君子のまなざし

 6月3日。

 先日、知り合いに統一教会かなんかの映画のチケットをくれると言われたが、朕は断った。宗教団体が作った映画だからというわけではない。
 朕が映画に求める、バイオレンス、アクション、クンフー、メカ、ゾンビ、バンパイア、フォースといった要素が何一つ入っていないためだ。
 元タレントの姉ちゃんが、V8を転がし、エルカンターレの聖なる力を秘めたクンフーで、悪のエイリアン操るゾンビ軍団やアメリカ軍と、お色気を振りまきながら戦い、憐れな信者を救済する、というような内容だったら喜んでチケットを受け取っただろう。

 先日、雨後の増水に期待し、五本松フェラガモ水路に行ってみたところ、水路に流れは入ってきておらず、一帯はドブ臭と流下ゴミに覆われていた。
 コイの盛んな動き、アユが集まる様は見えていたが十投程度で撤収した。
 帰宅後、PEラインに染み付いたドブ臭が抜けず、まだ使えるラインを破棄しなければならないという「ああ、やられポンキッキだぜ」な日となってしまった。
 そんな、マーな気分でめ息ロカビリーな時を過ごしていたところ、またまた西湖でライブベイトフィッシングに興じていた李立より釣果自慢が送られてきていた。
 朕は半開きの涙目になりながら「そこまでして釣りてえか」と、レジェンドした。

 かくして迎えた土曜日。
 奇蹟の降臨から早くも半年が過ぎた。
 今なお“釣りという低レベルな競走”に没頭する人は後を絶たない。迷える彼らは、久しく伝説の再来を待っている。
 今のところ再降臨の望み薄な三輪氏に対し、ほぼ同時代に君臨していたもうひとつの伝説はどうか。こちらの降臨についてはここ最近、急激に現実味を帯びてきている。
 途絶えたかに思われた伝説の風だが、決して止むことは無いのだと知る。

 伝説の舞台、多摩川へ。
 一昨日の雨で降臨跡の水も良くなっていることが考えられたが、あそこからでは堰下の様子は窺えないので、上下を一通り見渡せる韓流ポイントに入ることにした。
 小さなアユの群れが行き交い、風はこちらのシャローに向かって吹いている。
 小型のバスはこの一帯をうろついており、ボイルも見られ、釣堀スプーンへの反応は良好。しかし、バイトはあってもフッキングにまで至らず「オレだってちゃんとやってるよ!」と、三輪泣きが入る。

 陽が傾く頃、公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょうがやってくる。
 公孫戍はステルスペッパーとBスイムトリガーでストライクを得たが、それぞれバラしてしまったとのこと。
 勿論、朕は「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」と、アナザー式でキレてやった。
 風は一層強まり、ナイスサイズが数匹岸際でボイルする様も見られるようになった。表層を引く朕のベイトに何度かチェイスしてきたがいずれもバイトにまでは至らず、様子を見ていた公孫戍に「見えたとか追ってきたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」とキレられてしまう。

 植野行雄、下野さんといった面子も現れるようになった日没間際。
 風は寒さを感じるほどまでになっている。
 ベイトの動く様は相変わらず見られ、かなり暗くなるまでボイルがあった。
 しかし、横の動きに反応するバスの姿は見られても、ストライクさせることができないまま、完全に陽が沈む。

 上流側に行っていた夏侯章がやって来る。
 スモールマウスが一匹釣れたという。
 写真は?といえば、キャメラを持ってきてないので無いという。
 そこで朕は「みんな夏侯さんは上手い上手いっていうけどよお、おめえ本当に上手えかあ?」と僻んでやった。
 そして納竿の時間。
 朕と公孫戍は、ただ一人二週連続の釣果を得た夏侯章に対し、「でもよお、夏侯さんは新川では釣ったことないよな。大したことねえなあ…オイ!」と泣きキレ、見るべきものを見据えられていた君子の功を謗り、釣れなかった悔しさを誤魔化した。

 帰宅後、津久井湖に行っていたという童威より、50オーバー含む7匹の釣果を得た(笑)、という報告あり。
 快挙ともいうべき事態だが、朕は“(笑)”といった表現のほか、マスコミがにわかに使いだした言葉や、一部ネット世界で使われている気色悪い表現を会話文に用いることを嫌悪している。
 本当に嫌でしょうがなかったので、レジェンド式で返信することを忘れてしまうほどであった。

 ※マー語


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ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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