オレは別に僻んでるわけじゃねえからな、泣きの夜

 1月13日。

 「正解はお前らに任せた」
 伝説式マジックワードを唱えておけば、いかにマズい結果に終わろうとも、自分は常に貴い所に処るという気になっていられる。
 死角なしの法である。

 この日はザ・タックルボックスの店長と合流予定。同時に、先日注文したリッジ90F、レンジバイブを受け取ることになっていた。
 李立より既に韓流ポイントに入っているとの連絡あり。
 「15分で準備しろ」という伝説式脅迫も添えられていた。
 脅迫には屈しない朕は「オレはよお、おめえと違ってガチじゃねえからよお」と返し、ゆるりと多摩川へ向かった。

 降臨跡にて店長と合流。
 世の習いに従い、商品は日本円で購入。
 これらのベイトは今すぐ使うものではないが、多摩川をハードベートて釣ろうと思うなら、無くてはならないルアーなのだ。
 ここ最近の状況を説明しながら韓流ポイントへ進む。
 流すような感覚で釣り進んでいると李立発見。
 聞けば既に四匹釣れているとのこと。
 学ランの下は釣りコスチュームという、ピーター・パーカーのような芸当をこなす童威も登場。
 店長に、新川で鍛えた本気を実釣をもって示そうとする朕だったが、釣れるのは李立ばかり。
 我々が見ている間にも五匹という釣果を叩き出す。
 レジェンドⅠが健在なら間違いなく石を投げられていただろう。

 日没後、「メシなんて食ってられるような状況か?」というべき場面ではあったが、リアルガチなあのお方とはスタンスを異にする朕と店長はメシでも食べて帰ろうと撤退。
 李立は十匹目を目指して続けるという。
 童威がいつ李立に対し、レジェンドギレしてみせるのか期待していたが、まだ照れがあるのか、終始おとなしいままだったのはいささか残念だった。

 「釣れる場所はある一角だけに限られていた」「メインベイトは小さい」と、店長。
 見えない水中を冷静に観察していた技量はさすが、と感心。商人である前にアングラーなのだな、と朕は敬服した。
 しかし、今ここで釣っているところを見たわけではないので「みんな、あの人上手い上手いって言うけどよお、あの人本当に上手えかあ?」と、伝説三輪式で僻んでみた。

 夕食を終え、帰宅し、携帯を見てみると李立より、ついに二桁達成したとの報が入っていた。
 もはや「突き落としてやろうか」としか掛ける言葉が無い。

 かつて、朕はあまりにも釣れなくてズレたことばかり言うベテラン釣り師に、とりあえずそこそこは釣れるようになるために指南しようとしたことがあったが、「オレにかまうな、上手い連中と仲良くやってくれ」と、下手くそな強がりで返されたことがある。
 自分が上手くないという自覚があるなら、こういった身近な上手い連中に素直に習っていれば、自分だけ釣れず「釣りという低レベルな競争」から卒業せずに済んだのに…と、思うのだった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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