泣きの至り

 3月20日。

 陽気と連休最終日。
 今日はかなりの人出が見込まれる。望みは薄くとも伝説三輪氏がベイトを漁り、その威を振るう場面を期待してしまう。
 登戸名物にして、近在近郷で最も愉快な釣り人が君臨していた時代が懐かしい。スプークさせなければ或いは、と思わないでもないが、やはり当時は目に余る奇行が続いていたので仕方のないことにも思える。

 夕刻前に現地入りしてみたところ、やはり名物だった三輪車は無く、韓流ポイントには多くの釣り人が見えていた。
 南風で、上流側のシャローが生きる風の吹き方にも見えるが、川のつくりが変わって以降、南風も強い後押しにならなくなっている。しかし、降臨跡は釣り座に空きがあったのでこちらから始めてみることにする。

 降臨跡には王孫賈や童威の共通の友人であるやはぎが居た。
 降臨跡では自分を含め、まだ誰も釣っていないという。
 コイやフナの活発なる様はよく見られたが、ブラックやナマズといったありがたい魚の存在を示すものは見えない。
 張良、侯嬴こうえいが居たので状況を聞いてみる。
 今年はまったく冴えない一帯ではあるが終わっているというわけでもなく、侯嬴は昨晩、トップのみで四匹キャッチし、張良は今日何度か反応を得ているとのこと。
 とはいえ、今は何も無い。
 アナザー氏が居たならば「おしゃべりしてないで釣りしなよ!」と、怒られてしまうだろうがレジェンドⅡ同様、長期不在なので、朕は安んじておしゃべりに興じた。
 やがて夏侯章が現れる。
 昨日は韓流ポイントで下野さんがスモールマウス六匹、夏侯章がナマズを一匹釣り、なかなか楽しめたと聞く。
 特出した釣れ方は無くとも、かようにしていつも誰かしら釣れている。あの三輪氏でさえも、口先ではない本当の根性を出せれば釣れなくもないのではなかろうか…いや、やはり無理か…。

 韓流ポイントに空きが見えるようになり、朕と夏侯章は移動。
 韓流ポイントに着いてみれば、降輪跡から見えた以上に釣り人が残っていた。
 幸い、先客は下野さん、童威、やはぎ、若きベテランとその友人のバクチョーマン、と見知った顔ぶれだったので遠慮なく横入りさせてもらった。
 どうやらこの一帯は先ほどまで好釣だったようで、下野さんが五匹、童威が四匹、他の釣り人もぽつぽつと釣れていたという。
 やはぎはナマズを発見し、口を使わせることはできたがフッキングは決められなかったとのこと。
 「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」
 朕は知り合って日の浅い若者に伝説式で応えてやった。
 しかし、所詮物真似のまた物真似でしかない。プディングの味を知るにはプディングを食べてみるしかないのだ。
 オリジナルの降臨が切に望まれるところ。

 光量が落ちてからはいよいよ朕も集中力を発揮し、表層攻めのあの手この手を試したが反応は得られず。
 勢いを感じられるのはコイだけだった。
 それでも誰か一人ぐらいは、と粘り続ける一同だったが、童威が先日の最小級を上回る一尾を釣るのみ。
 遂に納竿の時が来る。
 この日ボーズに終わった朕と夏侯章は釣果を得た者たちに「オレらは二軍、おめえらは一軍。そういう考えやめねえか?オレたちそもそもそういう付き合いだったか?」と、伝説三輪式で泣いてこの日を締め括った。

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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