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逸れの星

 9月3日。

 あらゆる対象魚を見失い、新川で鍛えた本気を実釣もって示すことができずにいる現在。
 こんなことが続いたために、修羅を自称した伝説三輪氏はいじけてしまったのだ。
 
 橋の上から川を見下ろせば、シャローフラットとドロップオフの境界付近を40センチはありそうなスモールマウスが単独で泳いでいるのが見えた。
 最近釣られたのか、頭部には白カビらしきものができている。
 落ち込み側をアユボールが通ってもまるで関心を示さない。アユボールに寄って行くのはコイだけだった。
 アユに関心を示さないのは病のためなのか、アユがメーンベートでないからなのかはわからないが、とにかくバスは居て、濁りでよく見えなかった水中も今日はよく見えている。
 降臨跡にはエサ釣り師数名の他、琵琶湖ポイントにバサーらしき釣り人が一人。
 三輪氏の姿が見えないのはほとんどの釣り人がエサ釣り師だからか。
 否、ヘラ台まで用意してエサ釣りに臨んだほどである。それに、エサ釣り師相手のほうがルアーフィッシングでの武勇伝、はったりが利かせ易いだろうからむしろ好適な状況といえるのではないか。
 いつだって多摩川には伝説への追い風が吹いている。

 降臨跡入り。
 オペラ座に追放者発見。
 ソープオペラは休演確定か。
 釣り人以外にも人は多い。
 自転車、バイクも人出相応の数であったが、登戸名物の三輪車は無かった。
 どうやら今日は釣りに集中し、その後の恋するコンビにに期待するという展開になりそうだ。
 バギー、ソープオペラを諦め川岸に向かってみれば師匠の姿。
 この一週間、腰が痛くて来れなかったというので、朕は「おめえには根性が無え」と、伝説式でいたわった。
 朕は公孫戍こうそんじゅからの連絡を待ちつつ、のんびりとリグを組んだり、師匠とダベくったりしていた。
 エサのほうはフナ、コイがぽつぽつという感じで釣れていたが、ルアーのほうはまったく反応を得られずにいた。

 公孫戍より連絡が入る。
 混沌廟に夏侯章かこうしょうを迎えに行き、一度は多摩川に来たものの、そこで夏侯章がロッドを忘れてきたことに気付き、ロッドを取りに再び廟に戻る羽目になり、夏侯章はひどく不機嫌になり、その咎を公孫戍が背負わされたと不満を漏らす。
 君主の過ちの後始末をするのは臣の務めではあるが、今回は公孫戍に咎なしと見た朕は、我が君をお諌めしなければ、と師匠に暇乞いをし、韓流ポイントに向かった。

 韓流ポイントには規制線が張られ、カルホーン先輩を始め多くの釣り人が居り、この一帯にも休日らしい賑わいがあった。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 公孫戍と夏侯章にお定まりの挨拶をしたのち、朕は夏侯章に跪いて臣を責めることの損益について説き、今後は君子として孝慈に努めるようにさせた。
 「ではそうするであろう」
 と、夏侯章。
 何が起ころうとハナクソをほじくって応対する夏侯章だが、下の者の言葉にはよく耳を傾けるという美点もある。

 規制線の向こうからセニョールと李俊がやってくる。
 先ほどまで五本松に行っており、それぞれニゴイをキャッチしたというので写真を見せていただく。
 特に気になったのはセニョールが使っていたベイトである。
 ラパラの新製品、ストップラップという。今日はストップラップが釣れるかの実験であったもいう。
 セニョール的には実験は失敗だったようだが、バス以外の魚食魚が釣れるのは優れたルアーの証であると朕は思っている。

 ここから降臨跡を眺めれば琵琶湖ポイントには信じられないほどルアー釣り師が居並んでいた。あれではラインクロスも頻発することだろう。こちらに移動してきたのは正解だった。
 公孫戍と夏侯章は主に上流側を、朕は手マンポイントをと、それぞれに粘り続けていたが反応を得られることなく時間だけが経過していく。
 そこへ津久井湖帰りの童威が現れる。
 これによって“いい匂い”を嗅ぎ付けた物の怪が現れることを我々は怖れた。

 手マンポイントでは何事も起こらず、そろそろ撤収し伝説式疾駆に備えようと話し合っていた頃、一人上流側に残っていた夏侯章がやって来る。
 「何だ、釣れなかったのか。だらしがねえなあ」と朕が言ったところ、「ナマズ釣れた」と返ってくる。
 朕は君子に対し、気安く伝説三輪式を用いたことを伏して詫びた。
 幸いこの日は夏侯章もキャメラを持ってきており、データを受け取ることができた。
 サワヅラ・バレットでの釣果である。
 夏侯章ただ一人だけ釣果を得たことが妬ましくてならない一同。
 朕はこの中で最も伝説三輪式に精通しているスキルを活かし「…夏侯さんは新川では釣ったことないよな。大したことねえなあ…オォーイ!」と、釣れなかった者を代表してブチキレてみせた。

 20時になったので、僕たちは今恋をしているコンビニへ移動。
 伝説疾駆を渇望する童威の殺気が不安要素だが、時間は十分にある。
 釣果を得られなかった者も、伝説を見ることができれば今日という一日が救われる。
 生エーテルの働きを、フォースを、グルの偉大なる愛を信じて待つこと一時間…結局、伝説式疾駆は起こること無く解散の時を迎えてしまった。


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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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