飽く事知らず

 5月6日。

 “最終兵器格納庫”といった金文字が眩しい、メガバスのルアーボックス。ケンクラフトが消えた現在、最もいかす釣り関連グッズといえよう。
 いかにも伝説三輪氏が好みそうなセンスである。あのお方なら既に所有しておられるかもしれない。
 これを足元に置いて釣りをしながら、背後に通り行く釣り人の嘲笑を買いたいものだ、というところだが、朕は金も無ければ女も居ない負け組であるため、このような些細な願望さえも容易に叶えることが出来ない。
 仕方が無いので、いつも通りの備えで近場の多摩川へいくしゃない。

 昨日、蔡沢から様子を聞いていた、去年のニゴイ場の話が気になっていたので、まずは調布に行ってみることにする。
 去年のニゴイ場は流れが抜けるようになっていて、本流といった趣。
 それでも緩み、シャローフラット、巻き返し、えぐれといった変化はあり、魚が寄る要素はあった。
 上流側のアユ瀬下は先客があったため、チェックは見送り。
 ということで、今立つこのポイントを攻めてみることにする。
 リップレスクランク、キャロライナリグとやっているうちに茶色いヒイラギのような魚が追いかけてくるのが見えた。スペルどころではない、ウルティモな小ささのスモールマウスだった。
 一見して小型だとわかるスモールマウスのボイルも見える。上を意識しているようだし本流筋なら良型が通ることもあり得る。ということで、いちばん楽な表層系ベイト、マニックをキャストしていたらすぐにバイトがあった。
 残念ながらスペルペケニシモ。しかし、ハードベートでの釣果。“男らしい釣り”なので、伝説三輪氏にだけは評価していただけるかもしれない。
 その後も小バスのチェイスはあったが、それより先に進める要素が希薄だったことにより、降臨跡へ移動。

 冬の大型連休に降臨してこられた伝説三輪氏。今もまた大型連休の中にあり、加えて陽気に包まれた気候とあれば根性など不要。降臨の可能性はじゅうぶんにある。
 淡い期待を抱いての登戸入り。
 …と、名物の三輪車は見えなかった。
 Ⅱ、アナザーともに伝説人の気配は無かったが、師匠、公孫戍、夏侯章、セニョール、そして靴を履く文明人への進化を遂げた植野行雄が居た。
 彼らに「釣れましたか?」と問えば、「オレが考え無しにやってると思うか?」と凄まれたり、「ハードだってさんざん引いたさ!でも釣れねえんだよ!」とブチキレられたりする。
 皆、作法を弁えているようなので、朕も礼を失わぬよう「おめえら大層な御託並べてる割には釣れてねえじゃねえか」と、三輪の礼でひきとった。

 「雨で流れが通るようになるまでだめだな」と言って師匠は撤退。植野行雄もどこかへ移動して行った。
 これを機に、朕と江二子、セニョールは韓流ポイントへ向かうことにした。
 韓流ポイントには下野さんが居たので、様子を尋ねてみる。
 小さいのが反応してくるが釣れていないとのこと。
 当然、「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」である。
 童威も現れる。
 上流域で釣れたとのことだが写真は無い。
 そこで朕は「みんなおめえは上手え上手えっていうけどよお、おめえそんなに上手いかあ?」と、伝説三輪式で僻んでやった。
 フィネスなワームの釣りに倦んでいる朕とセニョールは、マスターベーションの美学について論じ合いつつ、しからばと朕はチャグRを、セニョールはベントミノーを発射した。
 チャグRの連続スプラッシュに一度バイトが出たがルアーには触れていない。セニョールはアナザーギレしたかったに違いないが、この程度ではキレることもできない。

 陽が沈む頃、セニョールが撤退。
 「何だ、もう諦めるのか。だらしがねえなあ」と、伝説式で見送る。
 次いで下野さんが上がるという。
 「朝からガチだったので腰が重くて…」と、本気のギブアップ状態。
 トップウォータープラグを中心に、表層系の攻めを続けていた朕も、あまりの反応の無さに飽きを感じるようになっていた。
 釣果を諦めた朕は公孫戍と夏侯章の様子を見に行く。
 公孫戍が二匹のキャッチに成功したとのこと。
 まるで振るわなかったハイスパートブーンブーンに対して、ランカシャースタイルはしっかり功を奏していたのだった。
 こういった繊細な釣りの苦手な朕と夏侯章は「オレらは二軍、おめえは一軍。そういう考えやめねえか」と、三輪泣きするほか無かった。

 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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