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追い風透かし

 9月9日。

 土曜日の降臨跡は釣り以外の楽しみが期待できる。
 しかし「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と、最もガチだった修羅に言わしめた朕である。
 降臨跡での楽しみは後に回し、昨日の李立の実績と理論を自分なりに再現しようと「自分、根っからのバサーなもんで」とばかりに、真っ先に宇奈根を目指した。

 土手伝いの移動は、目の穢れになるものがいくつも入り込んでくるので気分の良いものではないが、目的のためには我慢するしかない。
 宇奈根入りし、昨晩は出来なかった水中の観察から。昨晩は、スモールマウス狙いに於けるハードベートの無力さを思い知らされたものだが、アトラクター寄りのベイトで流して行きながら感触を捉えようとするのは習性のようなものであり、この日はリッジ50Sで目ぼしい変化に探りを入れてみた。
 追ってくるのはアユの群れや、超小型のスモールマウスというのがほとんどだったが、一度だけニゴイらしき魚影がチェイスするのが見えた。
 流しているうちに、20~30クラスのスモールマウスが必ず寄るスポットを発見。
 では早速狙ってみようと、予め1/32オンスジグヘッドに付けていたスティッコーを落としたところ呆気なく食ってきた。
 バラしてしまったが反応は良好。
 違う個体が定期的に現われては消えてゆくという動きが繰り返されている。
 アクションエアテールの根こリグ、ネイルインスティッコー、ジグヘッドワッキーのフィネスワーム、いずれも反応はしてくるが見に来るのみ…と、繰り返しているうちにプレッシャーがかかり過ぎてしまったのか、スモールマウスだけでなく、同じように徘徊していたコイ、フナも寄らなくなってしまった。
 ポイントを休ませればまた魚はやって来るだろうと眺め続けていると60センチを超える魚影が見える。
 シーバスだ。
 川に住まう魚たちのシーバスを恐れる様は、これまでに何度か見てきた。
 こういう状態のシーバスは釣れないと承知しつつも偶然釣れたら僥倖だ、とスティッコーを落としてみたが、悠々と去っていった。
 これとは別に50台のシーバスも見えたので、一応流芯にレンジバイブを通してみたが反応を得ることは無かった。

 再びスモールマウスが現れるようになる。
 ここまで考える時間は十分に取れた。
 上、中を泳ぐハードベイトには無関心でも、落ちてくるソフトベイトには軒並み関心を示す。
 スモールマウスたちにやる気はあり、バイトしてきたルアーと見るだけに終わってしまったルアーの違いを比べてみると、カラーが決定打になっているのではないか、という結論に至る。
 再びスモークベースのスティッコーを落としてみたところ、呆気なく食ってきた。
 水と光の具合によって違ってくる有効なカラー。改めてルアーフィッシングの基本を見つめ直す機会となった。
 ここは休めて、次は昨晩李立が調子よく釣っていた流芯ブロックを、と思ったが、既に仕掛けが投入されていた。
 ならば別のポイントを、と探しているうちに70を超えるナマズを発見。
 いかにも休憩中といった様子だが、目の前でベートが動けば食うだろう、とスティッコーを落とす。
 一度目は上手くベートを運べず、二度目で視界に収まる所に落とすことが出来た。
 反応を示さないのら誘いを入れてやろう、とベイトを揺さぶってみたところ、間を置いてから流芯へ逃げていってしまった。

 ナマズは逃げられてしまったが、バスを釣りに来たのだと気を取り直していたところ、公孫戍こうそんじゅよりメール着信あり。
 オペラ座下に入り、ベントミノーでナマズを、ヤマモトイカでバスをキャッチ出来たとのこと。

 17時が近付く頃、ボイルを見る。
 対岸の落ち込みが作る潮目のような変化が見える筋だ。
 バジング気味に速引きしたところ、バイトが出る。
 この一匹だけではないように見て取れたので、同じ筋に沈めてドリフトさせてみたところストライクを得る、が、寄せて来る途中に沈みテトラでラインブレイクさせてしまった。
 傷付けても殺さぬようにと、ワームフックも返しを潰しているが、こういうへまで取りこぼすのは直前ばらしよりも悔しいものだ。
 17時の鐘が鳴る。狙いのポイントは空きそうもないので、韓流ポイントに向かうことにする。

 韓流ポイント入り。
 釣果を支配する流れの存在を求めてキャストしてみたが、微かにあるか無いかという程度。
 流されながらボトムを叩いていく感触を得られるぐらいの水勢が理想的だが、それを感じられることは無かった。

 公孫戍と夏侯章かこうしょうがやって来て、今日の降臨跡の様子が語られる。
 琵琶湖ポイントの盛況ぶり、新川で鍛えた本気を実釣をもって示そうとしていた公孫戍や、張横に対し、だべくってばかりでほとんど釣りをしていなかった師匠と夏侯章、と休日らしい降臨跡の様子が浮かんでくる。
 そして、登戸名物は今日も見られなかったという。朕が居なければ、修羅修羅でいられるだろうに、またしてもせっかくの機を不意にしてしまったのか…。
 我々は、ベイトを荒食いする機会を逃してしまった伝説三輪氏を悲しんだ。
 だが、この先、伝説アナザー氏を拝める可能性も残っているのだから、そう悲しむことも無いだろう。
 あれこれのことどもを語らいながら、状況の好転を待つが、流れは一向に生まれない。
 20時まで、と粘ってみたが、公孫戍がガニとスペルペケニシモの反応を得ただけで終了の時を迎えてしまった。

 週末恒例の、僕たちは今恋をしているコンビニでのアフターフィッシングの一時。
 登戸エリアでは何事も無かった朕だが、ノーフィッシュは回避できている。
 公孫戍はスモールマウスとナマズと、多摩川で狙うべき二種をコンプリートし、満足の体。
 先週、先々週と、ナマ師を差し置いてナマズをキャッチし、今日はンションの高かった夏侯章だが、その勢いが止まってしまった。だからといって、泣いて噛み付くこともなく、普段通りハナクソをほじくっていた。
 そもそも、自分だけ釣れなかったといって、大の大人が不機嫌になって他人に当たり散らすということ自体異常なのだが、今は降臨の時代である。
 夏侯章は「オレが考えなしにやってると思うか?」と、ハナクソをほじりながらも凄んでみせた。

 傲慢な無礼者でありながら、度量の大きさがすべての欠点を打ち消すほどに魅力的な人物。
 夏侯章と、高祖劉邦の共通点は多い。
 もし、朕に韓信、張良といった能臣たちのような才があったなら天下人にしてやれるのに…と、朕は酒精の勢いもあって、悔しい胸の裡を吐露した。

 殺気の薄れた席であったが、この日、伝説式疾駆は起こらなかった。
 今日は土曜日。今日が駄目でも明日があるさ、と、がっかりすることも無く、この日は解散となった。

 ※マー語
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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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