから次を考えよう、ということで降臨跡で粘ることにする。

 日没が近付く。
 侯嬴が現れることはなく、セニョールと蔡沢はここで撤退。
 朕と公孫戍は、この流れなら悶死もやむなし、と腹を括っていたが、夏侯章がどうしても韓流ケーポップポイントの様子を見てみたいという。
 夏侯章は登戸に現れる釣り人の中で、最も道に近いところに処る人物なので、その発言は尊重するべきである。
 「Don't think feel」
 という訳で、朕と公孫戍は君子の意向に従うことにした。

 韓流ポイント。
 流れはあるが弱い。
 少しでも流れの強い筋を、と探しているうちに朕は飽きてきて油を売り始めていた。
 そんな、気の抜けた朕を尻目に、公孫戍が流れの筋を捉え、キャッチに至る。
 更に、このポイントへの移動を主張した夏侯章も続いた。
 かくして、混沌氏の術の真髄を見たところで時間一杯となる。
 ノーフィッシュに終わった朕が、「釣れなくても関係ありましぇ~ん」と、偽りの剛毅さで締め括り、僕たちは今恋をしているコンビニへ行くことにした。

 恋するコンビニで、『バットマンVSスーパーマン』が千円天で売られていた。
 光文社マーベル、小学館マーベルとアメリカンコミックを愛好してきた朕は大いに興をそそられ、既に見たという公孫戍がコミック版『バットマン・ダークナイトリターンズ』が好きならありかも、と言うので購入。
 話題はアメコミ、映画の話となり、途中、夏侯章が理解不能の意を表し「話についていけぬ寡人わたしは馬鹿なのであろうか」と呟いた。
 朕は慌てていう。
 「そのようなことはけっしてございません。章子しょうしは至聖至明なまことの君子であらせられます。理解不能は我々の言葉に誠意が足りていなかったがゆえにございましょう」
 すると夏侯章は得意げに「誠意大将軍」といった。
 朕はすかさず「者ども!今すぐこやつを玉座から引きずりおろせ!」と四方に命じた。
 かくして夏侯章は王族から庶民になってしまったのだった。 
 と、恋するコンビニでの小宴を楽しむ一同であったが、この日も伝説式疾駆は見られず、一抹の寂しさを覚えての解散となるのだった。

 ※マー語


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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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