FC2ブログ

レジェンド見

 8月20日。

 昨日はハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない疲労にやられ、多摩川降臨跡での会盟に参加できず、オレにかまうな、上手い連中と仲良くやってくれと三輪泣きしてしまった。
 もうひとつの伝説史官、公孫戍こうそんじゅによれば、師匠、セニョール、張横、夏侯章かこうしょうが来ており、セニョールが凱旋帰国をボイル打ちスモールマウスで飾り、後に起こった暴風雨によって発生した濁りと増水にンションの上がった夏侯章が集中力を保ち続け、8の字引きのスティッコーでスモールマウスをキャッチしたとのこと。
 この華やかな会盟に、かつての覇者の姿は無かったとも聞く。

 かくして、十分に養って臨んだこの日。
 雨と増水、大潮という条件に濁りも加われば、明るいうちからシーバスなんてことも、と期待し、堰下川崎側から入ってみることにした。
 橋の上から川を見下ろせば、やや濁った水が勢いよく流れているのがわかる。
 この流域が、増水の流れに入っているのか、減水の流れに入っているのかは、実際に岸際に立ってみなければわからない。
 川に沿って下っていけば、今日もソープオペラは開かれておらず、登戸名物の三輪車も見えなかった。まだ昼の十二時頃なので、あとでまたチェックすればよろしかろう、と通過。

 堰下一帯を歩いてみれば、川崎側はただ勢いよく流れが抜けていくのみで、目立った変化を見出せず、結局、一投もせずシーバスを諦めた。
 堰が開放されて発生する強い流れは、流域の魚に生存場所の危機を意識させることだろう。ならば、登戸エリアの水の終着点となる韓流ポイントに魚が集まっているのではないか、ということで韓流ポイントに移動する。

 韓流ポイントには跳ねる小魚や浮きゴミを漁る巨ゴイの姿が見える。
 流下ゴミは厄介だが、ボトムのカバー周りでバスが待ち伏せているかもしれない。スプリットショットリグやテキサスリグで、記憶しているカバーを通そうとしていたが、流下ゴミのラインへの干渉著しく、ストレスを感じる。
 他のベイトではまともに引いて来られないからとの選択だったが、最適と思われたやり方でさえも上手くいかないため、集中力が続かない。
 堰が開放されているのに水位が変わっていないということは、減水の流れではなく、下流側に魚が集まっているわけでもないのか、と疑念が生じてきたのを機に、上流側の降臨跡、及び侯嬴こうえい島の様子を見に行くことにする。

 降臨跡に向かうと、姿こそ見えなかったがオペラ座楽屋に追放者の気配。
 駐輪場、橋の下には名物の三輪車は見えず。
 キング・オブ・ヒルを目指した僭称釣りウマのプライドが打ち砕かれた舞台とあってはやはり来づらいのか。
 これで、休日の登戸を彩る余興の可能性は全て絶たれてしまった。
 今日も釣りに集中するしゃ無えのか…と、川辺に下りれば師匠の姿。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 と、師匠が見たがっている人の物真似で挨拶した。
 小物釣りの調子は良くなさそうだが、とりあえず、という感じで釣れていた。
 かつてはオイカワがカみちょうに釣れていたポイントだが、今はまったく安定していない。
 この一帯の流れは勢いこそあるものの一本調子で、朕には打つべき変化を見出せない。
 侯嬴島に渡るべきか迷いながら師匠とダベくっているところに下野さん登場。
 「何だらけちゃってんの?」と言ってきたので、朕は待ってましたとばかりに「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と、伝説三輪式で笑いを取った。
 下野さんが丁寧にカバーを打って行った後に、ビッグベート使いが探りを入れてゆく。
 どうなることやら、と眺めていると下野さんがファイトしているのが見えたので、朕はキャメラを持って駆けつけた。
 カバー周りを丹念に打っていってやっと出た一匹という感じ。
 どうやらテトラ帯は適した場所で無いように思われたので、朕は侯嬴島に渡ることにした。

