二人ハントゥーン

 1月31日。

 娑婆とは極力関わりを控え、半僧半俗の道を往く。
 故に、そして今日もまた千夜釣行である。

 昨晩のうちに再び季節が戻ってしまった。
 それでも昨日の名残はあるかもしれない。
 ジャークベートでフッキングしなかったのはMHのロッドだったからか。という訳で、今回はMHのルーミスからMのオールスターにロッドを替え、降臨跡に向かった。

 冷たい北風が吹いている。
 冬の多摩川の光景だ。
 少ないながらも伝説三輪氏のベイトは居る。
 しかし、平日に降臨は無いだろうし、ポイントとしてここは無いだろう、と思いながらも、目には見えないプラス要素に気付いていないだけかもしれないということもある。「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、レジェンドⅡし、目立った変化にシャドウラップを通して進む。
 “だが、反応は無い”
 ここで反応が無いからといってアンダーショットリグを入れたり、“ジグヘッドワッキーでシュクシュクと”という気にはならない。
 登戸名物には「お前の釣りはつまらん!」と非難されてしまうだろうが、可能性を見出せぬところで粘って釣れず、つまらない思いをして他人に当り散らすよりはましである。
 再び冷え込んでしまったとはいえ、風の当るシャローフラット周辺の方が魅力的だろうということで移動。

 韓流ポイントへ。
 見知らぬ釣り人が居ると思ったら、昨日、童威のライブターゲットを救出した有為有能の士だった。
 普段はここより遥か下流の流域でナマズを狙っていることが多いという。昨日、仲間に隣で釣られたのが悔しくてならず、今日も来てしまったとのこと。
 屈辱をばねに起ち上がるとはまるで范雎はんしょではないか。すると昨日釣果を得た人物は鄭安平ていあんぺいか。
 して、今日はいかに?と問えば、ビッグベイトにチェイスしてくるナイスサイズが見えたとのこと。
 引き続き強め、浅めで良いのか。
 朕はジャークベートで上を探り、同じコースをテールがチャートリュースのフィネスワームで底を探った。
 しかし、どちらの攻めにも反応は出ず。

 ナマズさん、李立、童威がやって来る。
 釣れたか、と問われれば、「オレだってちゃんとやってるよ!」とブチキレるか、「オレが考え無しにやってると思うか?」と凄むのがここでの作法。抜かりは無い。
 朕とナマズさんはルアーにこだわり、李立と童威はライブベートとルアーを交互にやっていた。
 しかし、いずれの者も長い間反応を得られずにいた。
 
 ようやく李立がバイトを得る。
 ライブベートではあるが、ここへ来るまでから時間を要した。

 弱まることはあっても総じて風の強い日である。朕はボトムの取り難さに音を上げ、シャローフラットを巻くことにした。
 波で視認しづらく、上下の移動が容易な水深であればレンジを気にしなくても良いし、何よりも釣りの醍醐味を味わいたい。
 クランクベートでは根掛りの恐れがあるし、ジャークベートでは飛距離に不満。そこで、ワンダー80の表層巻きを選択。
 なるべくトレースできるラインを長く、とキャストしているうちにストライクを得る。
 ハードベイトでの釣果だから「男らしい釣り」と称えられるのか、それともレジェンドⅡも好んで使っていたベイトだけに「手堅さに走って、自分らしさを見失ってねえか?」と酷評されるのか。
 この魚の伝説的価値を問いたくメールを一斉送信する。

 朕のヒットから程なくして李立がストライクを得る。
 これはルアーによるもの。
 ベイトのタイプを問わずに釣れたということは、停滞の時間帯は単に魚が来ていなかっただけのことかもしれない。
 写真を撮り終え、魚をリリースしていたところ「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」の声。

 見れば公孫戍こうそんじゅだった。
 朕の一斉送信が届いた時、ちょうど登戸駅に居たとのこと。
 長いこと釣りが出来ずにいる欲求不満は爆発寸前のようだ。
 さながら、ガンツ一味を捕らえるために、一時的に釈放された時のレジー・ハモンド状態といったところか。

 陽が落ちて公孫戍が寒さを訴えるようになる。
 とりあえず、釣れて安堵を得ている朕はこの機に乗じて帰ることにした。
 ついでだからメシでも食っていこうということになり、まだ夕食前だという夏侯章かこうしょうも合流し、登戸商店街で会食となった。
 雰囲気的におビールでもいただきたい気分になるが、原付を自宅まで押していくのは辛すぎる。ここは食事だけで我慢だ。

 またしても始まる伝説の逸話比較。
 世代の違いというものなのか、凄みという点ではあちらの伝説のほうが、こちらの伝説を凌駕している。
 これでは三輪氏をしても太刀打ちできないのではないか?
 確かに、最終的にはそうかもしれないだろうが、序盤は言葉巧みな三輪氏のほうが有利に運ぶだろう。
 来る途中、越中をメインに据えた興行ポスターを見たあとだけに、このマッチメーク話で異様に盛り上がってしまった。

 江三子と合流できるのは次の土曜日。
 次回を楽しみに、ということで解散となった。

 
 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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