FC2ブログ

衆人皆望

 9月10日。

 「自分、根っからのバサーなもんで
 トラウト釣堀に来た釣り人相手に、場違いなタックルセッティングを見せ、謎のアピールをしていたレジェンドⅡを今でも思い出す。
 長州ならずとも「あにがやりたんだ、コラァ!」と言いたくもなるが、凡夫に伝説人の心理を推し量ることなど出来ない。
 とにかく今日も新川で鍛えた本気を実釣をもって示すのみである。
 この日も、公孫戍こうそんじゅらと登戸エリアで合流予定であったが、朕は自転車移動の労を厭わず、少し早く家を出て一人宇奈根へ向かった。

 ポイント入りし、一通り見て歩く。
 昨日は60以上と50少々のシーバスが見えていたが、この日見えたのは50台の一尾のみ。しかし元々釣れないと捨てている魚。
 スモールマウス狙いにはボトムをナチュラルイメージでソフトプラスチックを這わせる釣りが有効だと知りながらも、もっと効率的に協力的な魚が釣れやしないかとスピナーを引いていたところ早々にストライクを得る。
 すぐにばれてしまったが、15センチ程度の大きさで白い腹を見せた。木っ端セイゴか。
 あのサイズでもシーバスなら勝者だ、と更に巻き続けていたが、ミスキャストでルアーをブロックの間に挟めてしまい、あえなくロスト。
 小さな見えバスが出入りするスポットを記憶していたのでスティッコーのジグヘッドリグを投入してやったところすぐにストライク。
 サイズはともかく、これでノーフィッシュはもう無いという安心を得る。 
 再びシーバスが岸際のテトラ帯をうろつくようになり、スモールマウスの寄りが悪くなる。
 しからば釣ってやろうとワームを落としたり、巻いてみたり、シャッドプラグを引いてみてみたが、まるで関心が無いように悠々と去っていく様を見るのみ。
 改めてスモールマウスを意識し、目には見えない、流芯に絡むカバーを探す。
 オフセットフックの1/32オンスジグヘッドでは流されすぎるので、いささか大げさな気もしたが1/11オンスネイルシンカーをスティッコーに挿入してみたところ、確実にボトムが取れ、かつ、流れにも乗るのでこれで通してみることにする。
 一応、水面に見える流れの変化からリトリーブコースをイメージして引いてはいるが、実際どのコースを通ってきているのか、カバーがどんな形状でどんな役割を果たしているのまでわかるはずもなく、感触から想像するのみで、運任せにするつもりは無いと言いながらも、実は運頼みの部分が多いのも事実である。
 そんなリトリーブをしているうちに、やがてストライクを得る。
 30半ば程度で特に大きいというわけではないが、バスらしい風貌、お気に入りのスティッコーでの釣果ということで満足できた。
 しかし、まだ登戸でのラウンドが控えているので「今日のオレの仕事は終了!」と、伝説三輪式を決めるのは早い。
 
 韓流ポイント入り。
 既に公孫戍と夏侯章かこうしょうがポイント入りしていたので「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、伝説式で到着を報せた。
 今日の降臨跡の様子を聞く。
 相変わらず琵琶湖ポイントはハイプレッシャーで、そうではあっても登戸名物は見えなかったという。
 誰も釣れず、ただ釣り人だけが多い状況なら、例え実はヘボかったとしても鍍金が剥がれる恐れは無い。
 ましてや今は、朕が捨てているために寄り付かないポイントとなっているのだから、今日は降臨に最適だったのではないか。
 またしてもレジェンドⅡは、秋の荒食いの機会を逸していたようだ。

 昨日と違って、今日ははっきりと流れが感じられる。
 今はだめでもいずれ通る魚に当るはず。
 朕はここでもスティッコーを使っていたが、流速に合わせて、軽いスプリットショットリグで用いた。
 ここでは公孫戍がガニや超小バスの反応を得るのみで、釣るものは居らず。
 釣れないからには何かが間違っているのだ。エリア、ポイントが違っているというのが最大の不振の理由だろうが、我々に大きくエリア移動するだけの気力は無い。
 そこへふらりと蔡沢さいたくが現れる。
 常にさり気なく、控えめな雰囲気を漂わせているが、印象とは裏腹に、実は活動的な技巧派である。
 今日は上流側から流してきたが、まだ釣れていないという。
 
