登戸芸能

 6月10日。

 名物が現れなくなって久しい週末の登戸だが、セルマ&パティとホーマー軍団のごとき登場人物たちの、華無きソープオペラは見ることができる。詳細を描けば表現から品が損なわれるので詳しくは述べないが、伝説不在の今、ちょっとした楽しみになっている。
 そんな週末の多摩川を楽しみに過ごしていると、久しぶりに流浪のハンドメイドビルダー、ヂョイ兄いから、博多での釣果写真が届く。
 作品名“切り身”での釣果。
 魚丸ごと一匹では食べづらいのなら食べ易くして提供いたしましょう、といったところか。

 かくして迎えた当日。
 現在この一帯は正解の場所ではないと承知しつつも、修羅やはぐれ者が見られやしないかと降臨跡に向かう。
 また、先日、大きく水が動いた痕跡がみられたので、終わってる場所も息を吹き返している可能性が無いともいえない。
 いずれにせよ期待は出来ないが、見るだけは見ておこうという訳である。

 現地入りしてみると、ソープオペラの舞台はまだ開いておらず、名物の三輪車も見えなかった。
 上流側を見れば、字は玄徳の夏侯章かこうしょうと、もうひとつの伝説史官である公孫戍こうそんじゅが居り、更に上流には師匠と植野行雄が居た。
 「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」
 この地に於ける正しい作法である。
 師匠はオイカワを10匹、植野行雄は4匹釣っているという。小さいスモールマウスは居るとのことだが、この水を見る限りキャストする気にならない。
 一通り感触を話し合った後、朕と夏侯章は、ベイトが多く見えていたオペラ舞台下の様子を見に行くことにした。
 水は良さそうには見えないが、岸際、沖側ともにベイトの群れが居り、周辺のカバーを丁寧に通していけばペケニシモの反応ぐらいは得られるのではないかとやってみたが、バスからの反応はまったく得られず、結局リベラの話に興じていた。
 「玄徳どの、わたくしは肉300グラムとご飯普通盛りとビールで十分です」
 と、朕がいえば
 「なんだ、それだけか。だらしがねえなあ」
 と、伝説三輪する。
 曰く、夏侯章は今でも肉はキロアップ、ご飯大盛り二杯は可能だという。
 よもやそこまでとは…。
 朕は、
 「我が君、さすがです」
 と、ひたすら敬服した。
 特殊浴場に遊び、リベラで晩餐という夢は果たして実現するのだろうか。既に運命は定まっているのに、朕はその結果を知ろうともせぬまま、今日も妄想話を弾ませるのであった。
 そして、やはりここも違う、ということで韓流ポイントへ移動することにした。

 移動途中に下野さんとすれ違う。
 最下流部でペケニシモを一匹キャッチしたとのことで、朕は「何だ、一匹だけか。だらしがねえなあ」と伝説式でその功を讃えた。

 韓流ポイントの水は、やはり上流側より良質だった。
 これは川のつくりがそうさせている。
 ペケニシモのボイルも見られた。
 しかし、堰と堰の間をひとつの水域として見るならば、こことて現在は一級の場所ではない。
 やがて、公孫戍、夏侯章の他、セニョール、張横もやってくる。
 張横は先日、デスアダー6インチで流芯を打ち、47センチのスモールマウスを釣ったという。
 ソフトベートでの釣果でも6インチというサイズ、スラップショット使用で“男らし~釣り”ではないか、とのことだが安易に判定はできない。これもまた、次回、伝説審議委員会に俎上されるべき問題である。

 陽が落ち始め、ベートの浮いてくる様は盛んに見られたが、ごくたまにペケニシモのボイルがあるのみ。
 セニョールと張横が帰るというので「何だ、諦めるのか。おめえらには根性が無え」と、伝説式で礼儀正しく見送る。
 次第に北風強く、波立つようになってきたのでスプーンやスプリットショットリグといった繊細な攻めから、CDラパラやトップウォータープラグでの釣りに切り替え、投げ倒すことにした。
 しかし、結果むなしく。
 終了の時刻を迎え、それぞれの感触を聞いてみたところ、公孫戍はナマズの反応を二回得たがいずれもバラしてしまったという。
 勿論、「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」である。
 夏侯章といえば、今日は心に純白定まらず、迷走のままの終了。リベラのことが気になり欲に心が乱されてしまったのだ。
 これは、少私寡欲を上とする混沌氏の術を妨害してしまった朕の咎だということは明白である。ならば、その贖いもまたリベラで為されるべきであろう。
 釣れなかったことにより皆泣いていたのだが、ヘボいから釣れなかったという事実をことさらごまかすために「釣れなくても関係ありましぇ~ん」と、伝説式でおどけての解散とした。
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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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