チャレンジャーきたれ

 5月27日。

 いつか再び、と思いながら長らくやっていない、西湖ライブベートフィッシング。
 李立が先日行ってきたようで、ナイスサイズばかりのライブベイト釣果を送ってきた。
 これまで正解はやり尽くしてきたという伝説三輪氏の西湖評は「西湖はポンプ小屋のところでバイブレーション巻くのがパターン。つまらねえ釣りだ」というもの。
 伝説の人の言葉のおかげで、羨ましさに心かき乱されずに済んでいたことを感謝せねばなるまい。

 かくして迎えたこの日。
 土曜日である。
 風が強く吹き、暑さが苦にならない、過ごし易い陽気の日なので根性は不要。北から吹く風は韓流ポイントを釣るには好都合。と、登戸名物降臨と釣果への期待を込めて多摩川に向かう。
 
 現地入りしたところ、名物の三輪車は無かったがこれは予測済み。他人を「だらしがねえなあ」と罵っておきながら、本人がもっともだらしがねえことがわかっているからだ。
 韓流ポイントは師匠、植野行雄、セニョール、公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょうらが一帯を占めていた。
 朕は長期不在の顔役に代わって「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」とブチキレてやった。
 レジェンドギレには殺伐とした釣り人の心に、笑いという和みをもたらす効果がある。
 状況は、というと、植野行雄が師匠から借りたステルスペッパーで一匹釣ったのみとのこと。師匠は「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と泣いたという。
 しばらくしてナマズさん、下野さんもやってくる。

 雨の影響で濁りが入り、風はこちらのシャローに向かって吹いているのだから釣り易くなっているだろうと期待していたが、ペケニシモの気配もなく、その他の魚も薄いという感触。
 長い沈黙、一様に苦戦という中、釣果を得たのは寡黙の君子、夏侯章だった。
 機心を絶ち、純白を保ち、神性定まったことの顕れである。

 朕は君子の功績を祝いたく、もし富貴を得ることができたなら、昼に堀之内は特別室、晩餐を目黒のリベラという豪遊に招待したいと思いますがいかがでしょうといったところ、夏侯章は喜んでこの提案に応じ、「あてどない一場の口約束なれど、我らの望むところは同じなり」と結んだ。
 これを漆園の誓いと謂う。

 しかし、厳しいという状況は変わらず、仲間たちが一人去り、また一人と去ってゆく。
 最後まで粘った朕と公孫戍も、結局ノーフィッシュに終わってしまった。
 そして、釣れなかったからといって礼儀を忘れるほど我々は不遜な人間ではない。夏侯章に対し「オレらはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と、三輪泣きしてやることは忘れなかった。

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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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