子連れビッチ

 7月29日。

 君子は15時頃から降臨跡に遊ばれるとの仰せだった。それまでには釣果を得てお目通りしたいものだ。
 ということで、水位も落ち着き、再び魚食ゴイを寄せているであろう堰下狛江側に入ってみることにした。

 ポイント入りしてみると、とりあえずの釣果は得られそうな状態になっており、開始から程なくしてBフォロワーに巨ゴイがストライク。
 ボーズの恐れは無くなったと寄せてみたところフックアウト。
 見れば、フックが伸ばされていた。
 更にその後、ラトル音を殺したフェイキードッグにコイがバイト。しかし、これも寄せてグリップを突っ込もうとしたときに暴れられフックアウト。
 「ああ、やってらんねえぜって感じだぜ」と嘆くべきか「オレだってちゃんとやってるよ!」と泣きキレるべきか、それが問題だ。
 その後、一帯には入水者たちが闊歩するようになり魚の入りが悪くなったことと、15時も近付いてきたこともあり、降臨跡に移動することにする。

 降臨跡には名物の三輪車は無く、恒例のソープオペラも休演だった。
 ポイントに向かおうとしていたところ、帰宅途中の師匠に会う。
 今日はオイカワの炸裂こそ無かったが、コイの稚魚やフナが好調で二桁を達成できたという。
 今、ポイントには夏侯章かこうしょうの他に、セニョール、張横が来ており、セニョールがルアーで関東巨鯉倶楽部を達成した以外は何事も起きていなかったとのこと。
 師匠は尊敬する釣り師だが、礼の形は時代によって変わっていくもの。
 今は降臨の時代である。
 去り行く師匠には「何だ、もう帰るのか。おめえには根性が無え」と言って送り出した。

 上流側に夏侯章らを発見。
 この距離では声を出すのも恥ずかしいので、朕はアナザー式キャストを決めまくり到着を報せようとした。対岸から見てもわかるほどカッコ悪いといわれるキャスティングフォームなので、当然彼らは気付いてくれた。
 常に、誰かから誰かの得失の情報が入ってくるので実感は無いが、セニョールや張横に会うのは久しぶりである。
 張横は先日ラージマウスを釣ったとのことで、今年の達成者の一人になっており、証拠写真も見せていただく。
 達成者の条件とは、ラージマウス、シー、ライギョはサイズ不問。スモールマウスなら50センチ以上、ナマズなら80センチ以上といったところだ。

 雨が降り出す。
 たちまちのうちに勢いが増し、我々は橋の下で立ち往生となってしまった。
 この雨が止んだなら侯嬴こうえいの島は魅力的なポイントになっていることだろう。
 勢いが衰えるまで昭和世代の、とりとめなくも重厚な釣り談義に興じることにする。
 ところがいつまで経っても勢いは衰えない。
 詳細の雨雲の動きを見たところ、この雨はわずかな時の間にやり過ごせるような軽いものでないということが明らかになる。
 ずぶ濡れになりながらも無理矢理合羽を着込んで野天に繰り出し、一人だけ釣果を得ようとする朕だったが、雨が靴の中に滲みこんできて気持ち悪くなり続かず。
 結局、18時を過ぎる頃、遂に意を決して、一同は雨の中に飛び込んで行き、解散となった。

 ※マー語


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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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