 島に渡ってみると昨日の増水の名残が至る所に見られた。
 普段は足場になっている所にも水が残っており、水位も高め、緩い流れの入って来るワンドも勢い良く流れる水路状態になっていた。
 流れの中、岸際にベイトが濃いのが見られたので、ジャークベートやリップレスクランクで流してみた。しかし、反応を得られることは無く、韓流ポイントに入っているという公孫戍よりメールが入る。
 公孫戍は40アップを含む二匹のスモールマウスをキャッチし、夏侯章は40アップを一匹キャッチしたという。
 この水位は上流側に有利に思われたが、やはり堰開放によって生まれる強い流れは、魚に減水を感じさせるのだ。それを裏付けるように、上流側では中、大型の魚影をまったく見なかった。
 朕は集中力を保てず捨てたポイントだが、ポイントとしては下流側が正解だったようだ。

 再びの韓流ポイント。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!
 伝説式の礼ののち、状況を尋ねる。
 すべて岸寄りにある、捉え難い、流れの当るカバー周りでのヒットであり、スティッコーでの釣果だという。
 「釣れてるやつの真似しねえと見えるものも見えてこねえぞ」と、言った本人がおろそかにしていた名言がある通り、朕は釣れてるやつの真似をするため、再びスプリットショットリグを組み、ボトムの釣りに備えた。
 目ぼしいポイントは他に無いかと探しているうちに、メーデンを濡らす男、童威が現れる。
 どうやら「童威くんはいい匂い」らしい。
 朕は若い男に優しくないので、童威を特別扱いすることはないが、同じく伝説の舞台に生きる者として知っておくべきアナザー式キャスティングを伝授してやった。
 童威の撤退後、本格的に探りを入れ始める。
 流下ゴミは先に入った時より少なくなっていたが、それでも強い流れの中でバスが通ると予測されるカバーにベートをコンタクトさせるのは至難だった。
 この一帯で根掛りを避けつつ、カバーコンタクトを行うにはライトリグの使用しか考えられないのだが、この釣り方で集中力を保つのは苦手な朕である。
 しかも、釣果を得るのは公孫戍と夏侯章ばかり。
 公孫戍はスティッコーだけでなく、ジャッカル・センコーもどきや、そのワーム、大事に使ったほうがいいタイニーブラッシュホッグを使い分け、40アップ含むナイスサイズばかり五匹のスモールマウスとシーバスまでキャッチし、今年の達成者の一人に名を列ねることとなったのだった。
 また、今日は一度も引っくり返ることなく、ハナクソもほじらず集中力を発揮していた君子の夏侯章は、40アップ含むナイスサイズばかり三匹のスモールマウスをキャッチ。
 すべてスティッコーのスプリットショットリグによるものであった。
 体を十分に養い、新川で鍛えた本気を実釣をもって君子に示す!と意気込んでいた朕だったが、いちばん最初に気力が萎え、ノーフィッシュに終わってしまった。

 釣りを終え、僕たちは今恋をしているコンビニへ。
 おビール片手に、今日の目出度い釣果を喜ぶ。
 プランチャ受けの達人が今日を祝うかのように現れ、恋するコンビニでの楽しき小宴は続く。
 これで伝説式疾駆でも見られたら言うことなしだな、と話し合っていると、華麗なるスライドアクションで歩道に乗り上げてくる自転車があった。この自転車のオーナーは、こちらに気付いてないかのような素振りで威風堂々と、しかし脱兎のごとき速度で遠のいて行った。
 五度目の伝説式疾駆。
 喜びに沸く一同。
 朕は盛況の中、一人だけボーズという憂き目に遭ってはいたが、このような幸運に出くわすことができた喜びのおかげで、伝説三輪氏のように無様に泣きキレずに済んだ。
 また、いつになく饒舌な君子の徳が生エーテルの働きを活発にしたのだろう。今度は駐車車両が覆いとなり、何の構えもなしに現れ、驚きの表情の後、すぐに何事も無かったかのような仕草で急激に疾駆を開始する伝説アナザー氏を見ることもできたのだった。
 かつて多摩川に君臨した伝説人を現実に見られる喜びは表現し尽くせるものではない。
 登戸名物の三輪車は見られなくなって久しいが、もうひとつの伝説が現実に姿を見せてくれることに感謝せねばなるまい。

 帰宅してみると、今日は琵琶湖ガイド船に乗っていたという史進より50アップだという写真が届いていた。
 取引先との付き合いも兼ねてという、いわば接待フィッシングのようなものだとのことだが、既に数匹の50アップを釣っているというのが妬ましくてならず「そこまでして釣りてえか?」と、涙目の伝説三輪式で返信してやった。

 ※マー語
スポンサーサイト



テーマ : キャラクター
ジャンル : サブカル

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
QRコード
QRコード