 何の反応も得られず、飽きてきた朕は手マンポイントの様子を見に行くことにする。
 手マンポイントに入ろうとしたところ、ちょうど下野さんが移動しようとしているところだった。
 何事も無かったので、これから降臨跡の様子を見に行くという。
 手マンポイントは、小ブナのライズ、スペルペケニシモのラージマウスが見えていたが、ここでも流れは生きていてもスモールマウスの気配は無い。
 あの小ブナの群れは大型の魚食魚を寄せる力となっていないのか。スモールマウスはともかく、大ナマズが食うにはちょうどよいサイズのスクールではないのか。
 公孫戍、蔡沢もこちらにやって来た。
 夏侯章は一人向こうで粘っているとのこと。
 混沌氏の術を修める夏侯章だが、デジタルキャメラは持っているので、単独の状態で釣果を得ていたとしても安心である。
 陽も傾いてきて、依然反応を得られない朕と公孫戍は釣りの手も休みがちになり、古今の興亡と得失について論じ合ったり、伝説、及び未満の人物評をしたりと「おしゃべりしてないで釣りしなよ!」状態にあったが、少し離れた場所で黙々とキャストを続けていた蔡沢が魚を掛けていた。
 こちらへ来た時はアンダーショットリグを組んでいたので、ボトムレンジでのヒットかと思っていたが、口に掛かっていたのはドッグXだった。
 ドッグXとはまた何と伝説マニア泣かせの選択だろう。
 水面のライズが気になったのでトップにしてみたら出たとのこと。
 「これで多摩川で“二回連続ボーズなし!”ですよ」
 と、伝説式を用い、こちらでも巧者ぶりを示す蔡沢だった。
 朕は蔡沢が義に厚いことに感じ入り、「おめえらこの前までドッグX全否定だったじゃねえか!」と、レジェンドギレでその功を祝福した。
 場所はまったくの間違いではなく、攻めるレンジに問題があったのか。
 「釣れてるやつの真似しねえと見えるものも見えて来ねえぞ
 言った本人はおろそかにしていた名言にある通り、朕と公孫戍もボトムの釣りから表層の釣りに転換した。
 駄菓子菓子…。
 その後は誰も反応を得られることは無く、遠方より来ている蔡沢は一足先に撤退した。

 一人、奥で粘っていた夏侯章がやって来る。
 天から王権を授かっているかのような君子の発言に期待し、SDカードを受け取ろうと構える朕だったが「魚居ねえ」との仰せ。
 長らく結果が出ないことに疲れ、朕と公孫戍は撤退を提案したが、夏侯章は20時までまだ30分も残っている、と聞かず。
 いつも我々は20時を機に納竿としているが、特に定めたルールではない、と諌大夫二人掛りで説得に努める。
 なかなか首を縦に振らない夏侯章に対し、
 「僕たちは今恋をしているコンビニでの滞在時間が長くなれば長くなるほど、伝説式疾駆を拝める確率が上がるのですぞ」
 と説いたところ、ようやく撤退案を受け入れてくれたのだった。

 恋するコンビニでのアフターフィッシングの時。
 尽きぬ話題と共に、もうひとつの伝説降臨を待つ。
 特に、釣果を得られなかった日など、肚の底から笑えることがあると無いとでは、その後の心身の状態が大きく違ってくる。
 しかし、今日ももうひとつの降臨は起こらぬまま時間一杯になってしまった。
 残念なことではあるが、もし思い描くままに事が運んでいたならば、こんな人生は送っておらぬだろうよ、ということで潔く解散とした。





 
スポンサーサイト



テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
QRコード
QRコード