僻みの虫にも三輪の魂

 7月28日。

 夕方から、のんびりと気の向いたポイントに入ろうというつもりで15時頃起きてみたところ、李立よりメール着信あり。
 今日は休日とのこと。
 今、師匠とエサ釣りをしており、朕の出方次第では一度帰宅しルアータックルを持ってくるがいかがか?という。
 そこで朕は、ならば五本松対岸の様子を見に行こうと返答した。

 待ち合わせ場所の降臨跡へ。
 李立は既に到着しており、オペラ座楽屋を覗いていた。
 メーデンの、若い男には優しい様子が見える。
 朕がここ数日の状況を説明していたところ、ここへ思わぬ人物が現れる。
 何と夏侯章かこうしょうだった。
 朕は平伏し、君子の霊妙なる挙措、佇まいを称えた。
 何故か、君子とはいかなるものかを知らず、老家でもない李立までも跪いていた。
 これこそ不言の教化が行き届いていることの証であろう。
 聖人には及ばずとも、近いところに在る人である。
 この手の弄り対しても、にこやかに、おだやかに応じ、ハナクソをほじくってみせる夏侯章こそまことに上に推戴されるべき人である、と朕は思っている。
 夏侯章は今日は釣りをせず、狛江に用を足しに行くと言って去っていった。

 君子と別れたのち、五本松対岸に入る。
 ポイント一帯を見て回った印象は、魚が少ないということ。
 おとといの雨がアユの集まる場所を変えたのは間違いない。
 しかし、地形構成は魅力的だし、アユがまったく居ないというわけでもない。
 魚の反応もあり、流芯ボトム寄りを引いていたところ巨ゴイがヒットし、バラすということがあった。
 対岸に夏侯章が見えたので“対岸からでもわかる”ほど特徴的なフォームのアナザー式キャスティングを決め、自分が居る場所を示した。
 このキャスティングで夏侯章も朕に気付き、やってくる。
 釣れたか、と問われたので、先ほどコイをバラしたと答えたところ、期待通り「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」と返ってきた。
 君子の督戦の元、是非釣果を叩き出しておきたかったが、成らず。
 明日の合流場所と時間を決めたところで夏侯章は道に帰っていった。

 ルアーに反応するコイ、ニゴイが見えることはあったが、ナマズの姿を見ることが無いまま日没を迎える。
 下流側を打っていた李立が戻ってくる。
 結果は?といえば、コイとナマズを釣ったという。
 ナマズは70オーバーも見えたが釣れたのは小さい方だったとのこと。

 ナマズが徘徊しているのは間違いないのだから、と粘り続ける朕だったがコイの追いを見るのみ。
 一方、上流側のポイントに入った李立は、かつて釣れていた頃のように魚を留める所が無くなってしまったので無理、といって戻ってくる。
 もし、李立もボーズに終わっていたなら「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と、泣きキレられていたことだろう。
 立場的に、朕が「釣れるまで帰らん。お前も付き合え」と、伝説三輪すべきだったのかもしれないが、この気配の消えた状況の元で、そこまで無様を晒せる度胸の無い朕は終了を提案し、ここで納竿とした。


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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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