寡人、ポストイットを知る

 5月15日。

 昨日、童威がまたしても鶴見川でナマズをキャッチしていた。
 何という行動力か、と感心するも、朕にはまったく釣れていない魚である。
 何といって僻んでやろう。
 名言の供給が止んで久しいので、伝説三輪式の嫉み言葉も使いまわすしかやりようが無い。
 「あいつはしょっちゅう行ってるから釣れるんだ」というのが妥当なところであろうか。

 この日は久しぶりの李立と合流。
 朕はバスが釣り難いため、李立は今年スモールマウス釣果が三桁を超えたことによりフィネスワーミングに倦んできたという理由でのナマズ狙いだ。
 ナマ道五年以上になる両者だが、今年は特にナマズを狙っていない者たちにその数で上回られており甚だ面白くない思いでいたこともある。
 「自分、根っからのバサーなもんで」と、苦し紛れの伝説三輪すれば自尊心は保たれた気になれるのかもしれないが、ろくに釣れてもいないのに達観した風を装うほど我々は芸達者ではない。
 というわけで登戸堰下エリアで“本気”のナマズ狙いだ。

 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と朕が言えば、「オレが考え無しにやってると思うか」と李立が凄む。
 伝説式の礼は心得たものである。
 一帯にアユは豊富。
 まだ婚姻色のマルタの姿が多く見えている。
 とにかく巻きたいという李立がレアリスバイブで早々にバイトを捉える。
 水面に大きな水しぶきが上がりフックアウト。レアリスバイブはエビ状態にされている。ナマズか。
 にわかにンションが上がったものの、ここは「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」と、アナザーギレするのが適切である。
 アユ、マルタ、コイの姿ははっきりと見える。ナマズ、バス、ニゴイが見えることはなかったが、こういう状況ならおそらくどこかに居るだろう。
 何処か、まではわからないので広範囲に探って行くしゃない。
 しかし、水深、流速に応じて様々なベートを試みていく中、見えたのはザラⅡを追うコイのみ。

 陽が傾くにつれ、瀬の動きが慌しくなってくる。
 マルタの瀬入りには遅すぎる時期のはずだが、先に婚姻色のマルタを何十匹と見ている。
 李立が労役疲れのため電池切れを起こしている今、朕にもチャンスありだ、とキャストを続けるが思ったより反応は少なく、何とか釣れたのが婚姻色鮮やかなマルタだった。
 更に光量が落ち、ナマズやニゴイが瀬周りに寄ることが期待できるようになる。肉食モードのコイも来るかもしれない。
 ルアーが魚に当っただけか、食ってきたのか、という微妙な感触が時折出る中、遂にバイトの感触を得る。
 水面に銀色の魚体が見える。
 何だ、ニゴイか…いや、ニゴイもターゲットに入っていたのだからじゅうぶんではないか、と寄せてみればフォルムはバスそのもの。しかし、この体色はスモールマウスではない…まさか!?
 ナマズを求め、あわよくばスモールマウスを、などというところであったのでいうなればードである。
 外道とはいえシーバス。まったくの偶然とはいえマンモスうれピきものであった。

 完全に日が落ちる頃には李立はクルマの話に夢中になり、キャストすらしていない。時々うわごとのように「シーバス釣りに行きてえ…」と呟いている。
 朕もシーバスを得た喜びからただ漫然とキャストしているのみで、マルタを一匹追加するに止まる。

 気付けば20時。
 本気のナマズ狙いで来たはずだが、結局また外してしまった。しかし、その事実を誤魔化すため「自分、根っからのバサーなもんで」と言って締め括り、解散とした。

 ※マー語 
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テーマ : 「原発」は本当に必要なのか
ジャンル : 政治・経済

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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