登戸に銀輪瞬噭刹駆(ぎんりんしゅんきょうせっく)を見る

 7月9日。

 リベラ、吉原、ひいては土浦、琵琶湖雄琴ツアーにまで発展していた漆園の誓いは、先日、ついにむなしくなってしまった。
 そのことをまだ夏侯章かこうしょうは知らない。
 もはや朕に君子をもてなす力は無い。
 この日、夕刻近く、朕は重い足取りで多摩川に向かう。
 降臨跡を通り抜け、せせらぎ館まで走る。登戸名物降臨、ソープオペラは見られずとも、堰下に行けばもうひとつの伝説は見ることができるかもしれない、という期待も込みだ。
 プレミアへの期待はともかく、この時期、釣り易い魚を得んと欲すなら流れを追うのが正道であろう。

 流れの効いた堰下エリアに入る。
 見つけられないナマズ、釣り難いスモールマウスは諦めているので、今はアユの濃い場所周辺をうろつくコイやニゴイを見つけることに努める。
 流しながら下っていく途中に、ルアーを追うスモールマウスやセイゴを見ることはできたが、これらは15センチにも満たない超小型。感けてみたところで釣れはしないだろうと捨て置く。

 下りに下った先に、10センチ台のアユの塊を発見。その周辺をコイやニゴイがうろつくのも見える。
 度々追ったり、バイトしてきたりとあったが、キャッチできたのは一匹だけで、ニゴイの反応は得られなかった。
 70を超えるコイだったが、ファイト中に同サイズのコイが付いてきていたので、こいつも釣ってやろうとキャストを続ける。
 しかし、その後、チェイスは見られてもバイトは得られず、移動することにした。
 「ジグヘッドワッキーはやったか?1オンステキサスはやったか?」と責められそうな場面ではあったが、幸いここは伝説三輪氏の勢力圏外である。

 再び上流側へ。
 先ほど、セイゴが見えたので、先日の雨で川に入り込んできたフッコやスズキも残っていやしないかと探りを入れてみる。
 また、魚食ゴイ、ニゴイ、ナマズが来ている可能性だってある。
 ルアーのタイプを替え、リトリーブスピードを変え、と少し粘ってみたが、バイトを得られることは無かった。
 そろそろ江三子が来ている頃だろう、と韓流ポイントに向かう。

 韓流ポイントには公孫戍こうそんじゅと夏侯章が来ていた。
 朕は諸肌脱ぎにこそならなかったが、敗者の礼で夏侯章に歩み寄り、漆園の誓いを果たせなかったことを詫びた。
 「我が君、リベラの夢はむなしくなりましたが、その代わりに僕たちは今恋をしているコンビニでソフトクリームを献上させていただきたいと思います」
 代替を用意する、これはもうひとつの伝説史官、公孫戍の入れ知恵である。
 夏侯章は「どうかそこまで気を遣われませぬよう」と、おだやかにいった。
 君子の温情に甘んじて、ここはリベラドリームのことをしばし忘れ、これまでの状況について語らうことにする。
 昨日は、セニョール、李俊、張横、師匠、植野行雄が来ており、公孫戍とセニョールがスモールマウスをキャッチできたとのこと。
 また、修羅を泣かせた施恩や李立も顔見せ程度に訪れたり、ブラソス姉妹といった新キャラ、唐突に開演したソープオペラ、と大層賑やかな土曜日となっていたようだ。
 今日はといえば、公孫戍がスモールマウスとナマズらしきバイトを一回ずつバラしたのみという。
 「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!

 話の種は豊富だったが、現在の韓流ポイントは釣り的には厳しい。
 朕はこのエリアでの釣果は最初から捨てているのでハナクソをほじくっていたが、昨日今日と釣れていない夏侯章は虚仮の一念とばかりにキャストを続けていた。
 結局、韓流ポイントでは何事も起こらず、「釣れなくても関係ありましぇ~ん」と、泣いていないふりをして納竿とし、僕たちは今恋をしているコンビニで登戸史記を紡ぐことにする。

 混沌氏の術に狂いを生じさせた破綻者の与太話。
 せめてものお詫びのしるしにと、ソフトクリームを注文したところ欠品中…っかえねえ~、である。
 ここでも君子は寛容を示し、またしても朕はその度量に甘んじることとなった。
 しばし、リベラ、プランチャ受けの名手、宿河原地区の話に興じていたところ、コンビニ前の歩道を信じられないスピードで駆け抜けていく自転車があった。
 「あ、今のアナザーだった」と、公孫戍。
 ここで、朕が以前見てしまったかもしれない疑惑の人物が本物であったと知る。
 リベラドリームは破れてしまったけれども、今日は正月の伝説降臨に続く慶事があったということで、満たされた気持ちでのお開きとなったのだった。

 ※マー語



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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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